2019年1月16日に3rdMiniAlbum『たてがみ』をリリースしたシンガーソングライターKacoのワンマンツアー「LIVE TOUR 2019 ~たてがみ~」が3/30(土)にLOFT HEAVENにて行われます。音楽活動の原点から現在までを含めお話をお伺いしました。[interview:山本修一(LOFT HEAVEN)]
絢香に憧れ、作詞作曲を始める
──愛媛県出身ということで上京されたきっかけはありますか?
Kaco:表向きは進学で上京ですが、心の中では東京で音楽をやりたいからという部分はありました。親も少し知っていたみたいです。
──プロフィールに「高校ではコーラス部に所属しイタリア歌曲のレッスンへ通い」と書かれますね?
Kaco:実家がものすごく田舎だったので、ボイストレーニングに通いたくて探していたのですが近くになかったんです。隣町には田んぼの真ん中に声楽教室があって、宝塚とか劇団四季を目指す方が通うクラッシック寄りの教室だったのですが、当時コーラス部の先輩も通っていたつながりもあり、歌を習おうと通っていました。
──高校生の頃から作詞作曲もされていたのですね。どんな雰囲気の楽曲でしたか?
Kaco:昔の曲の方が1作目『影日和』音源に近くて、影がある曲が多かったです。思春期だったのもあるかもですが、悩みが多かったのかもしれないです。
──作詞作曲を始められたきっかけや、憧れていたアーティストはいましたか?
Kaco:絢香さんがとても好きで、インタビュー記事を読んだ時に「作詞作曲を始めたのは高校生の時」と書いてあって、ちょうど同じ歳ぐらいだったので「はいっ! やります!」って(笑)。歌手になる方法がわからなくて、憧れている絢香さんの学生時代からの歩みを見て形から真似してみました。
──東京に出てきてからはどのような活動を?
Kaco:大学3年生ぐらいの時にライブ活動を始めたのですが、それまでは家で、弾き語りで歌っているぐらいだったんですけども、絢香さんのファンクラブイベントで絢香さんと一緒に歌える企画があったんですよ。応募して、当日選んでもらう。そこで歌ったのがきっかけで、オーディションを受けに行ったりしました。そして、その時に受けた事務所の方が「ライブから始めてみよう」というのがきっかけです。
──楽器はピアノだけですか?
Kaco:楽器は小学生の頃からクラシックピアノを習っていたのもあって、すべてピアノで演奏していました。
今までの殻を破りたい
──2016年に自主盤『影日和』を作られていますが。
Kaco:自分が演奏している曲が、当時の自分が思い描いていた部分が違っていると思ったんですよ。もっとバンドサウンドで1人じゃないようにしかったのと「まだもうちょっと書けるかも」と「これで評価されたくない」って音源を出せずにいたんですよ。その時、お世話になっていた方に「知られてないということは、居ないことと一緒だよ」って言われて、「そりゃそうだ!」と思い作りました。
──作品をリリースされた反応はどうでしたか?
Kaco:『影日和』を出したのがきっかけで新しい出会いもあり、リリースしたことで次の展開に繋がりました。
──翌年2017年10月には2枚目『身じたく』をリリースされましたね。サウンドプロデューサーにSuperfly やアンジェラアキを手がけた松岡モトキさんを迎えて行われましたが、どのような経緯でご一緒することになったのですか?
Kaco:音楽制作をされている知り合いの方と話しているときに「将来、松岡さんと一緒にできたらいいな」って話をしていたら、ある日、突然ライブの後に紹介されて運命を感じて「これは!」と思い、一緒に作業することになりました。
──さらに、翌年2018年10月、サウンドプロデューサーに小倉博和さんを迎えて自己紹介CD『ヒペリカムの実』をリリースされましたね。こちらのきっかけはいかがでしたか?
Kaco::ap bankバンドで小倉さんのギターは最高だって思っていて。さらに、大貫妙子さんが好きで、山弦さんがご一緒されていて憧れがあり、ご縁で一緒に作ることになりました。
「一人じゃないよ」「あなたはあなただよ」
──そして今年2019年の1月に3枚目のミニアルバム『たてがみ』をリリースとなりますが。高橋久美子さん(ex チャットモンチー)と共作されましたね。
Kaco:前回リリースから考えてて、『身じたく』は自分の身の回りのことで、家の中の身支度を終えて、一歩外に出ようと。今までの殻を破りたいなと思ったんですよ。「誰かと一緒に曲を作る」と思って考えている時に、母親から愛媛新聞で高橋さんが連載されている記事が面白いからと送られてきて、読んでみたら高橋さんの生み出す言葉や単語の組み合わせが分かりやすい優しい言葉なのに「はっ」として、「高橋さんと一緒に作りたいな」と思いました。そこで、ご一緒できないかとアタックしたらOKが出ました。
──面識が前からあったわけではなかったんですね。
Kaco:全然なかったです。
──どんな感じで作詞を共同作業されたのですか?
Kaco:最初、曲で伝えたいことをメモして高橋さんに渡していたのですが、実際の作業に入る前に「親睦会をやりましょう!」と一緒にご飯を食べに行きました。その時に高橋さんが「この前の(メモ)を見て書いてきちゃった。」と渡してくださったんですよ。それを見つつ「ここはこうしたらいいな」とかディスカッションが始まって。親睦会で行ったはずの飲み会が急に制作の現場になって、「たてがみ」の歌詞は4時間ぐらいで出来上がりました。
──波長がその場で合ったのですね。
Kaco:めちゃくちゃ合いました。(笑)
──『たてがみ』というタイトルはどういうイメージですか?
Kaco:「一人じゃないよ」「あなたはあなただよ」というのは決まっていましたが、最後までタイトルが決まってなくて、オケを聴きながら考えていたら「女性が大地に足をつけて立って、向かい風に吹かれている」イメージが湧いたんですよ。凛と生きていくような。そのイメージがたてがみっぽいなと思ってタイトルをつけました。
LOFT HEAVENでのライブ
──今回、『たてがみ』のリリースライブをLOFT HEAVENにて行いますがどのような形になりそうですか?
Kaco:ドラム・ベース・ギター・ピアノと、私は立ち歌いで行います。今まで一番やりたかったスタイルです!
──今回の注目してほしいところは?
Kaco:歌だけになることによって、自由になる部分が莫大に増えると思うんですよ。見せ方もそうですし歌い方など普段のピアノ弾き語りでは出来なかったことが出せると思いますので、今まで私の歌を聴いてくれていて知っている人が「えっ、あれ? こんな感じ!? 嘘?」と今まで知らなかったという一面を見せられると思います。
──いつも以上に良いということですか?
Kaco:むしろ裏切るような。「ずっとこういうことがやりたかったんだ、Kacoって」って言われると思います(笑)。