株式会社 学研ホールディングスのグループ会社、 株式会社 学研プラスは、 書籍『図解 影響力の心理学 海外の心理実験で証明された「相手にYES!と言わせる技術」』を発売。
営業、 広告、 勧誘、 マーケティング。 私たちは知らない間に潜在意識を操られ、 欲望や先入観で“心理操作”されることで、 たやすく任意の方向に誘導されている。 いったい人はなぜ、 “心理操作”に簡単に騙されてしまうのだろう。本書では、 海外の研究機関で行われた40の心理実験をもとに、 社会に発信される膨大なメッセージに隠れた「影響力のシステム」を明らかにしていく。
アメリカ大統領選での“疑惑”
この“心理操作”の典型的なものに「サブリミナル効果」がある。 その著名な例として、 かつてアメリカ共和党のジョージ・W・ブッシュ氏が、 民主党のアル・ゴア氏と大統領選を戦った際の選挙キャンペーン広告が挙げられる。 ブッシュ氏はゴア氏が提唱する政策を攻撃するテレビCMを制作したが、 その映像内でブッシュ氏は、 ゴア氏の政策は官僚(ビューロクラッツ/bureaucrats)によるお仕着せであると非難した。
このCMの中で「ビューロクラッツ」の文字を表示するほんの一瞬、 そのスペル末尾の「RATS」が大写しになった。 つまり「ドブネズミ」というわけです。 しかし普通に映像を見ている際に、 「RATS」の大写しはまったく認識できない。 録画した映像をスローモーションで再生して初めて「RATS」と確認できる。こうしたネガティブキャンペーンで、 ブッシュ陣営がサブリミナル効果を利用して投票者の誘導をはかった可能性は高そうだ。 ただ、 それでブッシュ氏の票が増えたかどうかは判然としない けれども日常でこんなふうに、 私たちが認識できない方法で「YES!」と言わせる様々な心理操作が試されているのは事実だろう。
興味深い心理テストやエピソードで学ぶ「影響力のシステム」
これは政治や映像といった限られた世界だけではなく、 ひょっとするとあなたの周囲にも、 あなたに「YES!」と言わせようと企む人々がいるかもしれない。そこで本書では、 彼らがどのような方法であなたを心理操作していくかについて、 海外の研究機関で行われた40の心理実験をもとに、 「図解」を駆使して紹介。興味深い心理テストの数々、 さらには身近な販売現場などのエピソードを読み進めていくうち、 あなたは自分の周囲に張り巡らされた「影響力のシステム」の存在に気がつくはず。 昨今の情報社会において、 こうした“心理操作”の実態を知っておくことは、 私たちが平和な日常を送るために、 とても重要なことではないだろうか。
商品情報
『図解 影響力の心理学 海外の心理実験で証明された「相手にYES!と言わせる技術」』
中野明
定価:1,430円 (税込)
発売日:2021年9月30日(木)
判型:四六判/192ページ
電子版:あり(配信中)
ISBN:978-4-05-406840-7
発行所:(株)学研プラス
【目次構成】
心理テスト第1問 どちらがお得?
心理テスト第2問 あなたは面接官。
心理テスト第3問 3万円する靴を購入。
心理テスト第4問 リンダは31歳で未婚、 社交的で聡明。
INTRODUCTION 「潜在意識を操る心理学」に騙されるな!
Chapter1 なぜ、 あなたは「YES! 」と言ってしまうのか?
Chapter2 「損をしたくない」の心理学――相手の心を惑わせる
Chapter3 「フレーミング」の心理学――相手の行動を操る
Chapter4 「選択」の心理学――相手に自由を与えて行動を制限する
Chapter5 「制御」の心理学――相手を追い詰める論理のトリック