逆に5年かかったかということなのかもしれない
—60分で次回作がないかもという中、作品を成功させるという思いを持ちつつ制作をされたということですが、確信を持ったタイミングはあったんですか。
菱田:確信はないです。面白いと思って作っていますが、いい作品が必ずヒットするというわけではないですから。
—TVで “おそ松さん”、映画で“同級生”とファン層が近い作品が同時期にありますが意識されましたか。
菱田:ほかの作品は意識してません。制作前にキャラクターデザインの松浦(麻衣)さんから、僕は少年漫画の人だと言われていたんです。メインは確かに女性ですが僕は狙ってもそこに球を投げられないので、そこは思い切って投げられる球を投げただけです。そういう意味ではジャンル分けはされていると思います。僕は、この作品を男の子にも見てもらいたいし、男の子が手に汗握れる展開に作ったつもりです。
—ファンということですとマニアの方からライトな方と幅広く支持を得ているというのも特徴だと思います。TVシリーズがある作品だとなかなか難しいことだと思います。
菱田:逆に5年かかったかということなのかもしれないです(笑)。
—TVシリーズもうまくいったということです。
菱田:そう言ってもらえるのは嬉しいです。
—TVシリーズからのファンが5年経ち成長してSNSを利用する年齢になったということもあるんだと思います。
菱田:そうですね。5年前に小学生でも今は高校生になりますから。
—今は住んでいる場所や年齢に関係なくつながることができるので、時代に合った作品だということなんでしょうね。
菱田:今回は本当にTwitterに救われました。3週間で打ち切られていたかもしれないですから。
—口コミに勝る宣伝はないといいますからね。そういう意味では“キンプリ”の広がり方も面白いなと思いました。
菱田:そうですね。ストーリーは男の子が成長していくという王道の展開なので、それが伝わったのが良かったということかもしれないです。
—最後のエーデルローズのみんなが舞台上に集まるシーンは、少年漫画でいう「俺たちの戦いはこれからだ」っていう展開でまさに王道ですね。
菱田:「次回作にご期待下さい」みたいな感じですね(笑)。
—実際、続編のほうはどうなんでしょう、ルヰのプライドをすごく見たいんですが。
菱田:このまま終わるとある意味で伝説を残して終われるかもしれないですけど、僕もみんなに続きを見て欲しいので作りたいと思っています。
—期待しています。