Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー小松田大全(アニメーション監督)(Rooftop2016年10月号)

人には人の数だけ正義がある

2016.10.01

キャラクターを育ててもらった

 
――これだけバックボーンの多い作品は、制作の上での意思統一は難しそうですが、どのように伝えていったのですか。
 
小松田まず最初に作品の内容や物語や、各キャラクターの姿勢の描き分けなどを説明したりしました。絵コンテに込めた意図を説明したり、編集の廣瀬(清志)さんを呼んでお話ししてもらったり、3DCGアニメーターの方が普段あまり接する機会のないセクションの方の話を聞けるような勉強会を開いたりしました。面白いなと思ったのが、3DCGのアニメーターさんはキャストの声を聞きながらキャラの演技をつけていくんです。これはアニメーターが社員であるサンジゲンさんならではのやり方で、声と絵の演技のズレが少なくなりますし、さらに話数を重ねるごとにどんどんクオリティーが上がっていくんです。これはすごいなと思いました。さらに演出処理との打ち合わせは当然として、シナリオ開発の頃の会議の録音データまで聞いて作業してくれるアニメーターさんまでいて、そういった熱意がキャラクターを実に豊かにしてくれて、本当に感謝しかありません。この環境で制作できたことは幸せな巡り合わせでした。
 
――それは凄いですね。作品の内容については、キャストの皆さんにも事前に伝えられていたんですか。
 
小松田そこは悩んだところもあるんですが、最初に作品の大枠の説明はしましたが、あえて詳細には伝えませんでした。細かく伝えてしまうと演技の方向性が1つに絞られてしまうので、それが嫌だったんです。キャストの解釈によって、キャラクターが予想を超えて変化してくことがあるんです。想像だにしない芝居になることもありますし、キャストの中でも、ある程度自由にできる作品なんだという雰囲気も生まれ、その掛け合いの中から生まれる演技がキャラクターにはっきりとした輪郭を与えてくれました。ただ、本当にわからない時はキャストの方も質問してくれましたしね。
 
――演技の幅も広がっていくのでイイですね。
 
小松田キャストの皆さんにキャラクターを育ててもらったことで、物語の結末まで一部、変わったくらいです。
 
――素晴らしいチームですね。続編への期待が高まっていきますが、話せる範囲でいいのでどのような展開になるかを伺えますか。
 
小松田続編では、“人には人の数だけ正義がある” という、この作品の一つのテーマがより前面に出てきます。各キャラクターの動機と、それぞれの戦う理由がはっきりしてくるんです。薫子という、状況をかき回すもう一人の主人公も出てきてますし、「ブブキとは、ブランキとは何なのか?」という謎にも触れます。そういう意味では続編から見始めても楽しめるようになっているので、まずは続編を見てから、その後で1期を見ていただいてもいいと思います。東と薫子をはじめとするキャラクター、ブブキ、ブランキの織り成す物語を最後まで追いかけていただけると嬉しいです。
 
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「ブブキ・ブランキ」

1巻~4巻 発売中
Blu-ray ¥7,000(税別)  DVD ¥5,000(税別)

LIVE INFOライブ情報

『ブブキ・ブランキ 星の巨人』
10月1日(土)夜9:30からAT-X / TOKYO MXほかにて放送開始
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