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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】デキシード・ザ・エモンズ (2003年10月号) - ライブはエンターテイメント

ライブはエンターテイメント

2003.10.01

ライブはエンターテイメント

──プーヤンさん正式加入というところから伺っていきたいのですが。プーヤンさん が加入されたのはいつ頃なんですか?

アベ:ツアーが7月に終わったんですけど、このアルバム (「BAKED AND QUESTION」)を出してツアーをするために、プーヤンをって感じですね。

──プーヤンさんはどのような感じでデキシーに加入されたんですか?

プーヤン:どういえばいいんですかね?オーディションを受けたんですよ。

アベ:そうなんです、何人か来てもらったんですけど。でも、元々は(プーヤンと は)知り合いで。うちの近所に住んでいて、音楽というよりご飯を食べる友達だった んですよ。この人、音楽というより食い物の方が好きなんですよ。

プーヤン:そ、そんなことないですよ(笑)。

アベ:音楽は好きじゃないんだけど、技術があるっていう。

プーヤン:そんなこと言ったらそのまま載っちゃうじゃないですかぁ。

──載ります、載ります(笑)。

アベ:それでいつも飯を一緒に食っていたんだけど、その中で「今、オーディション やってるんだけど、プーヤンも来たら?」という感じで。俺がソロでライブをすると きはベースをやってもらってたんですよ。だからどのくらいできるっていうのは分 かっていたので、だったら試しにやってみようよって。

──それで正式加入になったわけですね。で、既にツアーで26ヶ所周っているんで すが、一緒に周られた感じはお互いどうでしたか?

アベ:すごいやり易いですね。

プーヤン:あ、もう最高でした。

アベ:食い物が。

プーヤン:いやいやいや、そんな(笑)。あの、デキシー最高でした。

──あはは。プーヤンさんはツアー自体初めてだったんですか?

プーヤン:初めてです。

アベ:でも何の問題もなく。デキシード・ザ・エモンズ入って練習2回で、いきなり ツアーでしたからね。

──まじっすか?!

プーヤン:まじなんですよ、それが。

アベ:で、曲をいっぱい覚えてもらって。ま、練習しないでも技術が高いので。最初 のうちはガタガタしてたけど、やっぱりこれだけ一気に周るとこっちもやり易くて。

プーヤン:ありがとうございます。

──今日ハチマさんは欠席ですが、ハチマさんはプーヤンさんに対してはどうなんで すか?

アベ:いや、別に問題ないんじゃないですか?すごくライブがやりやすいって言って ました。

──ドラムとベースですからね。

アベ:リズムがちゃんとしているんですよ。だからはっつぁんは意外と自由に出来 るって言ってましたね。自分がやらなくてはというプレッシャーがあんまりなく、楽 しんで出来るって。

──ちなみにプーヤンさんからみたハチマさんはどうですか?

プーヤン:やっぱすごい人だと思いますね。アベさんもそうなんですけど。やってて こっちが楽しめるんですよね、アベさんハチマさんを見ていると。だからこっちは逆 に安心して出来るというか。

──アベさん、ハチマさんはお互いソロ活動もされているわけなんですけど、それと デキシーが並行しているというのは何の問題も?

アベ:いや、問題ありますよね。スケジュールということでは問題あるけど、それぞ れやったことはね、デキシード・ザ・エモンズのために今はなってると思うんです よ。1回そっちで何かを試みて、上手くいったらデキシード・ザ・エモンズでやるみ たいな。

──そういうこともあるんですね。それぞれが全くジャンルが違うんですが、デキ シーはデキシーの音があるのに、また別の引き出しっていうのがすごいですよね。

アベ:曲としてはあんまりためになっていないけど、ライブはやっぱりためになって いますね。ライブってエンターテイメントだと思うから。俺はロックが発展した歴史 もエンターテイメントの歴史だと思っているし。だからその勉強のためには他のこと もやらなきゃいけない。デキシード・ザ・エモンズだとキャリアも長いのであんまり 失敗は出来ないから、他のところでエンターテイメントの勉強したのを、発表すると いう。

──ちなみにアベさんのその髪形は、イメチェンですか?

アベ:いや、別に……ソトル・ソチャード(アベさんの別 バンド)のためにやったん ですよ。ツアーがあったんで、これだとリーゼントにし易いということもあって。

──じゃ、この髪型でライブには出られてないんですね。

アベ:いや、16日にレッドクロスでソロライブをやったんですけど、みんなこう目 が点な感じで。あそこステージのシャッターが上がっていくから。

プーヤン:お客さんはあんぐりですよ。

アベ:シャッターだからよかったんだよね。まぁシェルターの時はプーヤンもやってますから。

岡崎(マネージャー) :え?10月までそれですか?!

アベ:わかんない。岡崎はものすごい反対しているんですけど。

プーヤン:俺はもう見慣れちゃったんで、逆に尖っている感じが。

アベ:だから見慣れちゃうんですよ。でもシェルターの時には戻っているかもしれな いし、それこそ全部抜けてるかもしれないし。なにしろ1ヶ月の間に3回パーマをか けましたからね。

──その真相は10月のシェルターで解明されるんですね(笑)。で、そのシェル ター3daysが決まっているのですが、なぜ3daysを?

