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大人気漫画「約束のネバーランド」を文学研究者が考察! 『英米文学者と読む「約束のネバーランド」』発売!

2020.08.17

 
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表紙イラスト (C)白井カイウ・出水ぽすか/集英社
 
 
全世界累計発行部数2,400万部超を誇る「週刊少年ジャンプ」の大ヒット漫画『約束のネバーランド』。 意表をつく展開の連続や、 複雑な頭脳戦といった要素から、 「少年ジャンプらしくない」と評されることもある同作ですが、 その物語の背景には、 多彩な文学作品や宗教に関する膨大な知識が踏まえられていることが窺える。 
 
本書は、 そんな大人気作品『約束のネバーランド』を、 気鋭の英米文学者が専門の立場から読み解こうと試みた考察本にして、 同時に英米文学・文化への最良の入門書でもある。 平易な文章に加え、 原作のカットを豊富に引用しているため、 わかりやすく、 気軽に読むことができる一冊。実写映画公開、 そしてアニメ第2期放送開始を控えている今だからこそ、 『約束のネバーランド』を改めて読む際の案内役として、 是非とも手元に置いておきたい副読本だと言えるだろう。
 
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1巻1話より (C)白井カイウ・出水ぽすか/集英社
 
※なお、 本書はあくまでも「週刊少年ジャンプ」編集部から許諾を得た上で、 一人の文学研究者がアカデミックな視点から、 作中の手掛かりをもとに『約束のネバーランド』を読み解いた、 いわば第三者目線での考察本。 よって、 原作者の白井カイウ先生や出水ぽすか先生による意図を明かした「公式解説本」とは性格が異なる。 加えて、 原作の終盤にかけての「読み解き」を行なうがゆえに、 ネタバレを多く含んでおりますので、 あらかじめご注意を。 
 
計算し尽くされた緻密な設定のもとで、 複雑なストーリーが展開される『約束のネバーランド』では、 作中に様々な「謎」がちりばめられている。本書では、 そのストーリーが踏まえていると推測される、 英国文化や児童文学、 映画作品などについての基礎知識を、 文学研究者としての視点からわかりやすく解説することを通して、 作品の核心へと迫っていく。「そもそも『約束のネバーランド』というタイトルの意味とは?」という最も根本的な疑問から始まり、 登場人物たちのモデルと予想される意外な人物たち、 主人公エマたちの「認識番号(マイナンバー)」にまつわる謎……など、 数々の重要な設定について鋭く考察を加える。
 
 
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16巻140話より (C)白井カイウ・出水ぽすか/集英社
 
『約束のネバーランド』の物語で極めて重要な役割を担っているのが、 「鬼」と呼ばれる生物たちの存在。 物語の中盤からは「貴族鬼」や「女王」など、 一癖も二癖もある鬼たちが次々と登場すえう。 主人公のエマたちにとっては脅威になるけれど、 どこか人間臭くて魅力がある――そんな鬼たちの文化や社会は、 実は我々の現実世界から様々な着想を得ていると推測されるのだ。
 
本書では、 「鬼語のモデルと考えられる古代文字」「鬼たちの社会のモデルになった国とは?」「鬼たちの宗教『原初信仰』とユダヤ教・キリスト教の比較」など、 様々な観点から「鬼」の設定の背景を解釈。 そして、 “約束”を司る存在の名前を表した「謎の文字」など、 物語の根幹に関わる設定にも踏み込む。本書を読んだ後に改めて『約束のネバーランド』を読み返せば、 様々な新しい発見を得ることができるだろう。
 

本書の主な内容 

・『約束のネバーランド』というタイトルの真の意味とは?
・謎を解くための手掛かりとなる幾つかの英米文学作品
・レウウィス大公、 バイヨン卿……あの鬼たちのモデルは
・ソンジュたちの宗教「原初信仰」とユダヤ・キリスト教
・階級、 女王、 狩り……鬼の社会と似た特徴を持つ国は?
・エマたちの認識番号(マイナンバー)をめぐる考察
・鬼の言葉とヘブライ語
・レウウィスのペットはなぜ猿なのか
・ジェンダーから見た『約束のネバーランド』という物語の新しさ
 

目次 

まえがき
第一章  イギリス文学・文化とのつながり 
1.J・M・バリー『ピーター・パン』 ~『約束のネバーランド』というタイトルの意味~
2.ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』 ~白ウサギ、 レウウィス、 チェス~
3.十九世紀のロマン派作家たち ~バイヨン卿とバイロン卿~
4.J・R・R・トールキン『指輪物語』 ~エルフと鬼~
5.鬼社会とイギリス社会 ~階級、 キツネ狩り、 女王~
 
第二章  原初信仰とユダヤ・キリスト教 
1.ユダヤ教とは何か ~原初信仰とソンジュ~
2.キリストの奇跡 ~ムジカ~
3.モーセと約束の地 ~エマ~
 
第三章 ジェンダー(男らしさ/女らしさ) 
1.女らしさの神話と男の世界
2.「ジェンダー」からの解放
3.男らしさの神話
あとがき
『約束のネバーランド』をより楽しむためのブックガイド 
 
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(C)白井カイウ・出水ぽすか/集英社
 
 

商品情報

英米文学者と読む「約束のネバーランド」
著者:戸田慧

発売日:2020年8月17日(月)
定価:本体860円+税
判型:新書判
ページ数:256ページ
ISBN 978-4-08-721131-3

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