
「パンクとは何か?」なんて話はさて置くとして、Dischargeは間違いなくパンクである。1977年にイギリスで結成された彼らの存在はその後のハードコア・パンクに大き過ぎる影響を与えたし、彼ら抜きで現在のエクストリーム・ミュージックを語ることはできないだろう。ザックザクでメタリックなギター、一直線に突き進む疾走ドラム、吐き捨てるようにがなりたてるボーカル(あと、加えるなら鋲を打ちまくった革ジャンとスパイキー・ヘア)。それらは当時において革新的で文句無しにかっこよかったし、現在も充分過ぎるほど通用するだけのパワーを秘めている。'90年前後の賛否両論入り乱れたスラッシュ・メタル時代と解散期間を経て、新世紀の訪れと共にあの頃のパワーを取り戻した彼ら。そんな彼らのジャパンツアーが、いよいよ近付いてきた。9月24日の横浜に始まり、10月3日には仙台で東日本大震災被災地のためのベネフィット・ギグも敢行。このギグに奮い立たされ、力をもらうファンは数えきれないだろう。そして、結成当初から反戦・反核をテーマにしており、初期の楽曲「A Look At Tomorrow」で核兵器は「But it's not the work of mother nature(母なる自然のやることじゃない)」と叫んだ彼らの目に、"Fukushima"を汚染した日本の官僚組織はどう映るのか。今こそ、我々は、彼らの怒りを自らのパワーに変えるときなのかもしれない。(構成:前川誠)
Message from Discharge
Dischargeのメンバーから今回の来日と東日本大震災について、コメントが届きました!
The Japanese disaster is very close to our hearts and we are honoured to play the benefit.
Japan is such a great place and the people are so friendly its the least we can do.
[訳:日本の災害については俺達も胸を痛めているから、ベネフィット・ギグを行えて光栄だよ。日本は素晴らしい所だし、みんな良くしてくれる。これが俺達にできることなんだ。]
Message to Discharge
10/5新宿LOFT「DISCHARGE JAPAN TOUR 2011 FINAL」出演者からのメッセージ!
■BEAR BOMB @ FINAL BOMBS
今回又一緒にライブがで来る事を嬉しく思う。レイニーがアルバム『There is no turning backn』に「THE MORE I SEE」を入れたいと言った時、即OKしてくれた事、ベースを手渡して弾いて良いよ、なんて事もあった、今回また会える事を楽しみにしています。
■KATSUTA @ EXTINCT GOVERNMENT
高校生の頃(1982年頃?)お茶の水の輸入レコード店シスコで「WHY」をジャケ買いして、カッコよくてよく聞いてたな〜★そして鋲ジャンの打ち方を真似してました★
■ABE @ LIFE
ガキだった俺の脳天を揺さぶり撃ち抜いて衝撃を与え人生を変えたのは、紛れもなくDISCHARGEだ!!!!!
■SHOGO @ ISTERISMO
DISCHARGE──それは音、ルックス、レコードジャケット全てが当時で完成されていた。30年経った今でも全ての者を魅了する。This is what we called classic.
■DADDY-O-NOV(DJ)
なんたって1番大好きなハードコアバンドはディスチャージであーる。俺は真のパンクはディスチャージからはじまったと思っている。彼等が全てを変えたのだ!
■DJ YOUicTHi-raw
世界の人間は二種類だけ。それは男か女か、善人か悪人か、金持ちか貧乏人か、幸せか不幸せか。そのどれでもありません。その答はDischargeに“小宇宙”を見出だした人間とそれ以外のただの人です。
Talk about Discharge
「あなたにとってのDischargeとは?」というテーマでコメントを頂きました。
■増子直純 @ 怒髪天
暴力と破壊衝動。初期衝動のおもむくままに無法の限りを尽くすのがハードコアだと思ってた俺の馬鹿な頭に拳骨を食らわせてくれた存在。パンクとは正しい声をあげる者の事だ。
■ヒダカトオル @ MONOBRIGHT / ex-BEAT CRUSADERS
ダウン・ピッキングがメチャクチャはえ〜っ! と驚愕・驚愕したのがついこの間のような気すらしますが(現在43歳)、彼らのおかげで「社会のシステム」という物を意識するようになり、それはそのまま現在まで繋がっているのです!
■森下くるみ
私のPCの壁紙は、Dischargeの『Hear Nothing See Nothing Say Nothing』のジャケ。まるでアイドル。けれどこれは私の精神。そして、多分、宗教。