アラブの春、香港雨傘運動、オキュパイ・ウォールストリート……、21世紀になって世界の注目を集めた政治運動の多くはSNSがその盛り上がりに大きく影響したことでも知られている。ところがそのほとんどが、当初の勢いを維持することができずに終わってしまったように見えるのはいったいなぜなのか。
本書ではプログラマーであり社会学者であり、世界中を飛び回るアクティビストでもある著者が、ネットやテクノロジーと現代の政治運動についての結びつきを様々な角度で調査し分析している。自身の経験や取材を通した様々な政治運動の生き生きとした姿、そしてフェイスブックやツイッターをはじめとしたソーシャルメディアの特性を分析することで明らかにされる拡散力とそれを妨害する力。その多くは驚くほど日本にもそのまま当てはまる。
ネット時代において政治を動かす力とはどのようなものなのか。ジャーナリスティックな読み物としての面白さと、現代日本にとっても重要なヒントを併せ持った一冊。
商品情報
ツイッターと催涙ガス ネット時代の政治運動における強さと脆さ
ゼイナップ・トゥフェックチー(著)毛利嘉孝(監修)中林敦子(訳)
2018/10/17
本体2,600円+税
ISBN: 978-4909483-10-2