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INTERVIEW

トップインタビューMystery Girls('08年09月号)

話してる私たちだって怖いのよ!(T_T)
身の毛もよだつ怖〜い話を友達感覚で話す新世代ユニット降臨!

2008.09.01

木原浩勝と中山市朗による大ベストセラー『新耳袋』や稲川淳二のトーク・ライブ『ミステリーナイトツアー』といった例を挙げるまでもなく、日本における怪談・心霊話は確固たるエンターテイメントとして定着しているが、その根強い人気を誇るジャンルに期待の新星が突如現れた。その名はミステリー・ガールズ。現在、声優スクールにも通いながらプロとしても活動している現役女子大生2名によるユニットである。話題の携帯サイト『私の心霊体験』に寄せられた200〜300話の中から厳選された体験談、ミステリー・ガールズのふたりが実際に見聞きした話をリアレンジして収録した初の音源『私の心霊体験 其の壱』では、従来の演出的な話し方ではなく、まるで友人同士で話すような雰囲気で恐怖感を出すという、全く新しいトーク・スタイルを提示している。その名の通り多くの謎に包まれたミステリー・ガールズの素性を知るべく、彼女たちにとっても初となるインタビューを本誌では敢行した。このインタビューを読んで、万が一霊現象等が起きても本誌は一切の責任を負いかねるので悪しからずご了承頂きたい。(interview:椎名宗之)

性格も嗜好も真逆なふたり

──おふたりとも漢字は違えどどちらも"カオリ"さんですが、これは本名なんですか。

歌織[Kaori No.1](以下、No.1):はい、本名です。公表はしていませんが実は苗字も同じなので、全くの同姓同名なんですよ。もしかしたら遠い親戚なのかもしれません。

──名前からしてミステリーですね。しかも、通っている大学まで同じだそうで。

No.1:そうなんです。入学式で自分と同じ名前の子がいると初めて知って。その1年後に私がミステリー・ガールズをやることになって、相方を探してた時に「同じ名前って面白くないですか?」ってレコード会社の方に2号を推薦したんですよ。

──大学内でもおふたりの交流はあるんですか。

No.1:授業以外は常に一緒ですね。ミステリー・ガールズの第1弾CDを録る時の打ち合わせや練習も学校内でやりましたから。なので、仕事でも学校でもずっと一緒なんです。プライベートでもよく遊んだりしてますし。

──ただ、1号さんは巣鴨マニアでお好み焼きやもんじゃ焼きが好物、2号さんは東京ディズニーランド・マニアでチョコが好物と、趣味嗜好は真逆に思えますけれど。

No.1:性格的にも真逆ですね。私はとにかく喋りたいタイプだけど、2号は割と無口なほうだったり。

香穂里[Kaori No.2](以下、No.2):私は人見知りが激しいので、基本的には打ち解けるようにならないとうまく喋れないんですよ。

No.1:そのアンバランスさが逆にいいのかもしれません。だからずっと一緒にいても飽きないんだと思います。

──今回発表された『私の心霊体験 其の壱』でも、おふたりの声質は真逆ですよね。1号さんは凛として澄んだ声で、2号さんは丸みを帯びた柔らかい声で。

No.1:2号は普段からお上品なタイプで、余程のことがない限り下品なところは見せないんですよ。

No.2:や、そこまででもないです(笑)。

No.1:逆に私は活発なタイプで、何でもフランクに喋るほうなんです。それが今回のCDにも如実に出ていると思いますね。

──初めてのレコーディングはかなり難儀だったんじゃないですか。

No.1:いろいろありましたよ。最初の打ち合わせで部屋の蛍光灯が突然切れたりとか、そういうのがしょっちゅうで。マイクのノイズもずっと酷かったし、ずっと肩が重かったりとか。あと、このCDを録り終えてすぐの頃、夜中に部屋でドライヤーを掛けてたら真っ白な壁にだんだん黒い線が浮かんできたりとか...。そういう不可解な現象が後を絶たなかったんです。

──CDを制作するにあたってお祓いに行ったりとかは?

