Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー湯毛(Rooftop2015年8月号)

ニコニコ動画からアニメ主題歌を唄うという目標に向かって

2015.08.01

 歌ってみた、ゲーム実況とニコニコでの動画投稿をきっかけにさまざまな活躍を続けている"湯毛"。いろんなチームを率いての活動に至った経緯とは何だったのか。これからの目標やロフトに対する思いなどを語っていただきました。[interview:柏木 聡(Asagaya/Loft A)]

弾き語りから動画投稿へ

──湯毛さんと言えばニコニコ動画の配信が人気ですが、始めるきっかけは何だったんですか。
湯毛:もともとは大阪の日本橋でアニメ・ソングの弾き語りをやっていたんです。8年くらい前にその弾き語りの様子を動画に撮って上げてみたら予想以上に再生数が伸びて、知ってもらったのが最初です。ここ数年でゲーム実況もやり出し、チーム湯豆腐など知り合ったメンバーと一緒にいろいろな活動もしています。
──アニメ・ソングの弾き語りとは珍しいですね。
湯毛:もともとアニソンが好きだったんです。素人がアニメ・ソングを唄って知ってもらえる場所があるんだと感じました。
──確かに初期のニコニコ動画は、今よりもオタクの色が強い場所でした。
湯毛:そうなんです。「ハレ晴れユカイ」や「真赤な誓い」などいろんな方が動画を上げていました。私も「真赤な誓い」を路上で唄ったものが伸びて、知っていただくきっかけになりました。実際に唄われている福山(芳樹)さんともお会いする機会があって、本当にとても良い方で、コピー・バンドの曲も聴いてくれる方で褒めていただけました。お客さんの投票制で福山さんの曲をコピーするコピー・バンドの大会があって、大阪で組んでいる湯毛BANDで優勝することができ、一緒に演奏する機会もいただけました。
──凄く羨ましい体験ですね。
湯毛:めっちゃ良い体験でした。
──湯毛さんは歌以外にゲーム実況もされていますよね。ニコニコはいろんなジャンルがあって住み分けがされているイメージがあったんですが、複数のことをされている方は意外といらっしゃるんですか。
湯毛:多くはないですが、いてますね。ゲーム実況は特別な技術が要ることではないですし、ゲームも好きですから。
──トーク力が必要になってくると思うんですが、そこに対してのプレッシャーはありませんでしたか。
湯毛:たまたま仲の良いメンバーでチーム湯豆腐を組むことができたので、それも大きいですね。一人でやっていたわけではないので、ゲーム実況をやることによって知ってくれる人がいて、音楽にも繋げることができればいいかなと思って始めたところもあります。当時はここまで人気のコンテンツになるとは思ってもいなかったです。
──チーム湯豆腐の方々とはどのように知り合ったのですか。
湯毛:フルコンさんが同じマンションに実家がある幼馴染で、そこから輪が広がっていった形です。フルコンさんとはしばらく会わない時期があったんですが、社会人になってからアニメ・ソングのコピー・バンドのライブで再会したんです。その時は、フルコンさんはドラムをしていました。
 

偶然の出会いからの結成

──その流れだと、そのまま音楽のほうへ進んでいきそうですけど、なぜゲーム実況も始めたのですか。
湯毛:たまたま、ゲーム実況をしている牛沢、towacoと知り合ってチームを組みました。そこは本当に偶然です。そんなか始めたチーム湯豆腐がバァっと人気が出て、今年の4月までやっていたゲーム実況者わくわくバンドは、フルコンさんなどゲーム実況者のなかで楽器をできる人がたまたま集められることができて結成して、CDも出してもらえました。
──凄い偶然ですね。
湯毛:本当に面白い経験をさせていただけました。タカラトミーアーツのブキガミというゲームの主題歌を唄わせていただけたり、SEGAのmaimaiという音ゲーでもカバーですが唄ったものを使っていただけたり、ニコニコ以外でも広がりが出てきているので、面白いです。もともとはいちユーザー、いちオタクなのですから。
──夢が徐々に叶ってきていますね。
湯毛:もともとあったアニメ・戦隊の主題歌を唄うという夢が、徐々に目標になってきてますね。最近は少なくなってしまった熱いアニメ・ソングを唄いたいので、そこに向かって頑張っています。私自身、そういった作品が好きなんです。
──私もいわゆるアニメ主題歌というもので育ってきたので、凄く分かります。
湯毛:もちろん、今もそういった歌を唄われている方はいらっしゃるんですが、軒並み大御所の方ばかりなので(笑)。
──そうなんですよ(笑)。
湯毛:ニコニコをやっていた友達のGEROもアニメの主題歌を唄っていて、流れとしてはあると感じています。アニメ・ソング愛はニコニコ中では一番あると思っています。
──『湯毛がひとりでやりたい放題』の選曲は最高で、その愛を感じます。
湯毛:ありがとうございます(笑)。弾き語りのイベントは自由にできるので楽しいです。ただ、自由すぎてもみんなが知らなければ盛り上がらないので、そこには気をつけています。
──確かに選曲は悩むところですね。
湯毛:今はカバーが多いですが、オリジナルの曲も増やせればなと思っています。アニメ・ソングをオリジナルで入れることができれば嬉しいですね。そうなるように頑張ります。
──湯毛さんの歌は熱血と言うか男らしくて、アニメの主題歌らしい唄い方なので、そこも魅力だと感じています。
湯毛:やっぱり影響は受けちゃいますね。そんななかでも自分の色を出せればなとは思っています。
──歌は昔から唄われていたのですか。
湯毛:バンドで唄い始めたのは大学に入ってからです。高校時代はベースを弾いていました。
──何がきっかけで唄い始めたのですか。
湯毛:大学の文化祭でのカラオケ大会で「ペガサス幻想」を唄ったらめっちゃ受けて、それがきっかけですね(笑)。
 

