刊行直後からSNSで作家、 書評家を含む多くの読者から「一気に読んだ」「今年一番の面白さ」といった絶賛の声が続々の『自由研究には向かない殺人』。 口コミで話題となり、 たちまち重版が決定。

 

『自由研究には向かない殺人』の主人公は、 17歳の高校生ピップ。 彼女は自由研究で、 自分の住む町で5年前に起きた17歳の少女アンディの失踪事件を調べている。 その事件では、 交際相手の少年サルがアンディを殺して、 自殺したとされていた。かつてサルと親しかったピップは、 ある出来事をきっかけにサルに憧れていた。 彼が犯人だとはとても信じられず、 無実を証明するために自由研究を口実に事件を調べはじめる。 ところが、 身近な人物が容疑者に浮かんできてしまう。 ひたむきな主人公の姿が胸を打つ、 傑作謎解きミステリ。

 

本書にはたくさんの図版が掲載されており、 ピップが調査で得た情報をそのまま読者も目にすることができるのが、 大きな魅力。 失踪したアンディの家族やサルの友人、 警察官へのインタビューの書き起こし、 町の地図、 メッセージアプリでの会話のやりとりの画像、 警察の公式文書（一部は黒塗り）、 登場人物の手帳の写真……などなど。 こういった構成の効果でピップと一緒に調査をしているような気持ちになるため、 物語に入りこんでページをめくる手が止まらなくなる。 

 

 

事件の真相を明らかにするため地道な捜査を続けるピップ。 本書の解説で若林踏氏が「快活な主人公が与える爽やかな読み心地に惹かれる読者は多いはずだ。 」と言及しているように、 彼女の偏見なくまっすぐに事実を見つめ受け止める姿に感動した読者も続々。 「心打たれた」「魅力的なキャラクター」と支持を集めている。 最高の謎解き青春ミステリだと高い評価を得ている。 

 

二転三転する事件。 謎解き、 少女探偵、 どんでん返しとミステリの要素をふんだんに盛り込み、 決して最後まで読者を飽きさせない本作。 また本作の続編であるGood Girl, Bad Blood（2020）の2022年の翻訳刊行も決定。 主人公ピップの今後の活躍にもぜひご期待を。