vivid undressが 4作目のミニ・アルバムとなる『赤裸々』をリリース! 2019年2月7日(木)新宿LOFTからスタートするリリース・ツアーと『赤裸々』制作についてkiila(Vo)とrio(Key)にインタビューしました![interview:太田龍一郎(新宿LOFT)]
バンド名の由来
——まず、バンド名「vivid undress」の由来をお伺いしたいです。
kiila:直訳でもないんですけど、「vivid」っていうのは「はっきりとした」というか。
rio:「鮮やかな」とか。
kiila:そういう意味があるんですけど、人間のしっかりと核になる部分やはっきりとした意思とか、気持ちだったりを表していて。「undress」っていうのは「さらけ出す」とか、「裸になる」とか「ドレスを脱ぐ」という意味で、そういうさらけ出すという意味合いを込めています。なので総じて「核になる部分のものをさらけ出す」という意味です。
『赤裸々』のコンセプトとは?
——『赤裸々』のコンセプトをお伺いしたいです。kiilaさんがCDのアートワークが『化物語』の世界観とおっしゃっているのを見かけたのですが…。
kiila:ああ、それは本当に作品ができて、デザイナーさんにジャケットのデザインを依頼した時にそうなってたんですよ。だから、コンセプトというものは特にありませんでした。本当に「ミニ・アルバムを作りましょう」ってなった時に、ただただ一曲、一曲一生懸命に書いたという感じなんですね。で、蓋を開けたらすごく一生懸命書いただけあってその時の心情がものすごいさらけ出せた感じで、「赤裸々に綴られているな」と歌詞を見て感じたので、『赤裸々』というタイトルにしました。
——デザイナーさんに曲を全て聴いてもらってからデザインしてもらってあのジャケットになったという感じですかね?
kiila:そうなんですよ! 私がアニメオタクなんですけど、そうなるきっかけのアニメが『化物語』だったんです(笑)。その『化物語』の背景が建築美をイメージしたもので、それがすごい似てるというか。鉄骨の建築美的なのがジャケットのモチーフになっていたので、すごいなと思って(笑)。なので、私たちが意図してやったものではないです。
——そうなんですね(笑)。今ピックアップされている曲が2曲あると思うのですが、なぜこの曲を選んだのですか?
rio:なんか結構うちら複雑なことをやっているバンドだと思われるんですけど、キャッチーさとかそういうのって大事だと思うんですよね。例えばライブで聴いて、そのまま口ずさみながら家に帰れるような楽曲とかがあってもいいと思うし。やっぱりそういう意味ではメロであったり、歌詞であったり、「スッと入ってくるのはどれだろう」と考えた時に、パッと開ける感じのあるこの2曲を選びました。
——この2曲のPVを作成されていますが、PVのストーリーなどは、歌詞から連想して作ったのですか?
kiila:それも監督さんの意向です(笑)。
——そうなんですね(笑)。
kiila:私たちは曲以外全てのアートワークはお任せしているというか…。
——そうなんですね!
kiila:はい。なので、PVに関してもジャケットに関しても何も要望は出してないです(笑)。
一同:(笑)
rio:いわゆる信頼している方に頼んでるんですよ。だから、任せてなんの問題もないから、逆にそのデザイナーさんたちが感じ取った意向で自由にやってほしいというところもあったりして。うちらがこういうのがいいって制限かけるよりは、感じたままに自由に作ってもらう方が、うちらの意向とも結構ぴったりにハマるんです。
kiila:私たちができないっていうのもあるんですけどね。その分野において長けてる人だし、スペシャリストだから任せた方が絶対にいいものができるんですよ。
rio:餅は餅屋ですね。
一同:(笑)
kiila:知らないのに意見言ったって、しょうがないから…例えば、音楽に対してはめちゃめちゃ熱があるから、音楽に対してこういう思いで作ったっていうのはもう散々伝えるんですけど、あとはそれを汲んでもらった上でどう表現してくれるかっていうのは楽しみでもあるというか…。
——PVとかはもう完成まで全くわからない?
rio:わかんない。
kiila:わかんない。
——自分たちで作成しているものかと思っていました。
kiila:全然(笑)。
rio:アーティストさんによるのかなぁ?
kiila:そうそう! よると思います! 私たちは全然そんなのしないです(笑)。
——衣装とかもですか?
