Podcastランキングで堂々の1位を勝ち取った、「世界の殺人鬼を毎週ひとりピックアップして紹介する反面教師型Podcast」のパーソナリティを務めるヒキガネ霜田と山内黒猫が、ネットラジオを超えてネイキッドロフトにやってきた! アメリカでは殺人鬼を扱うPodcastがすでに約100個も存在していて、その中でもなんと人気No.1。日本ではどのくらい受け入れられるんだろう。殺人鬼はもしかしたらとても身近な存在かもしれない。そんなPodcastのパーソナリティお二人にいろいろと聞いてみました。[INTERVIEW:日野弘美、指中晶夫(Naked Loft)]
殺人鬼は憧れ?
──第1回のトークライブは売り切れで大成功でしたね。折角なので今回、初めて知った方のためにPodcastのお話を伺いたいのですが、今までで何回配信されてるんでしょうか。
ヒキガネ霜田:もう190回やってて5年くらい経ちました。
──ライブとは別に、配信のみでやっている企画は何かありますか。
ヒキガネ:半年に一回、『勉強になりました大賞』っていう企画をしていて、魅力的だった殺人鬼をみなさんに総選挙してもらうのがあります。そこで1位になる人はやっぱり、自分の想像とは逆の方にひたすら進んでいくんですよね。話としても面白い。前回1位だったアルミン・マイヴェスっていう殺人鬼は、インターネットの掲示板で殺されたい人を募集して、本当に来てしまった人たちを殺してしまうんですよ。
──それは凄いですね。そうした殺人鬼を扱う話を続けていて、嫌悪感や苦痛を感じることはないのでしょうか?
ヒキガネ:もう全然、大丈夫です。客観的に考える癖が付いたので、もっと面白いの頂戴って(笑)。
──街中の人が怖く感じることもないですか?(笑)
山内黒猫:大体、わかるんですよね。どいつがサイコパスなのか。醸し出す空気感だとか。あ、こいつやばいって。
ヒキガネ:それに紹介した7割くらいが性犯罪なんですよ。だから殺されるかもって感覚になったことはないですね。他の殺人の動機になるのは恨みと宗教ですし。
──そうなんですか。では逆に殺人鬼に対する憧れとかはありますか?
ヒキガネ:もし近くにいたら怖いなって想像することはあるけど、自分がなれるとは思わないですね。殺人という行為がカッコイイと思ったことはないです。
黒猫:僕はすごく興味はあるんですよ。99%の人間は、人を殺さずに死んでいくじゃないですか。一生、理解できない人たちの頭の中だから、調べててすごい面白い。自分は殺す側にはならないで終わると思うんですよ。だからこそ興味はあります。
もう世の中いい人しかいないんです
──そもそもどうして殺人鬼のラジオを始めることに?
ヒキガネ:もともと4人で始めたんですけど。殺人鬼の話じゃなきゃいけないっていうのはなかったんです。4人で興味あるものを選別して決まりました。僕が殺人鬼、黒猫先生がX-ファイルとかの未解決事件、たまに出てくれる杉岡くんは偉人を提案していて、もう一人は…。
黒猫:妖怪です。
ヒキガネ:そうだ(笑)。妖怪を毎週紹介したいって言ってたね。妖怪に関しては僕、全く乗ってなくて。だって、いないじゃないですか(笑)。偉人は偉人で堅苦しくていじれないじゃないですか、で、なんとなく、殺人鬼に。
──唯一いじれるのが殺人鬼だったと(笑)。黒猫さんは未解決事件を提案したようですが、X−ファイルがお好きだったんですか。
ヒキガネ:ビデオ借りたりしてたの?
黒猫:いや、そこまでじゃないですが。テレビで面白いなって観てて。それで出演者調べたら、モルダー役の人がSEX依存症だったんですよ。俄然興味が湧いて。なんなんだ、こいつ自体がX-ファイルじゃないかって。それが、20代中盤くらいでした。
ヒキガネ:一番好きな話とかあるの?
黒猫:覚えてないな。うーん、氷河に埋まってる宇宙人が、ちょっと掘ったらすぐ出てきたのとか。もっと埋めとけよ、みたいなのはあったかな。
ヒキガネ:ほんと?(笑)
黒猫:あった(笑)。
ヒキガネ:確かに、宇宙人とか出てくるからね。だからX-ファイル系のPodcastをやるのは嫌だったのかもしれない。妖怪とか宇宙人とかはあんまり信じられない。
黒猫:人間じゃないからね。
──それで殺人鬼に落ち着いた訳ですね。事件の題材はどこから知るんですか?
黒猫:本とネットですね。
ヒキガネ:まず本を10冊くらい買って、その中から選んでいます。でも、1つを情報源にするとその考え方になっちゃうので、最低2つの資料を見比べて番組を作っていく感じですね。視点が違うと全く違うことが書かれていたりするので。でもね。もう5年もやっていると、もう殺人鬼がいないらしいんですよ。黒猫先生曰く。もう世の中いい人しかいないんです(笑)。
黒猫:善良な市民しかいないんですよ。
ヒキガネ:それに、殺人のパターンって限られてくるから、前のパターンと似てるなっていうのはもう取り上げないようにしてるんです。少し前に、女の子にウエディングドレスを着させてからレイプして殺す、っていう事件があったんですけど。そういう今までにやってないキーワードを取り上げるようにしています。
──殺人鬼1人について書かれている本を読むんですか?
ヒキガネ:1人に対しての本は結構読んでいないです。メアリー・ベルの回くらい。あとビリー・ミリガンの本も読んでからラジオでやりました。でも、そういうメジャーな殺人鬼はラジオでやってると追いつかないんです。週1なので。調べるのが強制みたくなってもやっても楽しくないし、ただただ読んでると怖いし。
黒猫:向いていないじゃん(笑)。
フリートークのPodcastをしたいという夢が叶いました
──Podcastを知ったきっかけは?
ヒキガネ:知り合いの先輩がPodcastを配信したんですよ。自分もこんなのやりたいなと思いました。でも同じようにフリートークしても、人気がないまま終わってしまうんではないかと思って、先ほど話したようにコンセプトを決めました。なので、初めはフリートークをメインにしたいって思いが強かったですね。今は、リスナーさんがいるので、フリートークのPodcastをもう一つやってるんです。なので夢が叶ってたりします。
──配信を始めた当初と、今現在配信している時の感覚は違いますか?
ヒキガネ:そうですね。始めた頃は壁に向かって話してる感じでしたね。第44回まで1通もメールもコメントも来なかったんですよ。よく続けたなというか、よく3人とも付いて来てくれたなと。2人はやめたんですけど。でも、言ったことに対して反応が多くなってからは一気に楽しくなったよね。
黒猫:確かに、反応があると嬉しいよね。
ヒキガネ:Podcastランキングで1位とったりして。初めて人に評価されて嬉しかったですね。
──Podcastをやろうと言い始めたのはヒキガネさんですか?
ヒキガネ:僕ですね。さっきの先輩のPodcastが本当に大好きで。それを狂ったように聞いてたんですよ。当時は「松本人志の放送室」か、先輩のPodcastしか聴いていませんでしたね。それから、Podcastやりたいと話し始めて、ちゃんと始めるまでの準備に2年くらいかかりました。