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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】Lagwagon(2004年12月号)- USメロディック・パンク・シーンの雄、待望の再来日!!

USメロディック・パンク・シーンの雄、待望の再来日!!

2004.12.01

90年代初頭から活動を続け、NOFXのファット・マイクが主宰するFat Wreck Chordsに最も早い時期から所属するバンドとして知られるLagwagon。ハードコア・パンクをベースに極上のメロディ・ラインをのっけた彼らのサウンドは、いわゆるメロコアとかメロディック・パンクと称されるジャンルがブームになったり落ち着いたり一般 化したりといった周囲の状況の変化に左右されることなく普遍的な魅力を放ち続け、世代を超えた新旧パンク・ファンから支持され続けている。
 2003年には、傑作『Let's Talk About Feelings』以来およそ5年ぶりとなる最新作『BLAZE』をリリースして健在ぶりを示した彼らだが、その長らく待ち望まれた再来日公演がいよいよ決定! レーベルメイトであるthe MAD CADDIES、ONLY CRIMEを帯同し、公演によってはKen YokoyamaやHAWAIIAN6も参加する今回のジャパン・ツアー、盛り上がらないほうがウソと言うものだろう。
 ドラムのデイヴから、来日に向けての意気込みを中心に語ってもらいました。(text:鈴木喜之)

日本に戻ってくるのを楽しみにしてるよ!

──いきなり音楽と関係ない話で恐縮なのですが、差し支えなければ、まず今回のアメリカ大統領選挙の結果 についての見解を聞かせて下さい。
 
デイヴ:今回のアメリカ合衆国大統領選は、かなり残念な結果だった。オレ達は、全員ケリーに投票したんだ。彼(ケリー)には、絶対的にチャンスがあったはずなのに、ブッシュやブッシュ陣営による裏工作があったとしか思えないよ」
 
──昨年リリースされた5年ぶりとなる新作『BLAZE』は、待たされた甲斐のある傑作だったと思います。新鮮さを失わず、より良い曲を書くために、どのような工夫や努力をしていますか? ふだん曲を作るにあたっては、どのような物事からインスピレーションを得ているのでしょう?
 
デイヴ:オレ達の制作過程は、すべて全員参加で行なっているんだ。インスピレーションは日常の周りの出来事から得ているよ。この国(アメリカ)の異常気象や空気汚染の問題なんかを取り上げている曲もあるよ。オレ達は、ただ、自分たちの周りに起こる出来事を音楽に任せてるんだ」
 
──あなた方がこれだけ長きに渡って、変わらずに活動を続けてこれたのは何故だと思いますか?
 
デイヴ:何でだろうなぁ…。特に理由はないけど、あまりお互いを干渉し過ぎないことがいいんじゃないかな」
 
──今後の活動について、どんな風に続けていきたいと考えていますか? 思い描いているヴィジョンや目標などがあれば教えて下さい。
 
デイヴ:特に将来のプランは無いね。でも、一日一日の現実にきちんと向き合っていきたいと思うよ」
 
──久々に来日公演が実現する運びとなったわけですが、どんなショウをぶちかましてくれるのでしょうか?
 
デイヴ:それは教えられないよ。だからみんなはオレ達のライヴを楽しみにただ待っててくれ」
 
──あなた方のライヴを待ち焦がれていた日本のファンにメッセージをお願いします。
 
デイヴ:日本に戻ってくるのを楽しみにしてるよ。準備は出来てる。もし良かったらオレ達のウェブサイト(Lagwagon.com)にリクエストしたい曲を送ってみてくれ。日本に行ったら、それらもプレイするから!」
 

The Biography of Lagwagon 1990~2004 トップ街道をひた走るLagwagonの軌跡

Lagwagon are Vocal : Joey Cape / Guitar : Chris Flippin / Guitar : Chris Rest / Drums : Dave Rann / Bass : Jesse Buglione
 
サンタバーバラの誇りであり喜びでもあるLagwagonは1990年に結成された。彼らの持ち味であるキャッチーなパンク・スタイルは、ポップとハードコアの感染的なブレンドであり、その歌詞はまた個人的な政治観を取り込んでもいる。彼らのソリッドな音楽性に惹かれたファンは世界中に存在する。
 
ミリオンを越すアルバム・セールスにより(しかもインディーで!)、今となってはLagwagonの素晴らしさを否定できるものはない。彼らのマスターピースとなっているアルバム『BLAZE』を聴けば、それが確かな証拠であることが判るだろう。
 
LagwagonはFat Wreck Chordsのオリジナル・バンドであり、1992年にリリースされた彼らのファースト・アルバム『DUH』以来Fat Wreck Chordsに所属している(それ以前に、彼らは「Angry Days」という限定版の7インチ・レコードをFat Wreck Chordsからリリースしているが、これもすぐに売り切れとなっていた)。『TRASHED』は、評判の高かった『DUH』のリリース後すぐに彼らのセカンド・アルバムとしてリリースされた。その後、彼らにとっての代表作となる『HOSS』が出され、それによりLagwagonはそれまで以上の人気を得たと同時に、このアルバムがサウスカリフォルニア・スケートパンクサウンドを定義づけるものとなり、ポップ・パンクというジャンル全体に影響を与えることとなった。
 
Rich Kidson LSDのドラマーであったデイヴとPosiesのギタリストKen Stingfellowを加え、次に出た『DUBLE PLAIDINUM』は彼らの新たなスマッシュ・ヒットとなり、このアルバムをひっさげバンドは98年夏にFat Wreck Chordsからの5枚目のリリースとなる新しいアルバム『Let's Talk About Feelings』の製作のためにスタジオ入りするまで、再びツアーに集中する。『Let's~』のリリース後には、バンドは日本を始めUSそしてヨーロッパ・ツアーを決行。その後、幸運にもLagwagonの2枚目の7インチ「A Feedbag of Truckstop」をリリースすることができ、これにはJawbreakerの「Want」のカヴァーが収録された。
 
2002年はLagwagonにとっては特に忙しい一年となった。彼らのレアな未発表曲とデモ曲ばかり集めた『Let's Talk About Leftovers』をリリースし、アルバム・リリースばかりでなく南米ツアーも成し遂げ、さらに“Vans Warped Tour 2002”のメインステージのヘッドライナーも全ての日程でこなしたのである。それまでに聴くことのなかった曲ばかり25曲も収録されたそのアルバムは、それまでのLagwagonのキャリアを物語るドキュメンタリー的な代表作品となった。
 
2003年はLagwagonの活動において、ロック界へのカムバックともなる最も注目すべき年となった。2003年4月8日には新作『BLAZE』が発売となり、多くのパンク・キッズ達が待ち焦がれていた5年ぶりのフル・アルバムとなったのである。『BLAZE』は多数のビデオもフィーチャーしており、またそこでしか聴くことのできないシークレット・サイトへのアクセスも提供するCDとして注目を集めた。Lagwagonは、このアルバム・ツアーとして世界中を周ることを確信しているし、彼らの持ち味を生かしたアグレッシヴなショウを誰の住む街でも体験できることを是非期待して欲しい。Fat Wreck Chordsの代表的バンドである彼らは、間違いなくこのトップ街道をひた走るだろう。
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