若者にとっては刺激になるものだと思うんです
――改めて完成作品を見られての感想を伺えますか。
宮月:映画は実際の上映時間より短く感じるくらいで、凄くよかったです。そこは映画では大事な部分だと思っています。
――漫画だと読者のペースですけど、映画は監督にゆだねることになりますから。特に極限状態を描く作品が長く感じると疲れてしまうので。
宮月:今作は特に若者に見て欲しいという思いが強いので、刺激の度合いや長さに関してもうまくマッチしているんじゃないかと思います。
――私の世代だと『バトル・ロワイアル』が近いですが、衝撃も凄かったです。
宮月:その感じの面白さって、若者にとっては刺激になるものだと思うんです。そこは今も変わらないと思うので、上手くはまってもらえればと思います。
――高校生向けの作品はどうしても恋愛ものが多くなりますから、衝撃も凄そうですね。
宮月:そこは監督も、恋愛ものへのアンチの気持ちも込めているらしいです(笑)。
――作画の近藤しぐれ先生も映画を見られたのですか。
宮月:はい、一緒に見ました。近藤先生は自分で描かれたキャラが実写ではどのように描かれたかを、僕よりも着目されていました。画面の雰囲気の再現度はすごくいい感じで出来ているとおっしゃられていました。
――実写になると漫画とは違ったインパクトがありますよね。
宮月:はい。漫画だとほんの1コマでも、実際はそこに至るまでの過程が必要なものもあるじゃないですか。例えば視聴覚室のシーンで頭をぶつけて死んだ子も、原作だとドーンと1回だけなんですが、映画では何度もぶつけていて。そういったリアリティは漫画以上に出さないといけないので、そういう映画ならではの作り込みは原作ファンにも見所になると思います。
――映画ならではの圧迫感、抗えないことの絶望。
宮月:大変だったと思います。嫌だと思いながら自殺するわけですから。
――なにかに襲われるわけではないですから。
宮月:そうなんです。この作品では誰も人を殺してないんです。受け身ではないので難しいと思います。そこもしっかりと演じていただけました。
――いよいよ映画が公開され、原作ファンはもちろん役者のみなさんも見るわけですが。
宮月:そうですね。役者のファンの方は普段あまり見たことがない最後を見ることができる作品になっていると思います。こんな感じになるのか、というのを楽しんでほしいです。原作ファンの方には、原作のエッセンスはしっかり受け継いでいただいているので、違う面もありますがそこは映画ならでは面白さを見出していただければと思います。
――新しい面を見ることができるのは嬉しいと思います。
宮月:新鋭のキャスト方々にご出演いただいているのですが、Twitterを見ていると皆さんの推しがいつどんな風に死んでいくのか気になっていらっしゃるみたいです。こんな姿、あんな姿の、推しを見ることはないと思います。
――いい楽しみ方ですね。
宮月:ぜひ、そこも含めて楽しんでください。