kiila:衣装とかもそうですね。スタイリストさんに決めてもらいますね。でも、最終的には「どっちがいい?」みたいな感じで選択肢をくれるから、メンバーの中で「こっちの方が絶対に良い!」みたいな話をして決めてますね。
——音楽に徹する感じですね。
kiila:うん。だからもう私たち音楽しかしてないみたいな勢いなんです、本当に。
——そういう感じなんですね。
kiila:そう。でも、これからもそういう感じでいろんなクリエイターさんたちとコラボして、自分たちの世界だけじゃなくて新しいものが生まれていけばすごい楽しいし、見てる人たちも新しいものが見れるんじゃないかなって。
歌詞の着想
——歌詞を見ていて結構ポップな表現とか擬音が使われていたり、対照的にすごく心がえぐられるような歌詞が多く感じるのですが、そういうものの着想はどこから来ているのですか?
kiila:ほぼ感覚で書いているというか。あんまり私はお勉強をしてこなかった人なので(笑)。とにかく感覚でやっているところはあります。
——何か意識しているところはありますか?
kiila:曲によるんですけど、自分がそれこそミュージック・ビデオじゃないけど、映像にできる風景をめちゃめちゃ意識して、曲の中で自分的にミュージック・ビデオを作るじゃないけど、そういう感じで物語を書いていることが多いですね。
——そうなんですね。
kiila:私は作詞を主にやっているんですけど、作曲はメンバー全員ができるので、人の曲に歌詞を書くことが多いんですよ。だから、ゆーやん(yu-ya)とかりおさん(rio)、しゅんちゃん(syunn)とが持ってきた曲に対して表現するって感じですね。
——「アルティメット・サバイバル」がお経のようなものから入ったりそういうのってどういう発想なのかなと…。
kiila:曲の最初にインパクトがないなってずっと話していて。
rio:イントロがなかったんですよ。デモで作った時に。
kiila:rioさんの曲なんですけど。
rio:「なんかこんな感じは?」みたいな感じで、結構冗談めいた感じで作ったんですよね(笑)。全く違うエッセンス入れてみる? みたいな(笑)。で、この曲はまさにkiilaちゃんの作詞に対してニッチな部分っていうんですかね?
——ニッチ…?
一同:(笑)
kiila:はてな(笑)。
rio:表現がおもしろかったり、語感がすごく気持ちよかったり、リズムにハマってたりとかそういう感じが…。
kiila:rioさんがもともとやっていたバンドが、結構宗教っぽい感じのことをイントロに入れたりみたいな曲があって、それがすごい好きだったんですよ。だから、ああいう感じでイントロを宗教っぽい感じにしてほしいって言って(笑)。
rio:そうそう、確かそうだったわ(笑)。
kiila:そしたら、rioさんがこれを持ってきてくれて。最初はもうちょっと難しい、ちょっと変拍子的な感じだったから、私がこれを「全部繰り返してやりたい」って言ったらそういう風になってみたいな。
——何かの歌詞を逆再生したものかと思いました(笑)。
kiila:普通にお経です(笑)。
——歌詞の中に前作の曲名「私メンヘラなんかじゃないもん」が入っているのですが、何か意図はあるのですか?
kiila:それはちょけてるだけです(笑)。
——マジっすか!?(笑) すごい意味深な感じで入ってたから…(笑)。
rio:確かこの歌詞の時kiilaちゃんがものすごく行き詰まっているなと感じて、行き詰まったらその行き詰まった感をそのまま書いてきたのがハマったみたいな。歌詞にもありますけど「出来ませ〜ん」「無理で〜す」みたいな(笑)。でも、それがこんなにも気持ちよくハマるなんて、ちょっとびっくりしたのが自分の中でも新鮮な感覚として残ってますね(笑)。
——歌詞がすごいポップに書いてありますもんね。
rio:そう。その時はもうトランス状態で(笑)。
kiila:この曲が本当に難しすぎて、何書いていいのか本当にわからなくて…もう無理だって思ってそのまま書きました(笑)。
——そうなんですね(笑)。タイトルもすごくわかりやすいなと思いました(笑)。
kiila:もう、本当に戦ってました(笑)。
rio:まんまですね(笑)。
『赤裸々』のお気に入りの曲は?
——今回の全6曲の中からお二人的にオススメの曲をお伺いしたいです!
kiila:私は、3曲目が一番好きです。これからのvivid undressの意思表示っていう感じで、歌詞も全部書いたので。最後の歌詞に「これから未来でさぁどうやって暴れてやろう」って歌詞があるんですけど、挑発的なというか、これから私たちやってやるぜみたいな感じを出しました。聴いている人たちにもワクワクさせられるような疑似体験じゃないけど、自分たちも未来って明日のことさえもわからないじゃないですか? だからそういうことに対してワクワクしてほしいなって思って書いた曲なんで、一番元気を与えられる曲なのかもしれないなって思ってます。
——なるほど。rioさんは?
