突っ込みながら観てもらっていい
──今作は80分の長編ですが、監督・脚本はもちろん絵もほぼおひとりでこなされているのですか。
宇治茶:ほぼ、僕の描いた絵になります。撮影も僕がしています。キャラクターも名刺サイズ位で小さいので、ちょっと斜めになるだけでピントも外れてしまうんです。意外にテクニックがいるんですよ。
──確かに大変ですね。終盤の爆発シーンでキャラクターの裏が見えてやっぱり紙に書いたものだったんだと再認識しました。
宇治茶:狙ったわけではないんですが、そこでハッと絵なんだと気づいてもらえると面白いかなと思い採用しました。
──そこはゲキメーションならではの面白さで良かったです。
宇治茶:昔の映画は結構カットが繋がっていないこともあるじゃないですか。そういうちょっとしたミスも残っていていんじゃないかなと。あまり狙いすぎても良くないですけど、突っ込みながら観てもらっていいと思っています。
──そこも作品のテイストにもなりますからね。私も笑いながら楽しませてもらいました。
宇治茶:良かったです。
──海外でも上映されたとのことですがお客さんの反応はいかがでしたか。
宇治茶:すごく熱心に観ていただけました。アルゼンチンでは最初から最後まで笑って観てくれて。逆にフランスのお客さんは凄くまじめに観てくれて、社会風刺も盛り込んでいるんじゃないかと聞かれました。その時は、そんなに重いテーマは入れていませんと答えました(笑)。 海外の方はストーリーもよく観てくれている感じです。色々なネタも仕込んでいるので、見つけていただけると嬉しいです。自分でも気づいていないうちにオマージュしているようなネタもあって、あとから気づくことも多いです。
──お話しを聞いてまた観たくなってしまいました。日本の方々にも刺さる作品になっています。
宇治茶:そうなればと思っています。予告などを観て気になっていただいた方、『燃える仏像人間』を気に入っていただいた方は、もちろん楽しんでいただける作品になっていると思います。もし前作が合わなかった方も今回は王道ストーリーになっているので楽しんでいただけると思います。僕自身も満足が行く出来になっているので是非劇場に観に来ていただきたいです。
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