小象さんがLOFT HEAVENにて2日間連続ライブを行うにあたり、初日に共演する安斎肇さんを迎えて、活動をはじめたきっかけを中心としたインタビューを行いました。二人の話が楽しく盛り上がりすぎて、文字数オーバー!ウキウキが止まりまらないライブが今から楽しみです![interview:山本修一(LOFT HEAVEN)]
演劇とフォークソングを交えたことをやっていた
──小象さんがライブを始められたキッカケをお伺いできますか?
小象:フォークデュオ「羊」っていうユニットがありまして。今回のイベントで2日目に一緒に出する小林顕作さんとのユニットだったですよ。スネークマンショー等のプロデューサーをやられている桑原茂一さんの番組で作られたユニットが「羊」でした。曜日を忘れましたが、何曜日かの担当になって、フォークデュオ「羊」を始めたのが一番初めです。そこから2人組でライブをするようになり。その後、映画監督や放送作家などをやっている細川徹さんが関わっているBSフジの『宝島の地図』という番組があったのですけど、そこで、「毎月、小象さんの歌のコーナーを作りましょう」となり、毎月、曲を作っていたんですよ。そこで1年経ったらオリジナル曲が溜まってきて、ライブをやってみようとして始めたという流れなのですよ。それまで「羊」では何度かライブをやったことはありましたが、カバー曲がほとんでしたから。
──「羊」ではどのあたりのミュージシャンをカバーされていましたか?
小象:NSP(エヌエスピー)や村下孝蔵さんとか、70年頃のフォークカバーですね。あとは、僕が伊勢正三さんが好きだったので風のカバーもやっていました。
──オリジナルは少なかったのですね?
小象:「羊」の時、オリジナルは何曲ありましたが、基本的にはカバーをやっていました。よくやっていたのがフォークソングを歌った後に2人でコントしたり、演奏をしながらコントに流れていったりとか。演劇とフォークソングを交えたことをやっていました。
──音楽だけというよりかはエンターテインメント性が高い感じでやられていたんですね。
小象:小林顕作も役者なのでね。歌の後に必ずなにかシュチュエーションを入れちゃうという感じです。
──その後にソロになるのですね。
小象:そうですね。その後1人で歌うようになって。
──ソロになってからの活動はどのようにされていましたか?
小象:14年〜15年前からソロですが、年1回ぐらいしか活動してなかったので。本当だったら、パロディーから始まっているキャラクターだから早くに消えていくんだと思いますが、年1〜2回の活動だったので続いちゃったんですね。そうこうしているうちに7〜8年前ぐらいから、ちゃんとライブをやりたくなってきたんですよね。ネイキッドロフトからもよくお話をいただいて、ライブをちょくちょくやるようになり、きちんとやるんだったらメジャーデビューしなくちゃとなり、昨年、ビクターからメジャーデビューしました。それまで浅草の30人も入ればいっぱいになる小さなところでしかやってなかったのですが、数年前からイベンターさんを挟んで年1回はちゃんとイベントを行うようにもなってきました。その中で、一昨年ぐらいに安斎さんが僕の活動を見てくれて、「もうちょっと頑張ったら?手伝うよ」って言ってくれたんですよ。飲み屋の席で。
安斎:酔っ払いながら。
小象っていう人は、とんでもない嵐を呼ぶ
──安斎さんは小象さんの活動は知っていました?
安斎:やっているのは知っていたんですよね。なんかCDが送りつけられたり(笑)。
小象:(笑)
安斎:僕らみたいなフォーク世代として、「なに黙ってやっているんだ」みたいな。僕はフォークで当事者というかフォークで思春期を育ったので。それなのに(小象が)フォークやっているのに黙ってやっているの?
小象:そんなぁ(笑)。
安斎:本物のフォーク魂を見せないといけないと思って「どんなもんじゃい!」と見に行ったら。ライブがめちゃくちゃ面白いし、完璧にSHOWなんですよね。その完成度とフォークシンガー小象というキャラをちゃんとやらないといけないだろうと思って、「今度、俺がライブブッキングするから!」って連絡すると、「いやっ、ちょっと待ってください。稽古なんですよぉ」とか、「あぁ〜、あのですね大河が入りそうなんですよぉ」って。もう、全然スケジュール空けてくれてなくて。「こいつやる気ないなぁ」って思っちゃって火傷する前に辞めようと思ってたんですが、(小象の)CDが送り続けられてきてたんですよ。それでもう、無理くりスケジュールを取ってもらおうと思って、「俺、スケジュール空けたから一緒に」って。それで来なかったら、俺が、「大象(ダイゾウ)」でも、「中象(チュウゾウ)」でもズラを被った偽物を出すよって、小象を宥めたり脅したり煽てたりいろんなことして、やっと一緒にライブすることになったんですよね。
小象:安斎さんに呼ばれて、一緒にやりましたね。
安斎:早稲田の学祭にゲストで来てもらってね。それで東北ツアーをやったりして、東京でもワンマンしたり、他の場所でも、ってやったら和歌山は人がいっぱいだったんですけど、大阪はお客さん4人で。そしたらリハーサルで急に飲み出してベロベロで。客に悪態ついて(笑)。
小象:ちゃんとやりましたよ! むしろ安斎さんのリハーサルが終わらなくて(笑)。
安斎:初めて使うエフェクターばかりで。うまくいかなくてね。
小象:俺なんかちょっとしかリハーサルできなくて。そしたら安斎さん本番が始まったら一生懸命なにか足元でやっているんですが、急に漫談が始まって。
安斎:リハーサルの時の音が出なくてね。
小象:音、一切出さずに。漫談してね。
安斎:客をイジったりしてね(笑)。
小象:最後は「どうもありがとうございました!」って漫談で終わっていって。あのリハーサルなんだったんだ!って。でも、これこそエンターテイメントだと思いました(笑)。
安斎:最後、店の人まで座ってみてましたからね。
──何人ぐらいの会場だったのですか?
安斎:100名近くですね。小象っていう人は、とんでもない嵐を呼ぶんですよ(笑)。
小象:もともと、東北ツアーをやっていてファイナルの東京でインターネット配信ライブを行ったんですよ。全国の人が見られて、ライブしながら、「次に俺たち行くよ!」ってライブ行く場所を募集したんですよ。そしたら和歌山県と大阪府が上位をとったんですよ。「じゃ!和歌山と大阪、来年行くからね!」って言って。
安斎:そしたらスケジュール、全然出してくれなくて(笑)。
一同:爆笑
安斎:大堀こういちが忙しいんですよ。
小象:それで、安斎さんに、「俺たち、そろそろ行かないと詐欺になっちゃいますよね」って言って。逆に、「お前のスケジュールが合わないだよって」。それで昨年、実現したんですよね。
安斎:無理やり予定を組んだものだから大阪4人しか来ないっていう(笑)。
小象:大阪でライブ来てくださいって言った人すら来てないっていう。
一同:爆笑
安斎:呼ばれたはずなのに(笑)。
小象:ミラクルなことが起こりました。