rio:自分は1曲目の「スクランブル」です。これが、自分が前ヴォーカルをやってたバンドの時10年くらい前に作った曲をリアレンジしたんですよね。その時の思いっていうのももちろんありますし、それをvivid undressで料理したらこんな風になるんだっていう新鮮さも感じられて、この曲は面白かったですね、自分の中では。で、ちょうどその時にサウンド・プロデューサーの方とタイミングよく巡り会うことができたので、自分たちだけの目線じゃなくて、いわゆる第三者の目線も交えて結構議論し合いながら曲ができたんです。歌詞一つにしろ、サウンドにしろ、アプローチの仕方とかが結構新鮮だったので、自分は感慨深かったです。
ツアーにあたって
——ありがとうございます。前任のドラムが抜けて今色々な方にサポートしていただいていると思うのですが、一番しっくり来た方などお伺いできますか?
kiila:しっくりと言えば、6曲目で叩いている智基がメインでサポートをやってくれているので、一緒にやっている時間も長いので智基がしっくりは…でも、あんまりそういう言い方したくない(笑)。
rio:差し引き抜きにしてこういう機会ってあまりないじゃないですか? 普通やってたら。今まで自分も経験がなかったので、皆さんから得るものが多かったですね。
kiila:そう! それぞれにめっちゃ良いところがあって。もう全員うまいんですよ! ほんっとに!
rio:うん、みんなうまい。
——確かに毎曲ドラムが変わるっていうのは珍しいですね。
rio:でもその分、うちらにとってもものすごい良い経験にもなったし。
kiila:すごい楽しかったです。
rio:結構細かいところとか、フレーズとかアイディアを任せたりした部分もあったりとかしたんですよね。例えば「テディさんならどう叩きます?」みたいな。なのでその駆け引きとかも含めて結構面白く作れたと言うか。
——自分もサポートの方々を見たときにすごい色々な方がいるなと感じて、それぞれやられているジャンルも様々で交わるのかな? なんて思ったんですが…。
rio:ところがどっこいなんですよ!(笑) しかも依頼した時、みんな快諾だったんですよね。誰一人断られてない。すごいありがたいことです。
kiila:むしろ叩きたいって言ってくれて。
——ちなみにLOFTではどなたが叩かれるんですか?
rio:あっ、ライブではだいたい智基が叩きます。
——ありがとうございます。では、LOFTでの対バンNoisy Cellさんとの関係性をお伺いしたいです。
kiila:関係で言うと、今サポートをやっているドラムの智基がNoisy Cellと仲良かったんですね。
rio:同じ学校だったっけね?
kiila:智基が同じ学校の後輩かな? それで、Noisy Cellがたまたま私たちのライブを観に来ていて、めっちゃ良いって言ってくれて向こうのツアーに誘ってくれたので、私たちも誘ったっていう(笑)。
rio:誘い返しですね(笑)。
kiila:結構しゅんちゃん(Ba)とゆうやん(Gt)もアニメが好きで、一緒にハマったアニメがあったんですよ。で、車内で一緒に見てたアニメの主題歌をNoisy Cellがやってたんですよ。『ばらかもん』っていうアニメなんですけど。ギターのyu-yaとNoisy Cellのこの曲まじで良いよねって話してたので、もう私たちもテンション上がっちゃって。すごい楽しみです。
——なるほど。バンドセットで新宿LOFTに出演いただくのはかなり久しぶりかと思うのですが、意気込みを願いいたします。
rio:やっぱりそうですね。発売をして1回目のライブ。レコ発なので収録曲全6曲をガンッと全部やってしまおうって意気でいます。しかもLOFTっていう由緒正しい! って言えば良いんですかね?(笑)
——大丈夫です! ありがとうございます(笑)。
rio:そこからスタートできるっていうのは自分的には本当にテンアゲです(笑)。
——テンアゲ(笑)。
rio:テンアゲです、本当に(笑)。いわゆるもうそっからツアーが始まるわけなので、もうドカンと自分たちの士気をあげて、助走をつけてガッといきたいという意気込みはあります。
——なるほど。一発目にLOFTを選んで頂いたっていうのに何か理由はありますか?
