今年もオンラインでの開催となった台湾映画上映＆トークイベント、 新作と未公開作品で台湾映画の「精鋭と新鋭の挑戦」を伝えていく第5回は、 台湾南部の女性2人の愛と友情、 成長を描いたロードムービー『Mickey On The Road（中文題：迷走廣州）』を上映。

 

台湾の伝統文化、 発展する中国、 そのギャップの中で傷つきながらも成長していくするふたりの女性がとても瑞々しく、 ストーリーの展開にやや荒削りなところもあるが、 それをもって余りある新人監督の意気込みを感じただろう。「全編にわたって映し出される台湾ローカルな風景と人々が素敵で心に染みた」「台湾から見た中国、 中国から見た台湾人の視点のどちらもが興味深く新鮮だった」「重い話だなと思いながら観ていたが、 若い女性たちの成長譚として清々しさが残るラスト」「主演の俳優さん達の演技がフレッシュで、 最後のシーンはとてもよかった」「社会における女性の怒りについては大変リアルに描かれていると感じた」「台湾と広州の対比がとても良く、 二人の主人公が成長して行く姿もとても良かった」「主人公2人と、 それぞれが志している踊りの設定、 特に最後の八家将の舞がよかった」など感想がよせられていた。 

 

アフタートークでの作品解説は、 「映画や俳優たちのことはもちろん、 社会的な背景までがわかった」「一つの作品を鑑賞し終えてすぐにこれほど丁寧な解説、 監督の言葉などが聞けるのは大変ありがたい」「ロードムービーの歴史が勉強になった」ほか。 また、 コロナ禍における台湾映画界の様子を取材してお伝えした後半は、 現状把握と共に台湾のしっかりした感染防止対策も知ってもらう機会となった。

 

「台湾の映画情報のみならず、 コロナ禍においての映画産業に携わる方々の話も聞けてとても面白かった」「コロナ禍の台湾映画業界の様子を知ることができ、 勇気づけられた」「台湾映画業界も思った以上に大変だということが分かり、 日本よりずっと厳しいから感染防止はできているのだと納得した」等々。 さらに、 陸慧綿（ルー・フイミエン）監督からのムービーメッセージも到着。

 

このアフタートークは、 どなたでもご覧いただけるように、 10月31日までアーカイブ配信中。

 

次回は9月25日（土）、 『猫とハエ（原題：貓與蒼蠅）』『ロブスターキッド（原題：龍蝦小孩）』『弱くて強い女たち（原題：孤味）』の多様な短編3作。『弱くて強い女たち（原題：孤味）』は、 昨年のナンバーワンヒット作で、 いまNetflixで配信している長編のもととなった作品です。 アフタートークは作品解説と秋の映画祭情報。 

 

今回は私の作品を上映してもらい、 とても光栄です。 皆さんが気に入ってくれたらうれしいです。 創作者はとても孤独で寂しいので、 もし皆さんが感想や伝えたいことがあったら、 映画の公式FBなどSNSでいただければうれしいです。 もう一度　映画を見ていただきありがとうございました。