関西を拠点として活動するmaximum10所属の３バンド『LOST』『POP DISASTER』『waterweed』がオリジナルショートアルバムを同時リリース＆地元関西のシーン活性化を目的とした合同キャンペーンを行う。

 

　『LOST』はいわゆる00年代のラウド・シーンの創世記より、スクリーモやメタルコアといったラウドの中核を担うサウンドの先陣を走ってきた。『POP DISASTER』はポップ・パンクの雄として時代に流される事なく上質なメロディーを生み出し続け、元VibedredのTDが加入し今後更なる飛躍が期待されている。『waterweed』は、多くのバンドから敬愛を受ける大阪アンダーグラウンドの猛者で、そのサウンドは、常に時代の先をいくハードコア・バンドだ。

 

　いずれも大阪を拠点とし関西のパンク＆ラウドシーンを牽引して来た３バンド、元々交流は深くレーベルメイトでもある彼らが、昨年waterweedの"Ashes"「Re-Release」「Release Tour Final」で共演した際にし、「地元である関西のシーン活性化、そして自分たちのメインフィールドでもある"ライヴ"に来てくれるキッズたちがもっと地元で音楽を楽しめる企画を作りたい」という想いで意気投合をし、今回の企画を立ち上げた。

 

　リアルな体験としての音楽情報発信基地であるレコード店やライヴハウスにも足を運んでもらいたいという想いから、発売前に無料サンプルCDを関西の主要なレコード店やライヴ・ハウスで配布する。また、全国流通ではあるが、地元関西のみ１週間先行発売となっているが、大きな需要を占める関東含め、他の地域をないがしろにする意図はなく、あくまで地元のシーン活性化への想いが結実した企画となっている。

 

　CD自体にも並々ならぬ意志を感じる。全バンド、9曲入りというミニアルバムでもフルアルバムでもない形態のショート・アルバムは、レーベルと話し合いを続け、とにかくキッズ達が手に取り易い金額でありながら、自分たちの音楽性をきっちり伝える事のできるヴォリュームを目指した。当初は、レーベル側からの反対もあったが、アーティスト本人が押し切った形だ。

 

　３バンドのショートアルバムを全てを購入しても、税抜きで5千円を下回るのに対して楽曲数は27曲と、フルアルバムの２枚以下の金額で２枚分以上のヴォリューム感となっている。３枚同時購入者にはスペシャルな特典が付き、その上、３バンド出演のリリース・イベントのディスカウント・チケットも封入される。

 

　また、通常のミュージック・ビデオの制作は行なわず、各バンド３曲ずつ計９曲が混在するショートフィルムを年明け１月より公開する予定で、ジャンルも音楽的志向も全く異なる３バンドが、あえてローカライズや連動性を押し出す事で、本人たちがそうであるように偏見なくボーダレスに音楽に触れる事の楽しさや可能性を示す企画となっている。三人寄れば文殊の知恵ではないが、あえて３バンドがユニティーを形成する意味は、メロコア、ポップ・パンク、ハードコア、スクリーモ、メタルコアなど多様なジャンルを内包する事で、ファン・サイドに起こるあらゆる化学反応の中に見出されていくはずだ。