知る人ぞ知る、アングラ芸人のカリスマ、おいおい教祖。
「お〜いおい」の題目で、一度見たら忘れられないインパクトのビジュアルとネタ（儀式）で、一部カルト的な人気を持つ、謎の人物である。
6月9日にロフトプラスワンで開催される『おいおい教生誕祭』を間近に控え、WAHAHA本舗を脱退、念願叶ってフリーとなった、おいおい教祖にインタビューを敢行！
今回は、"謎の人物"と言いつつも、教祖の正体である芸人・元氣安が、目の前でおいおい教祖のメイクをしつつインタビューに答えるという、コンセプトやや無視のスタイルでお送りします！ 先に言っておくけど、女子どもは読まなくてヨシ!!（interview：田実健太郎・構成：マツマル／LOFT/PLUS ONE）
おいおい教祖、生誕の謎に迫るでおい！
──まずは、WAHAHA本舗脱退、おめでとうございます！
おいおい教祖（以下、O）：ありがとうでおい（笑）。そう言ってくれるのはアングラの人だけで、マトモな人からは今後のことを心配されるでおい。
──どのくらいいらっしゃったんですか？
O：23年でおい。
──長いですね…。おいおい教は何年くらい前に創始されたんですか？
O：9年前くらいでおいな。正直、喋りネタが苦手だったでおいから、ずっと喋らないでもいけるネタを探していたでおい。そんなある日、家で寝てたら朝の6時にどこかの野球部の練習の「オイ！ オイオイ！」という掛け声が聞こえてきたでおい。その声で目が覚めて、ふと窓のほうを見ると朝日で飼い猫の背中に後光が差しているように見えたでおい。それでなんとなくカミさんと一緒に拝みながら「お〜い！ おいおい！」と唱和していたら、だんだん面白くなってきて、「なんかイケるんじゃないか？」という気がしたでおい。まぁそこから実際にネタになるまでにはいろいろと紆余曲折があったでおいが…。
──その頃からネタの変化はあったのでしょうか？
O：儀式のバリエーションが増えただけで、そんなに変わらないでおいな。当時からメイクして、布教のためにのぼりを持ってスピーカーでお経を流しつつ新宿を練り歩いたりしていたのでおいが、酔っぱらいに絡まれて、明らかに向こうから仕掛けてきたのに警察がおい師のことばかり止めてきて、よく所持品検査に遭っていたでおい。
──バッグの中は中でヤバいものばかりですしね。
O：そうでおい。ドリルとかバイブとか…。儀式を知らなかったらただの不審者なのは間違いないでおい。一番大変だったのは、素顔の時の話ではあるのでおいが、六本木で酔っぱらった時に、交差点の真ん中で赤信号になっても気にしないでネタをやり続けていたら、3時間ほど警察に追い掛け回されて、しまいには頑丈な拘束着を着せられたでおい。野次馬がたくさんいたので、何か言わないといけないような空気を察して、咄嗟に「俺は縛られるのが好きなドMだーーっ!!!」と絶叫したら、拍手喝采に包まれたでおい。翌日、警察官に自分のゲロまみれになったパトカーを掃除させられ、こっぴどく叱られたのでおいが、最後に「おまえ、ウケてたぞ」と言ってもらえたでおい（笑）。
念願のDVD発売でおい！
──改めて見るともの凄いメイクですよね。メイクも最初から決まっていたんですか？
O：イメージは初めとほぼ同じなんでおいが、すべてに意味があるんでおい。「おいおい」しか言わないので口は使わない、ということで口をまっ黒に塗って、逆に「目で物を言う」ということで、目の周りに唇を描いているでおい。それと、おい師の誕生日が6月9日、ロックの日なので、額に6と9。勾玉のマークにもなっているでおい。髭は片側が4本ずつで、両方合わせて末広がりの8になってるんでおい。
──おおー！ 縁起がいいのかどうかよく分からないとこなんですが…。ところで、おいおい教に入るにはどうしたらいいんでしょうか？
O：入信希望のメールを貰えればそれで信者になれるでおい。ただ、実は最近メールソフトが壊れてしまって、ある時期から貰っていた信者のアドレスが消えてしまったんでおい。まったくおいおいな話なんでおいが…。おかげで信者数は970人で止まったままでおい。
