「ライブ感」を大事に
――今回もそうだと思うんですけど、タイトなスケジュールの中でもクオリティが高いものを作るために、監督が心掛けていることってありますか?
飯:まぁ、結果論になっちゃうんですけど、今回は特に「ライブ感」を大事にしました。例えば先ほどおっしゃった冒頭のケンカのシーン。あれ、印刷台本上は「ネタ合わせで揉めてる」ぐらいしか書いてないんですよ。キレイにセリフを並べておくと、キレイにやっちゃう生き物だと思うんです、俳優部って。前後の語尾を食わないようにとか。けどケンカってそんなもんじゃない。もっと食っちゃうし、似たような言葉が出ちゃったり。だから、あんまり準備をさせたくないというか、その場で書いたセリフを渡して、すぐやってもらう、という方法を取りました。やる方は大変だったと思いますよ。瞬発力がないとできませんから。
――なるほど。
飯:あと稽古の期間も合わなかったので、逆にいっそう相手役に思いを馳せるじゃないですか。このセリフ、どう言うんだろうとか。そういう時に、野球の素振りと一緒ですよね、ちゃんと球(相手)を意識してやっているのか、2人とも時間がないことを逆手にとって、そういうことを意識の高い所でやってくれていたんだと思います。
――大事なのは、ライブ感ですね。
飯:あと想像力です(笑)
――最後に、映画『笑う招き猫』の特にココを見て欲しいという部分がありましたら、お願いします!
飯:もちろん漫才はあるんですけど、漫才はある種のオプションなので、そこまでの展開の中で、2人が過ごした大学時代のシーンが結構ありまして、とても生っぽくできたんじゃないかなと。例えば卒業式の後の飲みで、仲間の一人が気づいたら泣いてる、とか。はい泣きます、って流れじゃなくて。「あれ? こいつ泣いてない?」みたいな(笑)。当然整理もされているんですけど、カオスなシーンになったと思います。詳しくは本編を見てください(笑)
――あと、4/21(金)には、当店LOFT9 Shibuyaにて、公開記念イベントもありますね!
飯:誰が出るんですかね? 僕も知らないんですよ。
――え!?
飯:この後、別の取材で宣伝部チームに会うので、そこで詳しく聞いておきます(笑)。