“カッコいい”の感覚に経験や知識は関係ない
──AIRRYさんはどういう音楽を聴いてたんですか?
AIRRY:若いときはレディオヘッドが大好きだったんですよ。あとはコートニーとか。私は世代的に90年代のほうを聴いてるかも。
TAKA5H1:まぁ80年代はピンと来ない世代だからね。
AIRRY:もちろんメンバーに比べたら知識も経験も少ないんだけど、カッコいいと思える感覚は変わらないんじゃないかと思ってて。こんなメンバーの中に未経験者が入ることにもちろんプレッシャーはあったんだけど、カッコよさを感じる部分は自分の感覚をすごく信じてる。だからやっていけるかなって。まだまだ未完成なんですけど(笑)。
──今回が初レコーディングだったんですよね?
AIRRY:前に一度やってるんですよ。岩川さんとTAKA5H1と。
TAKA5H1:前に僕のブランドで、毎年クラッシュのトリビュートを出してたんですよ。僕、前に岩川さんとバンドをやっていて、THE COLTSが出来た当初いたメンバーなんですけど、当時“東京○○”ってバンド名が流行ってて、僕らは“東京クラッシュ”って名前で大貫(憲章)さんの『LONDON NITE』とかによく出ていたんです。そんなことがあったから、ジョー・ストラマーが亡くなったときに、久しぶりにライブでもやろうかって話になったんです。それから毎年、年に1回追悼ライブをやるときに無料CDを配ることにしたんですよ。これで追悼ライブは最後だって年のCDでAIRRYに歌ってもらったんです。思えばそのときからこのからBARGUNDIEは始まってたんだよね。
AIRRY:バンドの由来、それじゃん(笑)!
TAKA5H1:そうだった。今思い出した(笑)。
──TAKA5H1さんが言うように、音楽カルチャーとファッションをリンクさせるには、メンバーが『P.SLIDER』の服を着て、どんどんライブをやっていくことがわかりやすいかなと思うんですけど、それは違うんですよね?
TAKA5H1:それもひとつの手なんですけど、押しつけがましくなっちゃうでしょ。バンドやってる人がブランドも始めましたっていうような。
──BARGUNDIEのライブを見に行くなら、『P.SLIDER』を着ていかなきゃ! ってなるのも違う?
TAKA5H1:うん。僕が作ったものを着ろとは思わなくて、ライブハウスにおしゃれして来てくれればいい。バンドの物販ってあるでしょ? あれって高くても3000円くらいが上限なんですよね。ライブハウスに来る時はそんなにお金持ってこないから。それだと作るものも限られてきて、ロゴが入ったTシャツ程度になってしまう。僕らの夢としては、ライブハウスとか映画館とかでステージをやっていて、その外に2階建てバスとか借りてブティックをやるの。ライブも見れて、洋服も買える。そういうこともやっていきたいなというのはある。もちろん突拍子もないことを考えてるのはわかってるんだけど(笑)。将来的にそれを考えてるから、ライブハウスをまわって、動員増やして、CDの売り上げが1万枚いったとしても、僕が行きたいところには結びつかない気がする。今、自分なりのやり方を試行錯誤してるところ。別に「俺ならできるぜ」ってえらそうなことを言いたいわけじゃないんですよ。ただ、こうなればいいなって夢を語ってるだけなんです(笑)。