パレードブックスは、 2021年11月11日（木）に『カントールの楽園』（著：市川秀志）を全国書店で発売。

 

無限集合論を構成している実無限は、 数学の難問を次から次へと解決し、 驚くほどに数学を緻密な、 そして厳密な世界へと変化させた。 そして現在では、 すべての数学理論は無限集合論を土台として構築されている。 さらには、 すべての数学的証明はその根拠を無限集合論に求められるようになった。もはや、 この数学理論を手放すことは不可能であるという意味で、 「誰もカントールの楽園からわれわれを放逐することはできない」と当時のゲッチンゲン大学の数学教授であったダーフィット・ヒルベルトをして言わしめている。しかし、 あれから100年たった。 私たちは、 そろそろカントールの楽園から去らなければならない時期に来ている。

 

本書の内容は、 数学と物理学に対する哲学的な考察です。 まずは、 無限集合論を中心に語られている。 次に、 無限集合論からなる非ユークリッド幾何学に触れて、 最後は非ユークリッド幾何学からなる相対性理論にも言及。 この３つの理論は相互に密接に関係している。数学理論と物理理論の考察を哲学的に行なうときに注意したのは言葉の使い方。 できるだけ難しい数式や論理式を省き、 その代わりに誰にでもわかるように漢字の少ない文章を選んでいる。この書を読むことによって、 「正しいとはどういうことか？」「真理とは何か？」をみんなで一緒に考えていこう。