プロミュージシャンとして食っていくために、音源力とともに必要なのは"人間力"
kamome：音楽業界だけではないですが、プロになろうとするといろいろと悩みは尽きないものです。バンドの人間関係からお金の問題、わかっていても意地を張ってしまったりする心の問題であったり。ハートビートは非常にミュージシャンと近い立場でやってきました。だから生い立ちから何から知っているし、時には恋愛相談まで受けたりもする。"お父さん"って呼ばれたりするくらいで（笑）。人間としていびつな部分を直していく先生のような立場にいると感じています。でも不思議なもので、そうした部分を直していく、つまり“人間力”を磨いていくと、結果的に音楽も良くなっていくんですよね。
──物の見方が変わっていくということですか？
kamome：たとえば自分だけが満足ならばそれでいいというマスターベーションのような音楽じゃダメでしょう。少なからずお金をとって披露する音楽ならば、誰に向かって演奏したり作っているのかを考えなければならない。そんな当たり前のことが、実は結構みんなわかっていない。だからそこを指摘して直させると、それ以降は独善的ではない音楽を作るようになっていくんです。ナルシスティックな音楽ではなく、拡がりのある音楽を生み出せるようになっていく。
──プロになるということは、社会性を持って音楽を生み出さなくてはならないということですもんね。
kamome：そうなんです。そこを知らずにたまたま夢が叶ってデビューしてしまい、ごく当たり前のことができずに解散してしまうバンドは珍しくありません。だから僕は事前にシミュレーションさせるんですよ、メジャー行ったらこういうことを言われるよって。そしてそういういびつな部分は、アマチュア時代に直しておくべき部分なんですよ。張らなくていい意地は張らない方がいいし、ときには周りの意見も取り入れても恥ずかしいことじゃない。音楽に取り組むのなら、そうした人間としての問題は事前に解決しておかなくちゃならないんです。
そして努力の結果として、どうしてもプロへの夢が叶わない場合も、あります。それでも鍛えられた“人間力”は必ず財産になる。たとえ音楽とは関係ない職場に行ったとしても、ここでの経験が役立ったと言ってくれる人が多いんですよ。ミュージシャン・バンドマンなんていうと、社会性がないと思われがちですけど、むしろ逆ですね。バンドほど人間関係や感情の機微に触れる活動はない。これは、バンドのレベルが上に行くほど人間力も上がるものだと信じています。だから、僕に言わせれば社会の役に立って当然だし、そうあってほしいと思ってますよ。
メジャーで通用する“音源力”そして“人間力”を伝えるBeatISMのオンラインサロン
kamome：日本には慣習があり、伝統があり、それらが重なってつながって現在がある。それは音楽も同じ。人によっては僕のことを頑固ジジイとか、和尚さんのようだと思うかもしれません（笑）。だって昔ながらの考え方をこうして熱く語りますからね。でもね、過去を無視して、未来はあるんでしょうか。メジャーを目指すならライブと同じくらい音源が大事であり、人間力も必要になるというのは普遍的な事実です。そうしたことをより多くの音楽を志す人に伝えるために、立川のライブハウスの中だけでは限界があると思ったんです。だからBeatISM を作って、伝える範囲や種類を広げたいんです。僕は今50代。音楽を愛し続けてきた人間の一人として、これはもう義務感ですね。伝えなければならないんです。
──そうなるとBeatISMのオンラインサロン「音源力 人間力」（DMM.オンラインサロン）ではかなり突っ込んだやり取りが展開されそうですね。後進を育てるために、ここまで一生懸命になれるなんて素晴らしいです。
kamome：まあ、好きでやっていることでもありますからね。後輩バンドマンの皆さんと音楽談義やサブカル全般の紹介や共有を通じて、自分自身も今以上に教養を深めたいな、そんな欲もあります。やはり自分がときめかないことだったらやりませんよ。具体的にそこでどんな会話やイベントが展開できるのかは未知数のところがありますが、でもメジャーデビューを目指すバンドや自身を磨きたい上昇志向のミュージシャンなら必ず参考になるプロジェクトだと思います。もちろんプロ・アマ関係なく音楽力を上げたい人にも役立ちます。これはプロジェクトであり、プロダクションではないので、所属契約などは一切ありません。もちろん囲い込みもしませんよ（笑）。「音源力 人間力」で検索してみてください。2,000円で参加できます。またオプションで音源に対するアドバイスを受けられます。きっと悩める人の音源力を高める役に立つはずです！
DMM.オンラインサロン「音源力 人間力」
https://lounge.dmm.com/detail/889/
