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INTERVIEW

トップインタビューロビン西の傑作短編漫画『ソウル・フラワー・トレイン』が映画化! (web Rooftop2013年8月)

ロビン西の傑作短編漫画『ソウル・フラワー・トレイン』が映画化!

2013.08.05

映画『ソウル・フラワー・トレイン』

r2c_02.jpg── 主演の平田満さん、ロビンさんぽかったですね?

ロビン:実はぼくも思った(笑)。

── 監督が意識した部分もあるんですかね?

巴山:偶然の妙というか。笑

── ロビンさんいつもハンチング被ってますもんね。

ロビン:今日は、キャップやけどね。笑

── キャスティングは、監督の意向ですか?

巴山:そうですね。最初に平田さんが決まりまして。普段は、このような規模の映画に出る方じゃないんですけど、最初、脚本を読んで頂いて、そしたら平田さんの方から是非監督に直接会ってお話したいと。その段階から、このキャラのこの台詞はどういう事を思って言っているのか? とか、役に入ってまして。女優に関しては、こちらから、まず関西弁を喋れる事など、いくつか要望をあげてオーディションをしたんです。

ロビン:真凛(立花あかね役)ちゃん、凄くよかったね。真凛ちゃんはオバハンになったら 第二の藤山直美になれる!そう確信した(笑)。

SFT40.jpg── 平田さんも居つつ、ヒロインの真凛さんも主役というか、際立ってましたね。

巴山:そうですね。話をまわしていく役として。

ロビン:その辺見事ですな。

── あかねという役は、映画オリジナルのキャラクターですよね?

ロビン:そうそう、監督と脚本の上原(三由樹)さんの腕ですな。

── ロビンさんが、西尾監督に初めて会ったのはいつですか?

ロビン:巴山くんと同じで2010年の暮れぐらい。皆で立ち上げ会みたいな感じで会って。

── そこから、要所要所で会って進めたと?

ロビン:1年かけて脚本を作って、脚本ができたらすぐに「時間ない!」「1 週間か2週間で撮らんならん!」ってなって。笑

巴山:そうですね。撮影は、10日間だったんですけど、最初はプロット書いたときにロビンさんに見て貰って。

── ロビンさんからの要望は?

ロビン:顔合わせの時に、あれやこれやイメージは言ったけど。最初からマンガとは違うものやと分かってたから、たいして言うことは無いっていうか。よっぽど変なものやったら言うけど。

── それまでに監督に任せておけば大丈夫ってなってたって事ですか?

ロビン:この人信用できるっていうのは一回会って話してすぐわかったし、だいたい家泊まってったし。笑 もし原作どおりの脚本だったらなにか言う事もあったかもだけど、何より映画は監督のものやから。第一稿見せてもらって「まだ足りんのちゃうかな?」ぐらいしか言わなかった。

── それは、自分が監督じゃないし、映画の事は監督に任せようっていう事ですよね?

ロビン:それは、一番デカイかな。一番真剣に考えてはるし、一番見えてるはずやし。助言ぐらいしかできない。というか助言すらできない。笑

巴山:マンガと実写映画だと、全然作り方が違ってて、実写だと縛りが多いというか、できる事とできない事があるんですけど、脚本を作ってる時に、この辺はロビンさんの意見を聞いた方が良いなという所は聞いてました。

── ロビンさんの好きなシーンは?

ロビン:いっぱいあるけど、真凛さんの顔にはヤラれるな。表情とか。この人ホントにいい表情するなと。つい引き込まれるって感じ。さすがスカウトキャラバン!いい素材を見つけてはるな!笑

巴山:撮影では、真凛のシーンももっと撮ってるんですけど。マンガもそうですよね。どこを削るかという。西尾さんは、公開までにまだ編集するって言ってますし。

SFT38.jpg── 舞台となっているのが、大阪ですね。

ロビン:明らかに大阪の映画なんやけど、あんまりベタに大阪が出過ぎると引くかなとは思ってて。

巴山:ドヤ感がでちゃうんですよね。

ロビン:そうそう。そうすると、オモロイもんもオモロくなくなっちゃうっていうか。

巴山:そういうドヤ感を削りましょうと監督とも話してるんですよ。

ロビン:そういう所を編集しはるんや。さすが。オモロいの押し売りはおもしろくないもんね。

── 『マインドゲーム』も大阪が舞台ですけど、サラリと出てますよね?

ロビン:だったらいいんですけど。僕も新世界辺りのディープさはすごく好きなんだけど、そもそも自分自身がそれをディープに描く能力がない、というかトライもしてない。でもけっきょくそれが作風になってる部分もあって、そこを西尾さんはやろうと思ってくれてたみたい。僕は、映画はディープでもええんちゃうかと思ったんやけど、そうすると「ロビンさんのテイストとは大きくズレる」とおっしゃってくれて。雰囲気とか。そうか、そういう風に見てくれてんのかと思て。だから、お任せだな、やっぱり(笑)!

巴山:実写であの世界を描くと、ストーリーの邪魔をしちゃうんですよね。

── 西尾さんは、大阪のどこ出身なんですか?

