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ナボコフ、エリオットらが絶賛し、ルー・リードが師と仰いだ"新世代の代弁者"、デルモア・シュワルツの本邦初短編集『夢のなかで責任がはじまる』が7月22日発売

2024.07.18

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「アメリカ文学史上の伝説的作家」と言われるデルモア・シュワルツの本邦初作品集『夢のなかで責任がはじまる』(ルー・リード序文/小澤身和子訳)が、2024年7月22日に株式会社河出書房新社より刊行される。

『夢のなかで責任がはじまる』とは

20歳になる主人公の青年が映画館に入ると、若い頃の両親がリゾートでぎこちないデートをする姿が上映されていた。
強引な父が母の気持ちを汲まぬままデートを続けるのを見た主人公は、
「やめたほうがいい! 何もいいことなんか起きないんだ」
とスクリーンに向かって叫ぶが何も変えられず、係員にたしなめられる。
やがて父は母にプロポーズをしてしまい……
 
ウラジーミル・ナボコフが、「アメリカ文学のお気に入りの6つの短編」として、サリンジャーの「バナナフィッシュ日和」などと並べて絶賛した、デルモア・シュワルツの短編「夢のなかで責任がはじまる」。
大恐慌時代の1937年に雑誌「パルチザン・レヴュー」で本作が発表されるや、時代の声を聴く「新世代の代弁者」として、若い読者を中心に熱狂的に受け入れられた。
日本国内でも柴田元幸、坪内祐三、鮎川信夫などアメリカ文学の紹介者からこよなく愛された作品だ。
 
表題作のほか、若い作家たちが集うサークルでの群像劇「この世界は結婚式」、恐慌時代の中流ユダヤ人家庭の三世代の姿を描いた「生きる意味は子どもにあり」など、ニューヨークをおもな舞台に、若者たちが抱える焦りと輝きをクールな筆致で活写した全8編を収録。
「アメリカ文学史上の伝説的作家」による、待望の本邦初作品集だ。

孤高のアート探究者、ルー・リードによる「序文」収録

俺は書いてみたかった。あんたと同じくらいうまい一文を。
俺が目指す山。俺のインスピレーション。
あんたは史上最高の短編を書いたんだよ。
夢のなかで。
──ルー・リード(本書「序文」より一部抜粋)
 
本書「序文」は、シラキューズ大学でシュワルツから文学、詩作を教わり、後の活動に大きな影響を受けたミュージシャンのルー・リードによるもの。
 
「おゝ デルモア あんたがいなくてどれだけ寂しいか」(O Delmore How I miss you)
という書き出しからはじまるこの序文には、師への敬愛の念と、彼との個人的なエピソードの数々が、まるで音楽に乗せ歌うように綴られている。
 
「これまで会ったなかでいちばん偉大な人だった」
と述懐するルーは、バンド初のアルバム「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ」に収録した楽曲「European Son」を師シュワルツに捧げている。

著者紹介

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【著】デルモア・シュワルツ(Delmore Schwartz)
アメリカの作家・詩人。1913~1966。ナボコフ、エリオットらがその才能を絶賛し、ソール・ベロー、鮎川信夫、ルー・リードなどに影響を与えた。短編集『夢のなかで責任がはじまる』、詩集『創世記』など。
 
【序文】ルー・リード(Lou Reed)
1942年ニューヨーク州ブルックリン生まれ。1965年ヴェルヴェット・アンダーグラウンド結成。1972年ソロ活動に入る。2013年没。
 
【訳】小澤身和子(おざわ・みわこ)
翻訳者。訳書に『アメリカ死にかけ物語』『サワー・ハート』(以上、河出書房新社)、『クイーンズ・ギャンビット』(新潮社)、『覚醒せよ、セイレーン』(左右社)、『ベル・ジャー』(晶文社)など。

商品情報

夢のなかで責任がはじまる

著者:デルモア・シュワルツ
序文:ルー・リード
訳者:小澤身和子
仕様:四六変形判/仮フランス装/308頁
発売日:2024年7月22日(月)
税込定価:3,190円(本体2,900円)
ISBN:978-4-309-20908-1
装丁:クラフト・エヴィング商會(吉田浩美・吉田篤弘)
発行:株式会社河出書房新社

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【本書目次】
序文(ルー・リード)
夢のなかで責任がはじまる/アメリカ! アメリカ!/この世界は結婚式/大晦日/卒業式のスピーチ/陸上競技会/生きる意味は子どもにあり/スクリーノ
訳者あとがき(小澤身和子)

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