No.1:マネージャーの方に神社を探して頂いて、ふたりでお祓いに行きました。でも、その直後に部屋の壁に黒い線が浮かんだりしたんですよ。

──ちょっとした言い回しのニュアンスで聞こえ方が変わるでしょうし、録りは随分と試行錯誤されたと思いますが。

No.1:練習も含めて何十回も同じ話をするので、だんだんと新鮮さが失われていくんですよ。そこは一番苦労したところですね。収録する時はマイクの前にふたりのどちらかが必ずいるんですけど、聞いてるほうも何十回も同じ話を聞いてるからマヒしてくるんです。

──必要最小限の効果音も絶妙ですよね。個人的には「フェンス」での金網やハイビールの音に心底身震いしましたが。

No.2:あの話は私の友達が実際に体験した話で、ハイヒールの音を聞いた男の子も相当怖かったみたいですね。

No.1:ふたりで6話ずつ収録した中でも、この「フェンス」は2号が一番生き生きしてた気がしますね。

No.2:まず自分が怖くないと感情が乗ってこないんですけど、「フェンス」は特に怖くて喋る時もいっぱいいっぱいだったんですよ。

No.1:このCDに入ってる話が全部実話だっていうのがホントに怖いんです。自分たちが友達に取材をして聞いた話や、『私の心霊体験』という携帯サイトで紹介された話を収録したんですけど、余りに怖くて話しながら半泣きになったこともあったんです。

心霊話="怖い"ばかりじゃない

──友達とのお喋りのようなあどけない話し方だからこそ、余計に怖さが増幅するんですよね。

No.1:心霊話が苦手な方も多いでしょうけど、こうしてフランクに話すことが聞いてもらえるきっかけに繋がるんじゃないかと思うんですよ。そこを意識して喋ってるところはありますね。

──ミステリー・ガールズを始めるにあたって、どなたかお手本とする方はいらっしゃったんですか。

No.1:心霊や怪談話と言えば、やっぱり稲川淳二さんが第一人者じゃないですか。だから稲川さんのDVDを全部借りてきてひとりで見たりはしました。ただ、そうすると喋り方も稲川さんを意識しちゃうし、それは稲川さんだからこそ怖さを感じるのであって、まずは自分たちの味を出すことが先決でしたね。同じ女性で怖い話をする方もまだ余りいらっしゃらないので、その分野を自分たちが確立していけたらと考えてます。

──本作には心霊話以外にも冒頭に「FIGHTING DESTRUCTION」というオープニング・テーマと「終わらない世界」というエンディング・テーマが収録されていますね。後者はおふたりが作詞を手掛けて2号さんが唄う楽曲ですが、単体でも充分に成立するメロディアスなナンバーで驚きました。

No.1:2号は大学でミュージカルを専攻していて、私たちの通ってる大学で一番歌が巧いと言われてるんです。

──話し声とのギャップが大きいですよね。とても伸びやかで艶のある歌声で。

No.2:今まではそういうふうには唄えなかったんですけど、大学に入ってきちんとした声楽を学ぶようになって発声が良くなってきたんですよ。歌になると生き生きしてるってよく言われます(笑)。

──今後、1号さんが唄うようなことは?

No.1:いずれは挑戦してみたいですけど、今回は2号と詞を共作する形に留まりました。「終わらない世界」のテーマは"無償の愛"なんです。人類愛みたいな感じですね。GW中はずっと一緒に作詞してたんですよ。恋愛も"無償の愛"だと思うし、自分たちの恋愛話を交えて作詞していきました。お互いに初めての経験だったので苦戦しましたけど。

──本作に収録された話で言えば、メス犬が主人公の「チャッピー」は"無償の愛"がテーマのように感じましたが。

No.2:そうですね。ちょっとハート・ウォーミングな話だし、このCDの中では異色かもしれません。

No.1:怖い話がほとんどなんですが、その中でも1話くらい感動できる話を織り交ぜたほうが聞くほうの緊張もほぐれると思うんです。「チャッピー」みたいに、怖いだけじゃないちょっと不思議な話も今後はやっていきたいんですよ。

──この『私の心霊体験』は、今後続々とシリーズ化されていくそうですね。

No.1:はい。そういう有り難い話を頂いてるんですが、このミステリー・ガールズというユニットを今後どこまで浸透させていけるかが大事なカギなので、これからは自分たちもいろんな場所で心霊話を広めたいと思ってるんですよ。

──7月には我がネイキッドロフトのイベントにも出演して頂きまして、ありがとうございました。

No.1:こちらこそ、その節は大変お世話になりました。あれが初めてのライブだったんですけど、お客さんの反応が温かくて、気持ち良く怖い話ができました(笑)。皆さん集中して聞いて頂けて、静まり返った空気の中で話すのがとても楽しくて。初ライブにして凄くいい勉強になりましたね。生で話すと生のお客さんの感触が伝わるので、自然と収録とは違った喋り方になるんですよ。今後はライブの回数を増やして、より多くの人たちに怖い話を聞いて頂けたらと思います。

──心霊話=夏のイメージがありますが、そういったことに囚われることなく?