──壊れたのって何年前からですか？
O：……2年前からでおい。
──確実に1,000人は超えてるじゃないですか！（笑）
O：仕方なく今さらmixiでメッセージを探したりしてるでおい。心当たりのある信者は、もう一度メールをくれたら幸いでおい。
──地道な作業ですね（笑）。そう言えば、やっとDVDを発売できることになったそうで…。僕（田実）がおいおい教祖のDVDを作ろうと思った時が、実はもう何年も前の話だったんですが、当時出す予定だったロフトシネマ部門がなくなってしまって…。そこから何度もDVD化しようとするたびに、何かしらの事故で延期になり（笑）。ようやく発売できるというのはとても感慨深いです。
O：まぁまだ完成はしてないでおいから、安心はできないんでおいが…（笑）。
──発売できる前提として、DVDはどんな感じになるんでしょうか？
O：水深30メートルくらいのところで、ケツの穴にサイリウムを突っ込んだら魚は寄ってくるか？ とか、股間にハンバーグを置いたら江の島のタカは取りに来るか？ とか、自分のウンコで作った野菜カレーを信者に食べさせることができるか？ とか…実験モノが多いでおいな。もし思いついたとしても、バカバカしくて誰もやらないような企画の詰め合わせになってるでおい。
おい師にタブーなしでおい！
──一応、聞いておきたいんですが…なぜWAHAHAを辞めたんでしょうか？
O：嫌いではなかったんでおいがな…。まぁ、WAHAHA内で対抗宗教と言うか（笑）。そういう反勢力みたいなのがあってでおいな。このキャラでいくといろいろ問題があったみたいでおい。DVDにしても今まで出せずにいたのは少なからずその影響もあり…。やりたいことをやるために脱退した、というのが大きな理由でおい。
──そもそも今までよく続けてこれたな、という気もしますけどね。
O：もともとのWAHAHAは過激なパフォーマンスをする人もけっこういたりしたんでおいが、知名度が上がるにつれて、だんだんと大人しくなってしまったのは寂しかったでおいな。こっちとしては、向こうに勝手に対抗されてるだけで、眼中になかったでおい（笑）。
──さすが教祖、寛容的ですね。イベントの見どころについてもお話を伺ってよろしいでしょうか？
O：やっぱり一番は、二度とはやらないであろう、おいおい教ができる前の元氣安時代のネタの数々でおいな。「自衛隊元氣安」、「ハイテンション元氣安」……気になる信者はブログをチェックするでおい。おいおい教バンドのほうは新曲もいくつか用意しているでおい。教祖自身のネタとしては「アナルと雪の教祖」というのがあるでおいな。
──流行に乗せてきましたね（笑）。「雪の教祖」ってちょっと意味が分からないですけど。
O：そこはおい師も関係性が掴めてないでおい（笑）。4年振りの生誕祭でおいからな、長い充電期間を経てようやくフリーになった教祖の“おいおい教ビッグバン”を、信者のみんなに是非とも参拝してもらいたいでおい。
──フリーになった教祖の今後の活躍に期待ですね。
O：今後は世界に飛び出していきたいと考えているでおいからな。ラスベガスの砂漠のど真ん中で長フンを流したり、スペインの牛追い祭で赤フンで走り回ったりしたいでおい。ただ、向こうの対抗宗教は過激なものが多いでおいからな。そこだけは心配でおい（笑）。
──おいおい教の目的が「笑いで世界を平和にする」ですもんね。世界に出るのは必然の流れだったんではないかという気がします。
O：まぁ、世界で一番の邪教でもあるんでおいが…。邪教こそ一般市民の良心の最大の拠り所になるのではないかと思っているでおいからな。世界中に信者を増やしていきたいでおい。
──先にメールソフトだけは直しておいたほうがいいですね（笑）。それでは最後に、世界中の信者に向けてメッセージをお願いします。
O：悪い宗教には騙されるな！ でおい。
──深いですね！ ありがとうございました！