アベ:去年まで3年間、新宿JAMで7daysをやってて。訳あってJAMでの7daysはもう 辞めようと。プーヤンも入ったし、7daysはちょっと大変かなと思って。あと、シェ ルターでやりたいっていう。

──シェルターでのライブって久しぶりだったりします?

アベ:最近またやるようになったんですね。やりたいんだけど、なんとなく縁がな かったというか。下北だとQUEでやるイベントに誘われたりするので、QUEが多くなっ ちゃって。別にどっちが良くてどっちがヤダっていうんじゃないんですけど、なんと なく縁がなかったって感じですかね。

──大阪、京都、東京とライブが続くんですが、これは実質上7daysに近いのでは?

アベ:それはちょっと違いますね。7日連続っていうのはまるで違うものだったん で。曲も全部違くやっていたし。極端なことを言えば東京3日、大阪3日で要は3種 類の曲リストがあればそれでいいと言えばいいじゃないですか。まだ全くどうするか は考えてないですけど、7日だったらそういうわけにはいかないので、全然別 もので すね。

──実際3日連続っていうことも珍しいと思うんですよ。スケジュール見て驚きましたもん。

アベ:そうかもしれないですね。シェルターとか抜きにしても3日間やる人はいないですからね。でも、2日じゃ誰でも出来るし意味がない。やっぱり無謀感がないと。 (笑)。

──ライブって好き・嫌いで言うとどっちですか?

アベ:俺はライブがすごい苦手で。嫌いっていうと語弊があるから、苦手なんです ね。ライブをするなら完璧じゃないといやなので。そういうのって絶対出来た試しが ないんですよ。だから何があっても自分に対して不満はあるんですよ。自分が望むラ イブの形にならないというだけで、いいと思っているから来てくれているわけだし、 そんなひどいものやっているつもりはないからね。

──先ほどちらりとアベさんが、ライブはエンターテイメントだと思っているって言 われたんですが、それはデキシーのライブを何回見ても感じられる部分で。そこに惹 かれて行く人っていうのはすごく多いと思うんですよね。別にMCが面白いってだけで なく、ライブ全体の形っていう楽しさっていうのがすごく大きいと思うんですよ。

アベ:楽しんでもらおうと思ってやっているんですけどね。だから勉強中ですわ、ま だまだ。勉強が足りないと思うしかないですな。まぁ実際そうだし、まだ失敗もある しね。新しいことをやったり、こうするとこうなるのかっていうのもいっぱいあるか ら。

──それは、まだまだ見る人も楽しんでいけるということですね。

アベ:まだプーヤンのやれる余地というか、エンターテイメントっていうことにあん まり関心がなかったと思うんですよ。ライブはやっていたんですけど、ほんと何十個 も音を重ねたりする宅録の人たちなんで。

──プーヤンさんの幅でまたさらにデキシーの面 白さが出てくるわけですね。

プーヤン:そうですね、これから。

アベ:まぁでも天然だからね。いくらこっちが意識を高く持てとか言ってもムダなん ですけどね。

──意識を高く持てとか言われるんですか?

プーヤン:あの、しょっちゅう言われます。

アベ:あまりにやる気がない、あまりにも食い物のことばかり言うから。

──ほんとなんだ(笑)。

アベ:ほんとにほんとなんです、食い物のことばかり。

プーヤン:今まではそうでした。

アベ:そしてはっつぁんに怒られ、ツアー中怒られっぱなし。みんなに怒られっぱなし。

プーヤン:俺自身は怒られているとは思ってなくて、言ってくれてありがとうございますって感じなんですけどね。

アベ:助言を得ているつもりなんだよ、まぁ怒っているわけじゃないんですけどね。 お互い大人だから。注意してるんですよ(笑)。でもそれはどうかと思うよと。

プーヤン:言ってくれる人がいなかったんで。

アベ:まぁでも太っている人は得ですけどね。太っているっていうだけで、エンター テイメントだからね。

──では3日間に向けて一言お願いします。

アベ:無事に終わるといいな。怪我したりしないように頑張ります。

プーヤン:…………。

アベ:一生懸命じゃないから言葉がないんだよ。

プーヤン:いやいや違うんですけど。

アベ:一生懸命やりますと言えばいいのに。

プーヤン:一生懸命やります。

──そのまんまじゃないですか!?(笑)。

アベ:
この間もそうだったよね。同じ最後の一言で。

──いままで散々話してきたのに。

プーヤン:普段あんまり考えてないんで思いつかないんですよね。

アベ:考えてはいるんですよ、食い物のことを。

プーヤン:あ、そっか!一日きた人がまた次の日とかどんどん来たくなるぐらい楽し いライブにしたいです。最高のライブを。

アベ:そうだよね、義理で3日とかくるんじゃなくてね、良し悪しできてもらったらいいんですけどね。

プーヤン:それぐらいのパワーのあるライブをしたいと思います。がつんと。

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