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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】つばき(2004年7月号)- 1曲、1曲に今ある力を出しきった瑞々しい初のフル・アルバム

1曲、1曲に今ある力を出しきった瑞々しい初のフル・アルバム

2004.07.01

 つばきが待望の1stフル・アルバム『あの日の空に踵を鳴らせ』を遂にリリースさせる。今作のような作品を生んだせいだろうか...、メンバーの顔つきや心境を察して自分達に自信があるように思えた。こうした若い子達が懸命に、自分の好きなことをしている姿は本当に惹かれるものがある。そして、この機会につばきの3人にお話を伺えたことを幸運に思う。(interview:hiroko higuchi*)

生活と密着した等身大でリアルな歌

──まずは自己紹介がてら最近の近況などを教えて下さい。
 
一色徳保:どうも、はじめまして。ヴォーカルとギターの一色と申します。最近はアルバムも完成したということで、ライヴに向けてリハをしつつ、もう新曲に向けて活動しております。
 
──えっ? もうですか?
 
一色:作り終ったらまた作るという…
 
──曲ってすぐに生まれるものなんですか?
 
一色:生まれないんですけど…(苦笑)。
 
──それにしても早いなぁ…。あんな大作(新作「あの日の空に踵を鳴らせ」)を作った後なのに。ではお次、お願いします。
 
岡本奈穂子:ドラムの岡本奈穂子です。最近、自転車が盗まれて凄く困っていたんですけど、新しいのを購入した途端に家のすぐ近所で発見されました(笑)。
 
──何だか切ないですね…(笑)。
 
岡本:凄くブルーでした…。家の凄く近所で見つかったんで。
 
──ではお次、お願いします。
 
小川博永:ベースの小川です。最近まで風邪を引いていました。
 
──季節はずれの風邪ですねぇ…。
 
小川:もう直ったんですけどね。
 
──早速、新作『あの日の空に踵を鳴らせ』についていろいろとお話を聞かせて頂きたいのですが…。この作品はいつ頃から作られた作品なのですか?
 
一色:録音した時期は全てバラバラなんですよ。古い曲だと昨年の6月くらいから録っていますよ。
 
──この新作12曲は去年のうちに全て録られていたんですか?
 
一色:この中の数曲は今年にまたがって録っていましたよ。
 
──今回の作品は、凄く聴き応えのある作品なので正直びっくりしました。全曲一色さんが作詞・作曲を手掛けているのですが、実体験を元に曲を書かれていたりするんですか?
 
一色:実体験を元に書くのと、僕が思ったことを広げて書いたりとかね。
 
──歌詞を読んでいたら、勝手に何か親近感が湧いちゃいました(笑)。同じ悩めるいち人間なんだなぁってね。あとは、いろいろと積み重ねてきたことがこうしたサウンドになったのかなぁと思うと感慨深かったです。
 
一色:やっぱりたくさんライヴをしてきて。いろんなバンドさんと共演することによって学んだこともたくさんあるし。
 
──あと、この新作を聴くとライヴを観てみたいなぁ! という衝動に駆られるんですよね。
 
一色:本当ですか? 嬉しいですね。
 
──このアルバムに収録されている12曲の解説をお願いしたいのですが、最初の1曲目〈踵〉は“これから始まるぞ…”みたいなワクワク感というか、ゾクゾクするような感じを受けました。
 
一色:自分達にとっても初めてのフル・アルバムだし、“始まる!”という感じがあっても良いかなぁって。でも、このアルバムに収録されている曲の中では一番最後に出来た曲なんですけどね。
 
──1曲目〈踵〉から2曲目〈青〉へはさりげなく入っていきますよね。
 
一色:さりげなく入っていきますよね、ギターが。
 
──〈青〉はシングルにもなった曲ですが、特にいじらず収録されたんですか?
 
一色:いじっていないですね。〈青〉はタイトルが“青”なだけに、若い感じを出した曲です。
 
──〈青〉を聴くと、つばきのライヴを思い出してしまうんですよね。つばきの代表曲みたいな感じですよね。
 
一色:今はそうなっていますね。ほとんどのライヴで演奏していますからね。
 
──3曲目〈雨音〉は?
 
一色:実は〈雨音〉はかなり古い曲なんですよ。今のメンバーになって、ちょっと経ってから出来た曲なんです。
 
──個人的には4曲目〈夜風に乗せて〉が好きなんです。ドライヴに合いそうな曲だなぁと思いました(笑)。
 
一色:押し曲ですね。4曲目はどうやらクッション的な存在の曲なんですよね。軽い感じの曲で、そんなこんなもいいじゃない? みたいな」
 
──この曲でつばきの新たな一面が垣間見られた気がしました。
 
一色:内にこもった自分だけじゃなく、あか抜けた自分も良いのかなぁって。そういった自分もないわけじゃないから。
 
──私の中で勝手なイメージがあって…。一色さんは曲を作る時、部屋を暗くして閉じこもって書くイメージがあっただけに、余計に響きました(笑)。
 
一色:別にそれははずれでもないんですけどね(笑)。曲を書く時だけではなく、通 常も部屋は暗いんですよ(笑)。
 
──5曲目〈アセロラ〉は?
 
一色:“ポジティヴに前向きに行こうよ!”的な、最近出来た曲なんですよ。
 
──今までのつばきの曲を聴くと、判りやすく前向きな歌はないですよね。でも、決して暗いことを歌っているわけでもなくて…。
 
一色:とりあえず今の気分を判りやすく書いた曲ですね。
 
──1曲、1曲の歌詞を読んでいると、誰かの生活の一部分を覗いているというか…生活と密着している感じを受けるんですよね。等身大というか、リアルだなぁって。では、6曲目〈新しい世界〉は?
 
一色:もうタイトルのまんまで、“新しい世界へ飛び出そう!”的な曲なんです。
 
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