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村崎百郎の本

2010.12.01   CULTURE | BOOK

(アスペクト)1680円

 今年7月23日、自宅で読者に刺殺されるという非業の死を遂げたライター、村崎百郎氏。彼の足跡を辿った本が刊行された。筆者は本書で京極夏彦、根本敬氏等にインタビュー、イントロダクション執筆等で参加させてもらった。生前の氏を知る執筆者たちは豪華そのもの、生きの良かった頃の本人の原稿の再録までされており、「村崎百郎」を知るための格好の書物になったと思う。この本を読むと見えてくる村崎の顔は多種多様で、どれが本当なのか未だに定かではない。とにかく故人…ゴミ袋を被った優しい巨漢…を単なる三面記事事件の被害者として風化させはしない、絶対に忘れさせないという半ば執念で編んだ。「90年代総括」とかいう狭い括りではなく、プラスワンやその界隈にあまたいる、「出来るのにやれなかった人」達への鎮魂歌的な物に仕上げた。ちょっとでも興味がある人は是非読んで欲しい。(多田遠志、尾崎未央)

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