10月4日(日)、PENICILLINのギタリスト千聖の誕生日当日、彼がこの世に生誕したことを祝うように、PENICILLINは千聖 BIRTHDAY LIVE 「ROCK×ROCK 2020」を開催した。例年、たくさんのファンたちを前に祝福の熱狂を描き続けてきた千聖のBIRTHDAY LIVE 「ROCK×ROCK」シリーズだが、今年は無観客ライブ配信という形で実施。それでも、何時もと変わらぬ千聖らしい選曲による攻めたライブをPENICILLINは示してくれた。
O-JIROのドラムが速いビートを刻む。その音を背中に感じたゲストベーシストのChiyuが「本日は千聖さんのBIRTH DAY、みんなでお祝いしようぜ」と煽りだした。その声へ導かれ舞台に姿を現したHAKUEIが、マイクを手に「SEX×4」と声を荒らげる。千聖のギターが豪快な音を重ね、フロア中を歪む音で埋め尽くすのを合図に、楽曲は「SEX」へ。豪放なハード&ロックンロールに身を預け、「天国へ!!」と叫びながら、HAKUEIは観ている人たちを黒い熱狂の楽園へ連れ出した。感情のボリュームを思いきり右へグイッとひねる熱い曲だ。主役の千聖は、手にしたフライングVをマシンガンのように操り、猛り狂う音を次々撃ち放っていた。
猛々しいO-JIROのドラムビートが身体を直撃。千聖のギターが雄々しい音を刻むや、楽曲は「γ-大戦」へ。一度付けた感情の火をもっともっと大きく膨らませろと煽るように、PENICILLINは攻撃を仕掛けてゆく。PENICILLINが求めていたのは、観ている人たちの本能をどれだけ裸な姿へ剥き出すか…。攻撃の手を緩めない様こそ、千聖の仕掛ける「ROCK×ROCK」らしいスタイルだ。
高ぶる気持ちへ甘い衝撃を注ぐように届けたのが、「天使よ目覚めて-20th ver.-」。輝きを振りまき疾走するハード&ロックンロールな音へ、HAKUEIが甘い歌のフレイバーを振りかける。胸踊らせる歌曲でありながら、何時も以上に音圧が深いのは、千聖の沸き立つ熱情がギターの音を通しダイレクトに反映しているからだ。
「10月4日は天使の日。天使の日と言えば千聖くんの誕生日です」と、HAKUEIが説明。なぜ、先のメニューに「天使よ目覚めて-20th ver.-」を加えていたかの理由が、そこから見えてきた。
次に披露したのが、最新ナンバー「heartbeat」。アメリカンハード&ロックンロールの香りを詰め込んだ楽曲だ。甘い歌声を届けるHAKUEI、その後ろでずっと攻めたリフを刻む千聖。雄々しきフレーズの数々を繰り出しながら、千聖は「heartbeat」を通し、画面の先にいる人たちの心の炎へ次々と油を注いでいった。重厚かつブルーズな音を千聖が刻み出す。HAKUEIが「誰にも負けない ダイヤの翼で」と歌いだす。「CRASH」だ!!千聖は、何度も何度もカメラへギターを突きつけ、観ている人たちを挑発し続ける。この日の千聖は、終始、長髪をなびかせ挑発し続けていた。その一貫した姿勢こそ、千聖らしいROCKなISMだ!!