rio:新宿LOFT前店長と仲良い…(笑)。
一同:(笑)
kiila:っていうのもあるし、キャパ的にもちょっと広いし。今まで自分たちが企画打ってたところよりも広いステージでこれからやっていきたいという意思も込めてというか。ちょっとずつキャパを広くしていきたいなというところで、「LOFT良いよね」ということになって。新宿LOFT前店長にもいつもお世話になってるし。いろんなことが重なってLOFTでやる以外の選択肢がなくなっていったという感じです。
——ありがとうございます。最後に今後の目標などお伺いしたいです。
rio:自分は3月までの一連のツアーに賭けてるところがありますので。自主でやっているというところもあるので、本当に一つ一つ自分たちで動いてるんですよね。スケジュール一つであったり、CDであれば流通だったり、デザイナーさんとのやりとりであったり、そういうのを全部手作りで自分たち発信でやっているので、ワンマンまでみんなを連れていきたいです。お客さんも含めて一つの船だと思って、チームだと思ってそこまで引き上げていくつもりです。そこで発表になることもありますので。それは非常に言いたいんですけども、乞うご期待!(笑)
kiila:それじゃただのスケジュールじゃん(笑)。私は、メジャー・デビューしたいなって思ってます。なんか結構みんなにメジャー・デビューしているバンドだと思われていたんですよ。自主でやってるのに(笑)。ずーっとインディーズなんですけど。でも、その応援してくれる人たちに目に触れる機会とか、応援してて良かったなって思ってもらえるようにもっともっと大きなステージに登っていきたいので、そのひとつとしてやっぱメジャー・デビューはしたいなって思ってます。
——ありがとうございます。
kiila:rioさんは彼氏いるんですか? とか聞いておかなくて大丈夫ですか?(笑)
rio:そういうの新鮮だよね(笑)。
——新宿LOFT前店長にrioさんの性の対象を聞いてこいって言われました(笑)。
kiila:新宿LOFT前店長は知ってんじゃん!(笑)
rio:そうだなぁ、まぁ今年の目標って話が出たので言いますけど、やっぱり一人の期間が長かったんですよね。だから、今年こそは一生添い遂げられる伴侶を見つけることがvivid undressの自分としての目標です(笑)。
——添い遂げられる伴侶(笑)。
rio:そういうのってステージにも表れるし、曲にも表れてくると思うんですね。私生活が充実している。もしくは恋してるとか。
kiila:あっ、恋してる大事だから!
rio:そうそう。大事大事。
kiila:潤ってるの大事だから。
rio:やっぱりこう、最近色々とうまくやっていけるようにもなってきているので、すごいフラットな感じがしてるんですよね。「こうなればこうなるだろう」みたいな。言ってしまえばアーティストとしては少し危険です。
kiila:感情が大事だからね。やっぱり。
rio:そういう意味で、自分で感情をジェットコースターにするためには、自分の中で一番大事な人を作ることじゃないかと。
kiila:今ちょっと名言だったね(笑)。
——感情をジェットコースター(笑)。
rio:大事な人をこう、どれだけ思えるか…なんか、愛が欲しいですね(笑)。
kiila:良いテーマだと思う(笑)。
rio:そういう意味においては、こういう風にわーきゃーやって生きてるから、本当にもう男女問いません(笑)。一生添い遂げてくれる方であれば…(笑)。
——重いですね(笑)。
rio:いやいやいや、それくらいの覚悟を持って。夢はでっかくですよ!
kiila:尽くすよね。rioさんはね。
rio:尽くすよぉ〜。
一同:(笑)
rio:過去の例にしても、自分の元にはすごい駄目男が寄ってくるんですよね。
——あっ、男なんですね(笑)。
rio:いやいやいや、バンドメンバーにしろ、プライベートにしろなんですけど。そして全部その子の味方をしちゃうんですよ。倫理的に間違ってても。加担しちゃうんです。だからちょっと犯罪とかに走りやすいかもしれないですね(笑)。
——ダメンズが(笑)。
rio:そうです。だから、良いですダメンズでも。そばにいてくれれば。
——ちなみに今、恋はされていますか?
rio:恋ねぇ〜…素敵だなって人はいます。
——男性ですか?
rio:男性です。
一同:(笑)
kiila:怖い怖い(笑)。
——貴重なお話をありがとうございます。
kiila:rio様の恋の応援をお願いします(笑)。
——では、最後に年始と言うことで、個人の今年の抱負をお伺いしてもよろしいですか?
rio:伴侶を見つけることですね。
kiila:私はやっぱり、人間らしい生活を送るというか。例えば友達とお休みの時にディズニーランドに行くとか。なんか去年がものすごく忙しくて、もう毎日切羽詰まってたというか、本当に寝る時間もすっごい少なかったし、もう大変だったんですよ。だからやっぱ、お休みの時はお休みらしく、洗濯物を干したりとか、なんかそういう本当に人間らしい休日を大事にしたいですね。あとはひとつひとつ丁寧に。去年は新幹線みたいに景色が早かったので、もうちょっとこう、徒歩でと言うか(笑)。ゆっくりいろんな景色を見てしっかり噛みしめていきたいなぁと思います。
——ありがとうございます。
rio:それが誰かと一緒だったら…。
一同:(笑)
kiila:本当に今年は頑張ろうね(笑)。応援するんで(笑)。
——ありがとうございました!(笑)