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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】菊池"JONES"茂夫(2007年7月号)- ROCKER'S TATTOO

ROCKER'S TATTOO

2007.07.01

写真家・菊池茂夫の新たしい写真集が発売される。総勢43人のミュージシャンを撮りおろし。43人のミュージシャン。そのポートレートは、定点測でその人物の確固たる「個」を伝えていく。やはり日本屈指のロックを撮れる写真家・菊池茂夫。その菊池氏に、発売を記念して、改めて墨に対する想いをうかがった。

11_ap.jpg──刺青が入った写真家、と言えば菊池茂夫。というぐらいトレード・マークとなっていると思いますが、かなりの数ですよね。

菊池:もー、数を数えるのを忘れちゃったんだけど、40~50ぐらいじゃないかな。

──ここまでなるのにどのぐらいの年数がかかったでしょうか。

菊池:10年近くになるよ。「墨、入れたい」って、意識をしたのは90年代の頭ごろ。RIDERSを撮っていて、メンバーもローディも周辺もワンポイントのが多かったんだけど、みんな墨を入れていて滅茶苦茶かっこよかったんですよ。その時からだなぁ。
「一目でこれが俺なんだ!」って、墨を入れたいと思い始めた。けど、金がなかった(笑) しばらくして金も出来て、よし!と思ったんだけど、嫁に反対されてまただめでねぇ。親族とか色々制限あってさ。で、離婚することになって、入れられるようになった。そういえば、決まってすぐに彫り師に連絡してたねぇ……(笑) 墨を入れるというのは「俺は好きなように生きていいんだ」っていう象徴だったんだよね。年もその頃、30過ぎていたんで「もう入れ墨入ってるから仕事もらえません」とかってならないで、写真一本でやってけんだろう、写真一本でやるには他の仕事がもらえない身体になった方がいいだろう、と。今に至るんだけど、一番影響を受けたのはニューヨーク・ハードコアだねぇ。Sick Of It Allの撮影してた時にみた墨がかっこよくってさぁ。なんでこんなのを入れてんの!?っていうぐらい、何故入れるのかわからないものが入ってる!
って印象だった。例えばコミックのキャラクターが入っていたり。真剣に考えなくても入れたきゃいいんだ、自分の身体なんだしって。最初から全部入れるつもりで、ワンポイントを入れたの。いっちばん最初にはくだらないものを入れようと思って。『スターシップ・トゥルーパーズ』に登場するロゴ・マークを入れた(笑)

──といいつつ、腕には一番大事なカメラの墨が

菊池:うん、これね。もうだいぶ経ったなぁ。時間が経ったものもまたいいんだよね。入れたてのって、黒いじゃない。それがグレーになっていったりさ。その入れた毎の歴史が自分の皮に残っていく、っていう感覚も好きなんだよね。人それぞれ考え方があるけど、俺はそう思ったりする。

──この写真集はその人のポートレートですが、また別の機会に撮ったら別の空気が出ているかもしれないと。

菊池:また撮りたいね。そうしたら、肌になじんでいった風合いもでるだろうし、また新しい墨が増えてたり、その変化もカメラを通してみていってみたいよ。

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