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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】OGRE YOU ASSHOLE(2006年1月号)- 松本発名古屋経由US行き! 余りにスリリングかつオルタナティヴな感性で鳴らされる新世代型ギター・サウンド!

松本発名古屋経由US行き!余りにスリリングかつオルタナティヴな感性で鳴らされる新世代型ギター・サウンド!

2006.01.01

目指すのは自分達の気持ちいい絡み

──最初どうだったの。この3人に「こうやれ」って注文されて。「何言ってんの」っていうのはなかった?

勝浦:いやいや。でも最初やたら「ドラムで転換つけろ」って言われて。アラタ君がそういうタイプだったから。ギターもベースもそんなに変わらなくて、ドラムがきっかけになって転換するみたいな。凄くアラタ君との曲がそう作ってあって。僕はCANみたいな繰り返す感じのが好きだから、難しくて。

──実際ドラマーが変わると、かなり全体の雰囲気が変わると思うんだけどどうでした?

馬淵:最初は難しかった、なかなか曲が出来なくて。最近またポンポン出てくるんだけど。

出戸:1年経って、ようやくお互い判り合えてきて。

──曲作りっていうのは、みんなでスタジオ入って作るの?

出戸:そうですね、セッションから作り上げていく感じ。

──じゃあ詞が完全に後?

出戸:詞は完全に後。

──で、このメンツで2004年の夏から再始動して。アルバムを録り始めたのはいつになるんだっけ?

出戸:今年(2005年)の3月ですね。2週間でミックスまで一気に。

馬淵:で、マスタリングが半年後。

──録ってから1年近く経ったんだけど、今自分で聴いてどう?

出戸:「いいな」って思う時もあるし、「もっとこうしたかったな」って思うこともあります。

馬淵:音はやっぱり「もっとこうしたかった」って思うところは山ほどあります。

──具体的に足りないと思うのは、音質的な部分やサウンド面でひねりを加えたかったってこと?

出戸:うーん、うん。

──ただ、このアルバムに関しては、シンプルでいいよ、って考え方もあると思うんだよね。デビュー作で気張って作り込んで、後にはもう何もありません、っていうよりも。

出戸:ああ…。

──プレーンな状態で出したから、これを聴いてこれからライヴを観る人は楽しいと思うよ。よくある「ライヴを観て良かったけど、CD聴いてこりゃダメだ」っていうのでもないし。

出戸:あ、そうですか。

平出:良かった。

──だから、狙ってあの音にしたのかな? とも思ってたんだけど。

馬淵:まだ狙うっていうレベルまでは行けてなかったですね。

出戸:でも派手な、と言うか如何にもメジャーっぽい音っていうのは避けたくて、それを優先したっていうのはあります。

──次に音源を作るとしたらどういう路線で行きたい? 例えば、音を増やす方向とかもあるけど。

勝浦:音数は少なくして行きたいですね。

──オウガは結構ギター・バンドじゃない、リズムがしっかり土台作った上をギター2本が絡んでっていうアンサンブル重視の。だから音数を増やすと逆にブレる可能性はある。

馬淵:それは…やっぱりストレートに行きたいです。

──ハードコアな感じに(笑)。

一同:(笑)

──ハードコアといっても、フガジじゃないけど芯をブラさずに音楽的に成長していくっていうハードコアさもあるしね。

一同:なるほど。

──ギターが2本入ってると音圧を増す方向で行きがちじゃない? 前面にギターが出て塗り潰していくという。オウガのアプローチはそれとは違うけど、それは意図的なものなの?

出戸:最後にグシャってなっちゃうけど、まぁ…下手だから。

──いやいや。でもミックスでそういう感じを押し出したい、ってバンドもいるじゃない?

馬淵:あんまり音がグシャってなってるのは好きじゃないんです、何やってるか判らないとかは。

出戸:ギターが塗り潰すような音はあんまり…。

──じゃあ、自分達自身ではオウガの音楽で何を一番見せたいと考えてますか?

出戸:やっぱり俺は、ギターの絡みとベースラインとドラムの絡みと。まぁ、楽曲の絡みかな?

馬淵:ベースラインとドラムで土台が出来ていて、かっこいいって思った曲は大体かっこいい曲に仕上がるよね、やっぱり。

──てことは、純粋に音楽の絡み?

出戸:自分達の気持ちいい絡み。

──そこを目指したい?

出戸:うん…そうですね。

──新曲はもうあるんだっけ?

馬淵:あります。出来上がってるのは5曲ほど。

出戸:ライヴでやってない曲も合わせれば、アルバムも作れるくらいの数はあります。

──新ラインナップで作った曲なの?

出戸:全部そう、新ラインナップで。

──じゃあ、新ラインナップの新曲もあり…。

出戸:そうですね。今日(12月16日)レコ発なのに、ライヴでやる曲はアルバムの曲と新曲、半々なんですよね。

──では最後に定番っぽく。フェイヴァリット・アルバム3枚もしくはアーティストを3組挙げて下さい。

馬淵:モデスト・マウスの『The Lonesome Crowded West』、メイク・アップの『Save Yourself』。あとテレヴイジョンの『マーキームーン』。あのギターは凄い。

出戸:モデスト・マウスの1stと、一昨日買ったデヴェンドラ・バンハートの『Oh Me Oh My...』。凄い良かった。あと、スティヴン・マルクマスの一番新しいやつ(『フェイス・ザ・トゥルース』)。

平出:俺はナンバーガールの『シブヤROCK TRANSFORMED状態』。最近はパニックスマイル。もう一つは……。あっそうだ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン。1st派ですね。

勝浦:クラフトワークとレイハラカミと何だろ、もう一つ…。

──メタルは誰も通ってないの?

馬淵:聴いたことないですね。

勝浦:僕は中学の時にメガデスとか。

──じゃあ勝浦君がもう一つ好きなのはメガデスってことでまとめておきますよ。

一同:ええっ!!!(爆笑)

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