謝罪で作った1コーラスから

──そんなアニソン好きななかのオリジナル曲は「土下座」ですが、どういった経緯で生まれた曲なのですか。
湯毛:あれはコミケに出す用のCDができなくて、その謝罪で1コーラスだけ作った曲なんです。
──本当に土下座の意味で作った曲なんですね(笑)。
湯毛:そうなんです(笑)。そんななか生まれた曲を好きだと言ってくれる方がたくさんいて、自分でも気に入っています。歌詞に「土下座」を入れていないんですけど、そういう情景を思い浮かべることができる歌詞にもなって、奇跡的にできた曲ですね。
──それは音楽に対する真摯な取り組みから生まれた必然だと思います。あとタイトルからは想像できないですが、暗くならない曲なのもいいです。
湯毛:そう言っていただけるとありがたいです(笑)。今はまず「土下座」を超える曲を作ることが目の前の目標です。ネガティブだけど頑張れそうな曲を作りたいです。
──それでもネガティブは入るんですね(笑)。
湯毛:ちょっと暗いけど、ひねってる感があるほうが自分にもハマるんです。もちろん、ポジティブなのも作れます(笑)。
──ポジティブなのも聴いてみたいです。
湯毛:じゃあ、ポジティブな歌詞の曲も作ります(笑)。
──歌を唄われていて、今も音楽活動をされていますが、トーク箱であるAsagaya/Loft Aに出るきっかけは何だったのですか。
湯毛:もともとトークライブをしたかったんです。
──そうなんですね。大阪だとLoft PlusOne Westができる前から紅鶴・白鯨がありますが、そちらには出られたことがあるんですか。
湯毛:一度行ったことがあります。『コスプレ大喜利』に飛び入り参加して、ひょんなことに優勝してしまったんですが、入っている味園ビルのコアな雰囲気が怖すぎてそれっきりですね(笑)。
──優勝しても怖いですか(笑)。
湯毛:怖いですね、一人では行けないです(笑)。でも、トークライブはしたくて、そんな時にロフトの方に声をかけていただけたのがきっかけです。もともとロフトに憧れもあったので、嬉しかったです。
──ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです。
湯毛:ゲーム実況をやり出した時にLOFT/PLUS ONEに呼んでいただいて、ロフトって凄いな、やりやすいなと思って。そこからチーム湯豆腐で年1回のイベントを阿佐ヶ谷でやり出して、一人でもやってみたいなと思って始めたのが『湯毛がひとりでやりたい放題』です。今、確認してみたら8月はゲスト出演や昼・夜の1日公演を合わせると、3店舗で4回も出るんですね(笑)。
──本当にお世話になってます。
湯毛:お客さんと一緒にイベントを作っていくというロフトのスタイルは私に合っているので楽しいです。内装や雰囲気も好きです。
──8月は毎週のようにロフトに出ていただけますが、ファンに向けてメッセージをお願いします。
湯毛:すべて違う内容で違う色で楽しめるようにしますので、是非来ていただけたら嬉しいのでよろしくお願いします。
 

LIVE INFOライブ情報

大河元気のlinkstaGe Vol.6
2015年8月9日(日)
【MC】大河元気【ゲスト】湯毛
OPEN 12:00/START 13:00
前売 3,300円/当日 3,800円(要1オーダー)
Lコード:35241
会場&問い合わせ:LOFT/PLUS ONE 03-3205-6864
 
湯毛がひとりでやりたい放題 vol.5〜湯毛生誕祭SP〜
2015年8月26日(水)
【出演】湯毛
OPEN 18:00/START 19:00
前売 2,000円/当日 2,500円(要1オーダー)
Lコード:59140
会場&問い合わせ:Loft PlusOne West 06-6211-5592
 
生の生湯豆腐! in 阿佐ヶ谷 vol.4
2015年8月29日(土)
【出演】チーム湯豆腐(湯毛/towaco/牛沢/フルコン)
昼の部:OPEN 12:00/START 13:00
夜の部:OPEN 18:00/START 18:45
前売 2,100円(要1オーダー)
Lコード:37153(昼の部)、37155(夜の部)
会場&問い合わせ:Asagaya/Loft A 03-5929-3445
 
湯毛がひとりでやりたい放題 vol.6
2015年9月18日(金)
【出演】湯毛
OPEN 18:00/START 19:00
前売 2,100円/当日 2,500円(要1オーダー)
Lコード:37152
会場&問い合わせ:Asagaya/Loft A 03-5929-3445
 
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