今やロフトを背負って立つバンド・イギリス人から、夏がテーマの5曲入りミニ・アルバムが到着! 海、ビーチサンダル、麦わら帽子、蚊取り線香、ねずみ花火...キュンとして涙が出そうなキーワード満載のサマー・チューン。これを聴いたら夏の思い出を作りに今すぐ外へ飛び出せ! ちなみに夏の予定がない人には、今年もロフトで開催される1週間フリーフェスが待っているのでご安心を。(interview:稲垣ユカ)
正月と夏、世間の人が実家に帰る時はロフトにいる
──今回は夏がテーマですが、コンセプトを決めたのはいつ頃ですか?
たつ子りん(以下、たつ子):ぶっちゃけ去年の夏に出そうと思ってたんだけど、レコード会社が変わったりしてリリースするタイミングがなくて、とりあえずヒマだから合間にレコーディングだけしてたら割と夏の曲が多かったんで、じゃあ去年言ってたし、今回出しちゃおうかって。
──じゃあ曲はけっこう前から出来てた感じで。
たつ子:そう、曲は夏縛りで言ったらもうちょっと入れれるぐらいあったんだけど。でももう出すって決まっちゃったし、曲名だけとりあえず決めて、メンバーは収録曲も知らずにポスターが先に出来上がるっていう(笑)。
──もう出さざるを得ないと。そこから新たに作った曲もありますか?
たつ子:1曲目だけは作りました。原型は1日で作って、それをメンバーに発表するって決まってた日に遅刻したりして機会がなくなって、2、3日後にずれて、その間に後半に歌詞が変わって繰り返す部分が増えたっていう。
──けっこう追い込まれて作った的な。
たつ子:でも割といつもそんな感じで。
遠井地下道(以下、地下道):追い込まれてるようで追い込まれてないよね(笑)。
たつ子:どうせ締切ずれ込むしなー、みたいな(笑)。
地下道:楽器弾いてる時間よりマンガ読んでる時間のほうが多いもんね(笑)。
──あ、じゃあレコーディングもスムーズに。
地下道:レコーディングはめっちゃ早かったですよ。2日とかそれぐらいでバーッと。
たつ子:歌もほぼワンテイクで。だから時間余ってラップだけ重ねまくったり(笑)。まだ始発来ないし、みたいな。
──ヒマ潰しじゃないですか(笑)。1曲目はサビをみんなで唄ってるところがいいですね。ライブでももう披露してますけど、盛り上がりそうで。
たつ子:ライブでやらないほうがプロっぽいかなとか思ったんだけど、それじゃ売れないよって(笑)。
地下道:宣伝しなきゃって(笑)。だって誰も宣伝してくれないから、テレビで流れてるわけでもないし。このまま行くと発売時に誰も知らない曲になっちゃうから(笑)。
──2曲目の「夏」はクリスマスの音源にも入ってましたよね。
たつ子:あ、そうそう。その前から「夏」ってタイトルで曲があったのに冬のCDを出すってことになったから、まぁウケ狙いで、夏の部分を全部冬に変えて出したっていう(笑)。ホントは秋とか春とか全部歌詞変えて作ろうかなって思ったんだけど、歌詞間違えちゃうから今回で終わらしとこうと思ってます。
──この曲は夏のキーワードがいっぱい出てきますけど、実際、夏らしいことして遊びます?
地下道:遊ばないねぇ(笑)。夏盤出してるけど、夏は遊ばないです(笑)。
──だと思った(笑)。
地下道:だからこういう夏はいいよねぇ、っていう歌(笑)。
たつ子:ここ3年ぐらい、夏はほとんどロフトにいるからね。正月と夏ね、世間の人が実家に帰るタイミングは全部ロフトで。
地下道:薄暗い、焼きそばの匂いがする中で。
たつ子:だからジャケットの撮影で久しぶりに海で遊んだよね。
──あれはどこの海で?
たつ子:静岡の、俺の地元が世界遺産登録されたから、世界遺産で撮ろうぜ! って。ライブ前に撮影して、みんなビッチャビチャに濡れて。
地下道:スーツにね、塩が(笑)。
──キラキラしちゃって(笑)。
たつ子:その時の遊んでる様子が中のブックレットにいっぱい載ってます。もうライブ以上にアガったよね(笑)。
地下道:あれが多分、ウチらの夏の思い出(笑)。すげー寒い時期だったけど。
──3曲目は地下道君の曲ですね。歌詞がたつ子りんへの愚痴っていう…。
地下道:たつ子りんへの愚痴って言うよりは、バンドへの憤りですよね(笑)。お前らいい加減にしろと。
──(笑)でも曲自体は楽しい感じで。
たつ子:これでマイナー調のバラードとかだったらヤバいよね、俺変わるよ、とりあえずトランプ捨てるよ(笑)。
地下道:でもこの曲はね、たつ子りんが唄うバンドマンのラブソングみたいなのを、俺が別な切り口で書いた曲で。バンドマンと一人の女の子の曲があった時に、俺はそこに登場するいち友人みたいな。そういうポジションで書いたら面白いんじゃないかなって。
──サイドストーリー的な。
地下道:そうそう。