ロビン:鶴橋。

巴山:親がスナックやってたそうで。西尾さん自身も大阪のそういうディープな部分を描こうと思ったら描けるっていうか、、そういう場所で育ってきた人なんで。でも、もう一人の前田プロデューサーとも話して、この映画は、そういった大阪のディープで生々しいエグイ、尖った部分を描く作品というよりも、多くの方々に見て楽しんでもらえる作品になる方向に、西尾さんの腕を発揮してもらおうと考えてました。

ロビン:マンガもそうだけど、映画も表現の手法なんていっぱいあるから、何だって成立はすると思ってたけど、僕がマンガを描く時も、最終的に皆に見て貰えて、気持ち良くなって欲しいとは思ってる。でも、それってマイナスになる事も多いので気をつけなくてはいけない。僕の映画化されたマンガについては、原作通りっていうのははまらないような気がしてて、むしろタイトルだけでいいですっていうぐらい変えて欲しいと思ってました。結果、原作を大事にしてくれつつ見事に昇華してくれました!

── 原作者じゃなくて、お客さんを気にして欲しいという?

ロビン:いや、お客さんも気にせんといてくれって(笑)!

── 作り手が面白いものをやって欲しいという事ですね。

ロビン:西尾さんにしても脚本の上原さんにしてもすごいなあ〜って思います。あんなん思いつけへんもん、ぼく。さっきも話してたけど、エグイものエグくないもの、西尾さんは両方できる人やと思ってるけど、今回は原作のテイストを尊重するのを選んでくれたんやなって。

巴山:そうですね。女寅さんというか、喜劇の部分を描きたいなと。作品のテイストを大事にしましたね。

── では最後に読者のみなさまにメッセージをお願いします。

ロビン:噛めば噛むほど味が出るスルメのような味わい深い傑作です!!ぜひ劇場に足を運んでご覧下さいませ!あわせてマンガのほうもよろしくお願いいたします!

 



「田舎の素朴な父親が都会に娘を訪ねて来た。そんな父と娘の古き良きホームドラマ…のはずが、、、(映画キャッチコピーより引用)」とあるように、漫画家・ロビン西の傑作短編漫画を元に、監督・西尾孔志が描く、奇才2人による人情劇。この2人が描く物語が、ただの人情劇では終わるはずはない!8/31(土)より新宿ケイズシネマにてレイトショー公開される、映画『ソウル・フラワー・トレイン』。是非、劇場でご確認あれ!

更に現在発売中の「月刊IKKI9月号」では、ロビン西先生の最新読み切り漫画『執事サカイ』が掲載中!これまた不思議なロビン西ワールドが炸裂しています!

そして、映画公開直前の8/23(金)阿佐ヶ谷ロフトAでは、映画「ソウル・フラワー・トレイン」上映記念イベント「今やらいでか、ロビン西ナイト!」が開催決定!豪華なゲスト陣と共に、ロビン西の魅力、頭の中、その人物の真相に迫る!? 一夜!

などなど、劇場でのトークイベントも企画中との事なので、今後のロビン西先生の活躍にも、ご期待あれ!
 



r2c_03.jpgPROFILE
ロビン西

1966年、大阪生まれ。
主な著書に『マインドゲーム』( 飛鳥新社)『ポエやん』(マガジンハウス)
2004年『マインドゲーム』がスタジオ4_よりアニメ映画化され文化庁メディア芸術祭アニメ部門大賞を受賞。

 



soulFlowerTrain.jpg

原作:『ソウル・フラワー・トレイン』ロビン西 (C)ロビン西/エンターブレイン

監督:西尾孔志

脚本:上原三由樹 西尾孔志

【出演】
平田満/真凛/咲世子/大和田健介/大谷澪/楠見薫/和田めぐみ/入矢麻衣/浅野彰一/駿河太郎/中村真利亜/清水かおり/山根千佳/細川博司/安藤匡史/信國輝彦/小沢和之

【製作】
企画・製作:ALEWO 企画/監督:西尾孔志 /企画:西尾孔志 巴山将来/プロデューサー:前田和紀/脚本:上原三由樹 西尾孔志/撮影:高木風太/照明:中川のどか/美術:塩川節子/録音:松野泉/編集:上原拓治/助監督:馬杉雅喜/制作:伊賀裕一/メイク:奥村裕子/キャスティング:久保田隆久/配給:エネサイ

【主題歌】
少年ナイフ「Osaka Rock City」

【コピーライト】
(C)2013 ALEWO 企画

【公式サイト】
http://www.soulflowertrain.com/

2013 年8月31日(土)より新宿ケイズシネマにて公開!

 

LIVE INFOライブ情報

8/23(金)阿佐ヶ谷ロフトA
映画「ソウル・フラワー・トレイン」上映記念イベント
「今やらいでか、ロビン西ナイト!」
 

robin_nishi.jpg

90 年代『マインドゲーム』で一 部熱狂的な人気を博したマンガ家ロビン西の
幻の傑作短編漫画『ソウル・フラワー・トレイン』が実写映画にて復活!
(2013年8月31日より新宿ケイズシネマに て劇場公開)

そこで、公開に先駆けて
ロビン西氏と縁の方々を招いて一夜限りのスペシャルイベント!

「やっぱり、おもろないとイヤ」そう語った筆者が
『マインドゲーム』『ポエやん』と問題作を生み出した後、
商業誌から姿を消した数年間、一体何を描いていたのか?
何をしていたのか??
そして今、描きたいものは何か!?
ロビン西の魅力、頭の中、その人物の真相に迫る!?

【出演】
ロビン西(マンガ家)
寺田克也(イラストレーター)
伊藤ガビン(編集者)
湯浅政明(アニメーション監督)
ばばかよ(マンガ家)
天久聖一(マンガ家)
タナカカツキ(マンガ家)※ビデオ出演
あきやまさん(三鷹に住んでる普通のひと)

OPEN 18:30 / START 19:30
前売¥1,500 / 当日¥2,000(共に飲食代別)
前売はローソンチケットにて、8/3(土)より絶賛発売中!
【Lコード:34232】

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