2021年9月13日、 故・中村哲医師の証言録である新刊『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」』のカバーデザインが公開された。 また各書店で予約受付も開始。 同時に、 止まない反響を受け、 中村医師の自著『天、 共に在り』の重版が決定し、 累計10万部を突破。
「セロ弾きのゴーシュ」に重ねた想いとはーー 新刊には貴重な証言が満載
NHK出版より10月25日発売予定の『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」~中村哲が本当に伝えたかったこと』は、 2019年にアフガニスタンで亡くなった医師・中村哲の証言録。 本書は中村さんが出演したNHK「ラジオ深夜便」の6番組より、 インタビューに答えるその肉声を忠実に再現するもの。 アフガニスタン復興支援に半生を捧げ、 65万人の命をつないだ医師は何を語ったのか。
今、 アフガニスタン情勢が連日ニュースとなっているが、 その状況を深く理解するため、 中村医師の言葉に再び注目が集まっている。 NHK出版は読者の皆様や書店様からの多くのお問い合わせに対応し、 中村哲医師の著書『天、 共に在り』の増刷(20刷 累計10万500部)を決定。 担当編集者が本書制作時の中村医師とのやり取りを回想した寄稿文「中村哲さんとの思い出」も、 NHK出版WEBマガジン「本がひらく」で公開中。
中村医師の実直な人柄がうかがい知れるエピソードも、 ぜひご一読を。
特別寄稿より抜粋
最近になって、 初版時の帯のメインコピーについて尋ねられる機会が増えてきました。 そのコピーとは、 「道で倒れている人がいたら手を差し伸べる――それは普通のことです」というもので、 (中略)あの言葉の出典は何かと聞かれるようになったのです。 実はあの一文は、 『天、 共に在り』や中村先生のほかの本に出てくるものではありません。 私が何度かうかがった先生の講演会で幾度となく耳にしたのが、 あの言葉だったのです。