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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】FRONTIER BACKYARD(2006年6月号)- BASIS──開拓者達の探究心と欲求が満たされた快楽の傑作

BASIS──開拓者達の探究心と欲求が満たされた快楽の傑作

2006.06.01

ライヴはデッカい飲み会です(笑)

──以前に比べてライヴの本数が増えましたけど、何か変化があったんですか?

TGMX:やってしまえば楽しいんですよ。ただ、やる前は緊張しているというか、ライヴが苦手なんですね。バンドやってる側としては曲作りが1番に来て、レコーディングが2番目で…ライヴは結構順序の下に来る感じなんです。でも、ライヴがいいバンドだと思わせる自信は意外とあるんですよ。それほど得意じゃないぶん、ヘンなライヴができるというか。先日のシェルター(4月23日)とかも……。

──ああ、観てました(笑)。[註:アンコールで突然ステージ上の電源が落ちて演奏できなくなるも、演奏可能な楽器と声だけで客席を盛り上げた]

TGMX:ああいった時の自分達は強いな、って(笑)。ああいうことになるとノッてくるっていうか。ちゃんとセットリストを組んでカチッとしたライヴも大切なんでしょうけど、そうじゃない時もないと。

──逆に余りカチッとせずに、途中で曲を変えたりとかもアリとか? メンバー1人を驚かせたりとか。

TGMX:そうですね。逆にそれができるくらいみんな巧いんですよ。例えば、急に閃きで“こうしたい”っていうのがあれば、何となくみんな汲み取ってくれるんです。そういうフレキシブルな感じがみんな凄く好きなんですね。DJでも、盛り上がってなかったらその場で曲を変えるじゃないですか? だからライヴでもごく当たり前のことじゃないですかね。

KENZI:俺は余りライヴって意識すると緊張するんで、“デッカい飲み会”って考えてますけどね(笑)。

──フロンティアのライヴは自由度が高いというか、同じレーベルメイトやお客さんをステージにガンガン上げたり、みんなでワイワイ騒いでる感じがありますよね。

TGMX:そうですね。そういうのが一番楽しいんじゃないかな、と。極論を言えば、お客さんの中に自分達より歌もギターもドラムも巧い人がいるんじゃないかと思ってますから(笑)。あと、僕は昔から歌で役割が変わってないけど、KENZIがライヴで緊張するのは、SCAFULL KINGの時よりもフロントマン的な要素が増えたからだと思うんですよ。魅せなきゃいけない! っていう。

KENZI:SCAFULL KINGの時は、フロントが凄いパンチのある人ばかりだったから(笑)。お客さんから「つまんねぇ!」とか言われたら、「じゃお前がやれよ!」って今は思うようにしてますね(笑)。

──自主企画の『NEO CLASSICAL』なんですけど、凄くいいタイトルだと思うんですよね。“古き良きもの、新しきを知る”みたいな感じで。毎回ゲスト・バンドを誘う基準というのは?

TGMX:単純に好きなバンドを呼んでるだけですよ。一緒に活動してみたいな、っていう。今は“コレ!”っていうデッカいシーンがないと思ってて、だったら自分達で小さいながらもそういうシーンを作ってみたいな、と。あと、良い意味でのライバル的なバンドも必要だし。だから、こっちがちょっと羨ましいと思ってるくらいのバンドとやるようにはしてますね。

──対バンすることによって、自分達に反映される部分もあるでしょうしね。

TGMX:それによって自分達とは何か? っていうのが判ることもあるし、真似できない部分もあったりで。まぁ、実際それほど深くは考えてないですけど、そんな感じで進めていきたいとは思ってます。

──まだこのアルバムの曲は全部は披露されてないみたいですけど、今度のレコ発ではやられるんですか?

TGMX:そうですね。どんどんやろうかな、と。今までも作ってる最中の新曲をライヴでちょくちょくやったりしてたんですよ。自分達にとってもフレッシュでいいんですよね。ドキドキもしますけど。

──お客さんの反応とか?

TGMX:それもありますけど、単純にやってるだけで楽しいんですよ。同じ曲ばかりをライヴでずっとやってると、やっぱりカンフル剤が欲しくなりますしね。

──逆に1stの曲をアレンジ変えてみたりとか?

