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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】The Strikers(2003年5月号)- ワンマンって大体どのくらいやるんですかね?

ワンマンって大体どのくらいやるんですかね?

2003.05.01

ワンマンって大体どのくらいやるんですかね?

──ワンマンは別に初めてじゃないんですよね?

星野:
えっとですね、初めてなんですよ。

──あ、初めて。何故この時期にワンマンを、って突っ込んじゃいけないですか?

星野:いや。何でですかね?突っ込んじゃいけない訳でもないんですけど、突っ込んでも何もないっていう。何にもないんですよね。なんかやってみようかなって感じになったんですよね。突然、なったんだよな、しかも。

──なんでだろう(笑)、降ってきたとか?

星野:いや、なんか……ノリみたいな感じで、打ち上げの席で。

──それで!へ~かっこいいですね、姿勢が。

星野:姿勢は常にかっこいいですけどね。

──そんなことがありつつワンマンなんですよね。でも、シェルターでライブってそんなに頻繁にやってないですよね、なんでシェルターだったんですか?

星野:ライブハウスの知ってる店長というかブッキングマネージャーみたいな人いるじゃないですか。ああいう人たちの中で西村さんが一番好感を持てるというか。だから…だからって訳でもないのかな…。あと、ずっとシェルターさんと仲良くしていただいてきたような気がして、それで、シェルター ──っていうか他のところではやらないと思いますよ。

──ハコがあうとか?

星野:ハコが合うのかな?かといってシェルターでライブをすると絶対失敗するんですけどね、演奏的に(苦笑)。でも、なんだろう、あたたかいのかな?独特のものがありますよね、シェルターって。それがきっとみんな気に入っているんだと思うんですよ。それでいつもリキんでこう、上手くやらなきゃって思って、すべっちゃったりっていうのが連続ですよ。

──それがあってもシェルターなんですね(笑)。

星野:それでまたこうすべったりして(笑)。

──ストライカーズの中でライブに対するスタンスみたいなものはあるんですか?こういう方向でやっていきたいなとか。

星野:……そうだな…媚びない……なんていうんだろう、ライブは自分達のペースでやれればいいんです、多分。でも飲まれがちなんです、いろんなものに。その場の雰囲気だったりとか、その時の精神的なものだとか。なんか精神的なものの流れって小さい渦と大きい渦があるんですよ。その大きい渦に飲まれるとバンドが上がったり下がったりするんです。でも下がったりしちゃいけないからそういうのに左右されないで、ライブする時はコンスタントに自分達のペースで出来ればいいなぁと最近思っているわけなんですけど。……うまくいえてないな、俺。

──そんなことないですよ?でも、まぁ悩んで頂いても。

星野:……まぁでも悩んでもこんなもんですよ。

──いやいや(笑)。なんかそのサバサバ感というか、音を聴いていても、後味がさくっとしているような……スカッとするんだけど、でもちゃんと残していく感じっていうのがこのバンドにはあるなぁと思ったんですけど。それは?

星野:そうですね、きっと、ハンカチ落としで ──僕がお客さんだったとしてみるに結構わりと大多数のバンドさんたちはハンカチ落としのオニの時に、“落とすよ!落とすよ!”ってみんなを煽るわけですよ。で、 “ほら落とした、かっこいいだろう?”って感じで行くんですけど、僕がオニだとしたらですよ、自分の中の粋なスタイルで歩いていくわけですよ。でもそんなにアピールはしないから、気がつく人しか気が付かないんですけど。そして、ポンっと落とす訳なんですけど……そのハンカチがすごい輝きのあるハンカチなもんだから、オニは何気なく去って行っちゃったんだけど、後から“このハンカチすごいなぁ”って──だから“実はすごいな”っていうようなライブが出来ればいいなって……あー、これがすごい一番うまく言えました。分かるか分からないかは別 として。

──じゃ、このハンカチに見とれた時、オニにつかまったんだなってことですね。にしても、ハンカチ落としが例に出てくるとは思いませんでした(笑)。

星野:“落とすから見ろ!”じゃなくて、僕らは落とせればいいんです。ハンカチを落とすことがライブをやることと一緒で。ハンカチを落とすことは実際楽しいことじゃないけど、それは楽しいことと仮定して、ハンカチを落とすことがすごい好きなんですよ。でもそれを別 にすごい見てほしいとか、みんなに“落っとっせ!”って言ってほしいわけじゃなくて、ポイって落とせればいいんですよね。でも、落とせばみんな寄ってくるんじゃないの?って思いながらやっているわけですよ、ライブは。でもそれを押し付けがましくはしたくないっていう感じですね、きっと。

──分かりやすいような……面白いような(笑)。そうか、ライブはそういう感じなんですね。

星野:多分ですよ。あんまり狙いとかは考えてないですね。ただ、誇りを持ってやりたいなということは常々言っているんですよ、4人の中では。でも、見てる人の大体は“どこがお前らは誇りがあるんだ、そんな演奏をやって”っていう感じだと思うんですけど。でもまぁ自分達は自分達に対するそういうものを失っちゃいけないと思ってやっているわけですよね。みんなそうだと思うんですけど。

──いや、そういうのを言えるって素敵なことですよね。ちなみにメンバーはみんな同じ年くらいなんですか?