アコギを手にした千聖。彼が熱情した音色を響かせ導いたのが「理想の舌」。途中からエレキにシフトした千聖は、幻想民族系曲へ黄砂吹きすさぶ音を塗り重ね、荒れた異境の風景を描きだしていった。
中盤には、ミドルメロウなロック曲「one star」を披露。この手の楽曲でも、千聖のギターは攻撃的な姿勢を示していた。むしろそれが、千聖らしい歌の支え方。嘆くように、胸の痛みを零すように歌うHAKUEI。切々とした歌声が、重く唸る演奏の上で哀切なドラマを描き出してゆく。千聖流の重厚なブルーズ&ロックな音色も活かしながら、楽曲は、ふたたび熱情を導くよう「JUMP#1」へ。暴れたい衝動へ、昂る感情へ刺激を与え身体を騒がせるようにPENICILLINは演奏を繰り出していた。唸りを上げて演奏が走り出す。PENICILLINは「透明人間パルサー」を通し、熱を放ち渦巻く坩堝へ観ている人たちを巻き込んでいった。タフ&ワイルドな演奏に触発され、気持ちも荒ぶり続ける。このまま荒れすさぶ演奏へ身を浸し続けていたい。
剥き出した感情を、鋭い牙を首筋へ深くめり込ませるように、PENICILLINは「快感∞フィクション」を通し激情と恍惚へと導きだした。荒れすさぶ嵐のような音へ身を浸し、本能が導くまま、痛い恍惚に身を浸せ。それが、快楽へ繋がる最良の道筋だ。
昂る気持ちのままに弾き狂う千聖のギターソロから吸い寄せられるように、演奏は「Desire」へ。欲望が求めるまま、本能が上げる声へ従うままに乱れ狂え。今宵は、心の化粧を落とし、素顔の心のまま乱れ狂うことを求める日。抑えた欲望を解き放ち、すっぴんな感情で恍惚を求めることが許される日。何度も何度も画面越しにギターを突き刺しながら、観ている人たちの欲望を恍惚へと導いてゆく千聖。疼く気持ちに身を寄り添え、もっともっと声を荒らげてゆけ!!
PENICILLINが最後に突き上げたのが、激しく重厚なメタリックでパンキッシュな「FOR BEAUTIFUL MAD HUMAN LIFE」。フロアへ降りたHAKUEIは、画面越しにアップな表情で挑発。終始、激しく攻めゆく姿勢を貫いたまま、PENICILLINは、観ている人たちを何度も絶頂へと導いて逝った。
アンコールは、お馴染みメンバーのトークコーナーへ。まずは、この日が誕生日の千聖を祝うため、大きなケーキをプレゼント。何時もよりもゴージャスなケーキが登場したことから、千聖もつい「景気がいい」と、お馴染みの駄洒落を零していた。「ROCK×ROCK」も今回で16回目の開催。トークコーナーでは、何時ものようにきままな会話を繰り広げていた。ついに千聖も、今回のROCK×ROCK で40代ラストイヤーを迎えたことになる。再来年2022年のPENICILLINの30周年は、千聖の50代突入と同じタイミングで突入する。30周年を迎えるカウントダウンへ向け、千聖は「わくわく和久井映見」の精神で進んでゆくことを宣言していた。。。のは良いけど、千聖さん、それ伝わりにくいっす(笑)。
PHOTO:コザイリサ TEXT:長澤智典
セットリスト
「SEX」
「γ-大戦」
「天使よ目覚めて-20th ver.-」
<MC>
「heartbeat」
「CRASH」
「理想の舌」<AG>
「one star」
「JUMP#1」
「透明人間パルサー」
「快感∞フィクション」
Gt Solo
「Desire」
「FOR BEAUTIFUL MAD HUMAN LIFE」
《 ENCORE 》
BDセレモニー~トークコーナー
Live Info.
2020.12.06 TSUTAYA O-EAST【PENICILLIN LIVE 2020「pulse&impulse」】開催決定
【PENICILLIN LIVE 2020「pulse&impulse」】
2020年12月6日(日)
TSUTAYA O-EAST 開場17:00/開演18:00
指定席10,000円(税込)・1F立見ブロック指定9,000円(税込)
<来場者限定オリジナルフェイスシールド付(当日配布)>
※未就学児童入場不可
問:サイレン・エンタープライズ 03-3447-8822(平日12:00-18:00)
サポートBASS:Chiyu( https://amagasaki-rockstar.com/ )
本公演は有観客公演として観覧チケットを販売いたします。
但し、コロナ禍における会場設定キャパ減少の都合上、FC[QUARTER DOLL]内のみでの販売となり、
一般発売はございません。