TGMX:今後はそれもやっていきたいですね。あとはやっぱり、若いお客さんにも聴いて欲しいと思ってて。と同時に僕達よりも年齢が上の人達に認められたら凄く嬉しいですし。有り難いことに、“なんでフロンティアを聴くようになったの!?”っていう中学生のファンも今はいてくれたりするんです。彼らはもちろんSCAFULL KINGなんて知らないわけですよ。1stを出した頃はスキャフルと違ったことやろうって感じでやってたんで、若い人達にも是非聴いて欲しいと思いますね。

──若いお客さんは、レーベルナイトである『Niw! Collection』とかで知る機会もありますしね。

TGMX:僕らの近い存在で言うと、riddim saunterとかは僕達から見ても恰好いいバンドですし、ファッションとかライフスタイルからも“若者っぽいな”って思うんですけど、そういう繋がりは大切にしたいですね。まぁ、『Niw! Collection』は極端に言えば宴会みたいな感じなので(笑)、楽しければいいと思ってますね。

今後の展望~『Backyard Sessions #002』に向けて

──MASTER LOWのバック・バンドでやられる時とフロンティアでは、やはり気持ちの面では違いますよね。

TGMX:そうですね。あれはあくまでLOW-IQ-01のプロジェクトだし、全然意味が違ってきますよね。僕なんか楽器も違いますしね。それはCUBISMO GRAFFICO FIVEに関しても同じですね。全くの別物ですよ。

──CUBISMO GRAFFICO FIVEもリリースが控えているみたいですし、そのツアーもあるでしょうし、TGMXさんは相当忙しくなるんじゃないですか?

TGMX:そうですねぇ。でも、MASTER LOWもCUBISMO GRAFFICO FIVEもやってて楽しいですし、また違った角度でバンドっていうものを見られるから、ためになると思いますね。

──KENZIさんとTDCさんは、MASTER LOW以外で何かに参加されたりとかは?

TDC:特にはないですけど、スタジオ・ワークとかちょっとしたりとか。誘われたらやりたいですね。誘って下さい(笑)。

KENZI:普段触れられないバンド…例えばジャズとか、そういうところのサポートとかはやってみたいと思うんですけどね。そういうところで修行したいな、って感じですね。ソロ・アルバムは機会があれば作りたいですけど、今はフロンティアのモードだからないですね。フロンティアはPVを結構作られてますよね?

TGMX:映像とかも好きなんですよ。

──PV限定のDVDを作ったりとかしたら、それも『Backyard Sessions』になりますよね。

TGMX:もちろん、いずれはやりたいですね。予算的にクリアになれば(笑)。

──リミックス・アルバムとかは考えてませんか?

TGMX:今のところはないですね。ひとつひとつしっかりやっていきたいんで。“こういうのをやりたいな”っていう初期衝動みたいなものはスキャフルの時に一通りやったつもりなので、フロンティアに関しては焦らずにちゃんと段階を踏んでやっていきたいんですよ。

KENZI:9曲目(「Flower of Shanidar」)のPVは人材を公募したんですよね。ライヴなんかをやってると、俺達よりもっと凄い奴がいるんじゃないかと思ってて、実際「一緒にやりたい」っていうメールとかも来たりして。

TGMX:対バンとかもそうですけど、やりたいって言うなら僕ら30代のオジサンだけどやりますよ、っていうスタンスは持ってますね。もちろん音は聴いたりしますけど。だから、いろんなことをみんなで作り上げていきたいんですよ。実現するかどうかはひとまず置いておいて。でも、極論を言えば僕達はステージ上からいなくなっちゃうので(笑)、プロデュースだけでいいのかな? と思ってますけどね。

──コピー・バンド募集なんていうのは?

TGMX:いやぁ、フロンティアはコピーできないですよ。これだけは自信ありますね。だって、自分達ですらできないんですから(笑)。毎回ライヴでも違いますからね。だから最終的にはステージ上に僕達がいないとか、SEが流れてきたら全然違う人達が登場するとか、そういうのもバカげてて面白いかな、って。常日頃そんなことばっかり考えています。

──フロンティアは常に前進してるって感じですね。

TGMX:知恵を働かせないと。スター性がないバンドなんで(笑)。

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