映画『クローズEXPLODE』への楽曲提供と演奏シーンの出演
──今ライブでもMisaさん唄ってるじゃないですか? ライブで唄うのってどんな感覚ですか?
Misa:いやー、大変です。
──今回の2曲、'80、'90年代初頭の歌謡曲テイスト満載のいい曲だと思います。
順堂:「Zin!Zin!スットプモーション」、出来るのめちゃ早かったもんね。
伊藤:あれ、2分で出来た。
未来:詞を書いてる時、(伊藤が)一番生き生きしてたもんね(笑)。
一同:(笑)
伊藤:自分で唄わない曲はラクなんですよね。
──「Zin!Zin!スットプモーション」って台詞みたいなところもあるじゃないですか。あれは衝撃的でしたね。
伊藤:あれはMisaちゃんのアドリブですね。
Misa:違うー。ちゃんとご指導あったじゃないですかー。
順堂:「肩が入ってないよ。肩入れないと、歌に力が籠らない」って指導が(笑)。
Misa:凄い怖いんですから。
──この曲、クレジットは「作曲 オールディックフォギー」になってますけど。
伊藤:スタジオでみんなで作ったんです。
未来:Misaちゃんが唄う代表曲を作んないかって。で、スゲーいい曲出来たんだけど忘れたんだよ(笑)。
伊藤:そう。そん時スゲーいい曲出来たんですよ。俺がアカペラで唄ってて。そしたらその日、スタジオ終わっちゃって。
未来:次の週覚えてない、誰も(笑)。
伊藤:何にも思い出せなくって。で、またイチから考え直したら、イントロの部分が決まって。特徴的ないいイントロ出来たら、後はスラッと出来るじゃないですか。だからすぐ出来ました。
──「CATCH UP THE TONIGHT」は伊藤くんとスージーくんの共作ということですが。
伊藤:これはスージーと機材車の荷台で作ったんですよ。「こういうイントロがあるんだけど」ってスージーに言ったら、「じゃあ、こうだね」って。
順堂:歌詞とかも一緒に考えてたよね?
伊藤:スージーが言ったのは<ドール>…
──くらいですか?(笑)
一同:(笑)
伊藤:あと<BINKAN><DONKAN>とか、そんなもんですね。
──Misaさんのボーカル曲って、ライブでも盛り上がりますもんね。
伊藤:そういう可能性を秘めた子だとは思ってるんですよね。
Misa:ハハハハハハ!
伊藤:もう多分、化けないんですけど。こっから万が一、大人気になった時にいかにMisaちゃん以外のメンバーに金が入るかってことを考えなきゃいけないんで。1人だけ売れるわけにはいかないんで。
──(笑)バンド全体で上がってかなきゃ、ですよね。曲作りとかレコーディングは伊藤くんが指揮とって進めてるんですか?
伊藤:いや、指揮はとってないですよ。レコーディング入ったら俺は何もしてないです。俺のイマジネーションを具現化してくれるのが、このメンバーなんで。俺、あんまよく分かってないんで。適当に言ってたり。ちゃんとした音楽理論に基づいて組み立ててくれる人がいないと成立しないんで。それをここにいる皆さんにやってもらうっていう。
順堂:伊藤が「あそこはこうで、ここはこんな感じで」みたいなことを少しだけ言って。あとは各メンバーがそれぞれ解釈して。レコーディング前までに曲の形がある程度出来て、メンバーみんなが納得する感じが生まれてからレコーディングするっていう。で、伊藤が「いいじゃん」ってなればそれでOK。
──話は変わりますが、現在公開中の映画『クローズEXPLODE』に「月になんて」を楽曲提供。そして映画本編にも演奏シーンで出演されています。そもそも、映画に出演することになった経緯を教えて下さい。
伊藤:監督(豊田利晃)を元々知ってて。監督と仲の良い俳優のことも知ってて。呑んだりとかしてたんすね。で、仲良くなっていったら「じゃ映画で使おうか」ってなって。監督から使おうって言ってくれたのか、こっちから使ってくれって言ったのか覚えてないですけど。まぁ気に入ってくれて。
──撮影したのって昨年でしたよね?
順堂:昨年の2月ですね。
──撮影は神戸ですよね。初めての映画の現場ってどうでした?
伊藤:待ち時間が長かったですね。でも面白かったですよ。
順堂:撮影自体は面白かったですね。
伊藤:異常に盛り上がるし、エキストラが。
──(笑)で、今回その豊田監督が「いなくなったのは俺の方だったんだ」のMVを監督されています。オールディックのことを好きな方が撮ってるんで、凄くバンドに対する愛情に溢れた素晴らしいMVだと思います。下北沢の商店街を伊藤くんが馬に跨がって闊歩するっていう映像は、かなりインパクト大ですね。あのシーンは何時ごろ撮影したんですか?
伊藤:朝の5時10分から撮り始めましたね。
──朝の5時とは言え、人はパラパラいるわけじゃないですか? 街の人たちの反応ってどうでした?
伊藤:ビックリしてましたよね。でも酔っ払いとか、すれ違っても気づかない奴いましたよ。
一同:(笑)
──下北沢の商店街を馬が歩いてるのを目にして、「俺やっぱ今日呑み過ぎたわ」って思ってるんでしょうね(笑)。そして、『新世界』リリース後はレコ発ツアーが始まります。5月24日の新宿ロフトから始まる全40本。ファイナルが9月27日の恵比寿リキッドルーム。オールディックフォギーのワンマンとしては、リキッドルームは一番大きなハコになります。ハコが大きくなろうが、バンドとしてやることは変わらないと思いますが、リキッドについて何か思うことはありますか?
伊藤:普段通りにやろうとは思ってるんですけど、正直やっぱビビってるところもあって。やるからにはスカスカの状態はイヤなんで。来てくれたお客さんにも悪いじゃないですか。何とかなるとは思ってるんですけど。どうせ通らなきゃいけない道だなと思って。
順堂:緊張はしますよね。デカいし。でも、ツアー廻ると仕上がるんで大丈夫だと思うんですけど。