春日太一の『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』(株式会社文藝春秋 刊)が、第55回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。
『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』は、『羅生門』、『七人の侍』、『私は貝になりたい』、『白い巨塔』、『日本のいちばん長い日』、『日本沈没』、『砂の器』、『八甲田山』、『八つ墓村』、『幻の湖』など、歴史的傑作、怪作のシナリオを生み出した、日本を代表する脚本家・橋本忍の決定版評伝。
著者が生前に行なった十数時間にわたるインタビューと、関係者への取材、創作ノートをはじめ遺族に託された膨大な資料をもとに、その破天荒な映画人の「真実」に迫る。
春日太一の受賞コメント
12年の歳月をかけた一冊を高く評価していただき、光栄に存じます。
また、取材・制作にご協力くださった皆さまと歴代の編集者の皆さまに、心より御礼申し上げます。
映画関連の書籍はなかなか厳しい状況にありますが、今回の受賞が業界全体の起爆剤になることを切に願います。
【著者略歴】
春日太一(かすが たいち)
1977年生まれ。日本大学大学院博士後期課程修了(芸術学専攻)。大学院在学時より時代劇を中心に映画スタッフの取材を開始。2006年『時代劇マガジン』への寄稿を皮切りに、本格的な執筆活動に入る。
〈作品〉
『時代劇は死なず! 京都太秦の「職人」たち』2008年集英社新書刊。『天才 勝新太郎』10年文春新書刊=第42回大宅壮一ノンフィクション賞候補、第9回新潮ドキュメント賞候補。『あかんやつら 東映京都撮影所血風録』13年文藝春秋刊。『鬼才 五社英雄の生涯』16年文春新書刊。『すべての道は役者に通ず』18年小学館刊。『時代劇入門』20年角川新書刊。『大河ドラマの黄金時代』21年NHK出版新書刊。『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』23年文藝春秋刊。