
自作自演歌手、鈴木常吉が2006年に発表した名盤『ぜいご』が180g重量盤2LP仕様で待望の初アナログ化。8月27日にVINYL BUGより発売される。
人はなぜ悲しむのか。悲しみはどこからやってくるのか。悲しみを全身で噛みしめ、その在処を探り続けた一人の男の物語。
Netflixでも配信され、世界からも人気を博した2009年開始のドラマ『深夜食堂』のオープニング曲・挿入歌『思ひで』を収録。
鈴木常吉が自らの半生をひたすら凝縮し、結晶させた珠玉の作品集として名高い一作だ。
グラミー賞の常連で、2023年にはピューリッツァー賞の音楽部門を受賞し、ビヨンセの「Cowboy Carter」への参加でも話題を呼んだリアノン・ギデンズが、自身のライブで『思ひで』を日本語でカバーしたことも注目された。
女々しさは微塵もないが、なんと悲しみに満ちあふれたアルバムだろうか。ビリィ・ホリディの『暗い日曜日』を聞いた時以来の衝撃を受けた。
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このアルバムはツネさんの『人生論』のようなものなのではないのか。
誰も知らない場所で、ツネは、このようにして死者を弔っているのかと思うとこちらまで辛くなる。
鈴木常吉がどのようにして人に接し、どのような根拠から言葉を紡ぎ出しているのかが分かるようだ。
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そして誰も居なくなる。『きっと誰も居なくなる』ツネはその中でもがき、自分の骨を、光るナイフで削ぎ落とすようにしてこの作品を並べたのだ。
──三上 寛(ライナーノートより抜粋)
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<タワーレコード>
【鈴木常吉プロフィール】
1954-2020年。東京都足立区出身。80年代にセメントミキサーズにボーカル/ギターで参加。バンド・オーディション番組TBS「イカ天」で3週勝ち抜き、注目を集める。1990年、セメントミキサーズ「笑う身体」でメジャーデビュー。プロデュースをブレイヴ・コンボのカール・フィンチが担当。その音楽性が高い評価を得るもアルバム1枚を残して解散。翌1991年、つれれこ社中にボーカル/アコーディオンで参加。1997年、つれれこ社中「雲」をオフノートよりリリース。ビートたけし、高田渡、早川義夫、忌野清志郎らに絶賛される。2000年、つれれこ社中、活動休止。ソロ作では、2006年に「ぜいご」、2010年に「望郷」、2020年に「オールウェイズラッキー」をリリース。2018年と2019年、中国ツアーを行ない5都市で公演。渋さ知らズへのゲスト参加などでも活動した。また、『俳優 亀岡拓次』(監督:横浜聡子)、『オーバー・フェンス』(監督:山下敦弘)、『夜明け』(監督:広瀬奈々子)などに俳優として出演。
商品情報
ぜいご
2025年8月27日(水)発売
仕様:180g重量黒盤2LP
税込価格:6,600円
発売元:VINYL BUG / しゃぼん玉レコード
販売元:東洋化成ディストリビューション(東洋化成株式会社)
【トラックリスト】
DISC1 SIDE:A
1. 疫病の神(収録時間4:01)
2. アイオー夜曲(収録時間3:46)
3. くぬぎ(収録時間4:16)
4. アカヒゲ(収録時間5:52)
DISC1 SIDE:B
5. サマータイム(収録時間5:04)
6. ワーリーブルース(収録時間4:55)
7. 目が覚めた(収録時間4:42)
8. 石(収録時間4:12)
DISC2 SIDE:C
9. 薮(収録時間4:13)
10. ミノ君(収録時間3:44)
11. 煙草のめのめ(収録時間3:18)
12. 父のワルツ(収録時間4:19)
DISC2 SIDE:D
13. 思ひで(収録時間4:45)
14. お茶碗(収録時間 5:56)
<唄と演奏>
鈴木常吉 うた、ギター、アコーディオン
中尾勘二 クラリネット、サクソフォン
関島岳郎 チューバ、リコーダー
<プロデュース> 中尾勘二
<デザイン> 藤原邦久
<写真> 桑本正士
<カバー絵> 鈴木翁二
<ライナーノート> 三上 寛