No.1:そのイメージを覆していきたいですね。たとえばハート・ウォーミングな話を冬場にしてみたり、四季を織り込みつつ年中聞いて頂けるような心霊話にしたいんです。

霊も同じ人間だと思って接すればいい

──ちなみに、おふたりとも昔から霊感は強いほうなんですか。

No.1:いや、全くなかったはずなんですけど...。

No.2:私もです。

No.1:ただ、考えてみれば不思議な体験はちょくちょくありました。つい最近だと、大学の友達の家に4人で泊まってお鍋をしてたんですよ。その後にみんなでゲームをしてて、友達の1人がトイレに行ったんです。で、ジャーって水を流す音が聞こえて、その友達が帰ってきたんですね。そしたらその友達が「今日ここにいるのって4人だよね?」って言い出して。"何おかしなことを言ってるんだ?"って思って、「当たり前じゃん、4人だよ」って答えたら、「じゃあ、今トイレに入ってるの誰?」って言うんですよ。私たちには水を流す音が確かに聞こえたし、てっきりその友達がトイレに入ってたのかと思ったら、「私は入ってない。カギが掛かってるんだけど」って。

──エエッ!?

No.1:実際にトイレまで行ったら確かにカギが掛かってて、コインで回すと開くカギだったので開けてみたら、中には誰もいなかったんですよ。でも、ジャーって水を流す音はちゃんと聞こえたんです。

──......そのままこのCDの中に入ってもおかしくない話ですね。

No.1:確かに(笑)。その家はみんなで写真を撮った時に見ず知らずの男性の顔が写ったこともあったので、家自体に何かがあるのかもしれません。

No.2:私は1号みたいな経験をしたことが全くと言っていいほどないんですが、一度だけ、ひめゆりの塔の近くにある防空壕跡を訪れた日の夜に、ホテルの部屋で女性が立ってずっとこっちを眺めてるのを見ました。それくらいですね。

No.1:20歳までに一度でも霊を見ると、それから先は一生見るって言いますからね。

No.2:じゃあ、私もずっと見続けるのかもしれない(笑)。

──こうしたユニットを続けていると、霊のほうから寄ってくることもありそうな気がしますけど...。

No.1:ミステリー・ガールズを始めるにあたって、一番怖かったのはそこですね。スタッフの中に霊をよく見る方がいて、どういう気持ちでこのユニットに取り組めばいいのか相談したことがあるんですよ。その方によると、ふざけすぎると霊も怒るし、かと言って怖がりすぎると益々図に乗るらしいんです。「これも仕事だと思って割り切れ」とアドバイスを頂いたんですけど、余りに怖くて割り切るのも一苦労なんですよね(笑)。

No.2:だからいつも謙虚な気持ちで、真面目に取り組むことが大事なのかなと。

──この心霊トークは、おふたりにとって紛れもなく至上のエンターテイメントですよね。

No.2:はい、それは間違いなく。

No.1:決してふざけているわけじゃなく、真剣にやってますからね。喋りで情景を描写するのはとても難しいですけど、具体的な映像に囚われないぶん想像力が広がると思うんですよ。このエンターテイメントにはお手本がないし、自分たちが作っていける面白さがあるので凄くやり甲斐があるんです。ちょっとした工夫次第で、ただ怖い話にも親しみが持てるようになるんですよ。それに、心霊話="怖い"だけじゃなくて、怖くても結末が感動的な話はいっぱいありますからね。霊も元は人間だし、悪さをする霊はほとんどいないそうなんです。普通に生きてた人間なんだから、私たちと同じ人間だと思って接すればいいんだなと。そういうことを念頭に置いて聞いてもらえると、また違った聞き方ができると思いますよ。

──「夜更けのお爺さん」の話も、凄く人間くさくて心温まりますしね。

No.1:意外といい話が多いと思いますよ。人間的な話には私たちも感情移入しやすいんですよね。自分たちで取材をしたり、こうしてCDを録り終えて判ったのは、怖い話も一種のコミュニケーションになるっていうことなんです。

──民衆によって代々口承されてきた民話もコミュニケーションから生まれたものですもんね。

No.1:そうですね。このCDの怖い話を聞いて下さった方が、話のネタとしていろんな人たちに広めてもらうのはまさしくコミュニケーションの一環だと思いますし。その話を聞いた人が「他にもこういう話があるよ」っていう具合に連鎖が起こって、徐々に全国へと怖い話が浸透していけば面白いですね。

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