星野:えーっと(笑)、かつんといっている人もいればみたいな……でも本人はいっつも25歳って他のバンドの人たちには言っているんで。まぁ多分見れば分かると思うんですけどね(笑)。

──(写真参照)あぁ、なんとなくわかった気がします(笑)。基本的に曲を作っていらっしゃるのは、星野さんなんですか?

星野:そうですね、骨組みというか、曲のコードとメロディと歌詞を。肉付けをみんなでやるんですよ、スタジオで。でも、曲によってはAメロだけを持っていって、その後はみんなで編曲をしながら考えていくっていう曲もあったりはするんですけど。まぁ今のところは家でギター一本で作ったりとかですけど。

──あの、音作りがすごい面白いですよね、昨年リリースされたアルバム「kigakari」についてもそうなんですけど、なんか中国っぽい曲があったり。

星野:なんだろう、いろんなことをやろうかなと思ってるかも知れないですよね。っていうか“このジャンルが俺は好きでたまらないんだよね”みたいなのはないんですよ。みんな結構“好きなテイスト”みたいなのしかなくて。その好きなテイスト……なんていうか音楽の手触りみたいな、そういうのはいろんな音楽にあるんですけど、いろんなジャンルにもそれを感じるものがあって。例えばいいボサノバ、いいメタルっていうのは同じ引っかかりがあるんですよ。だから、いろんな感じになるのかな?……全然僕質問に答えてませんね?

──いや、微妙に答えてくれてます。

星野:あ、そうですか(笑)、大丈夫ですか。でもまぁ、音作りっていうとあれだな、なんていうんだろう。特に意識して変わった感じにしようかなっていうのはないわけですよ、僕らは。出てくるがまま。

──昨年リリースされたCDには9曲入っていて、今までカセットが2種類出てて、まぁ若干被っているのもあって……。

星野:っていうか、若干どころじゃないですよ、被り具合といったら、ええ。

──(笑)ええ。まぁ被ってたりしつつな訳なんですけどワンマンじゃないですか。もう、曲数とかはバッチリですか。

星野:……ワンマンって大体どれくらいやるんですかね?

──はいっ?!

星野:普通の人って。

──んー、人によりけりだとは思うんですけど、大体7時スタートであれば、本編が1時間30分、アンコールあって、全部で2時間くらいですよね。

星野:2時間か……あ、でも7時30分スタートだから1時間30分。いや、曲数は全然ありますよ。CDはまぁ全然一部で、もっといろんなテイストの曲もありますし。もたせるのが大変ですよね、なんていうかその、こう難しいですよね、1時間30分のライブっていうのは。

──どうなんですかね(笑)。一時間半、実際やるんですよね、ワンマンですものね……っていうか、ひとごと?

星野:いやいや(笑)、ちゃんとやりますけどね。いろいろ考えてはいるんですけど、まとまりませんね。でもこう、普通 の人のワンマンっつーのは曲が始まって、ちょっと長めにやるだけっていう感じなんですかね。

──まぁイベントとかだともっと見たいのに30分ですよね、でもそれがワンマンだと全部ストラーカーズの音だけで楽しめるって思ってお客さんは来ているわけですよね。

星野:そっかそっか……。どういう風にやったらいいんだろうな……。いや、僕ライブハウスでやっているようなワンマンライブっていうのはあんまり見たことなくて。エアロスミスとかボン・ジョビとかあるんですけど、必然的にワンマンじゃないですかあの人たちは。だからライブハウスの人はどうやってやっているかなって思って。見に行ってみるのも一つかなと思うんですけど。まぁでも面 白いものにしたいなとは思ってますけど、当たり前ですよね、そんなの(笑)。ええ、頑張ってやりますけどね。

──はい(笑)、なんかすっごい楽しみになりますね。今の会話で楽しさ数倍になりましたよ。多分。

星野:ほんとですか?そんなに売り込んだつもりはないんだけどな。

──いや、それがまさにハンカチ効果ですよ。あ、ハンカチ落とされた、気になる~!!っていうのが今のインタビューの間で、こうグッと増えました。

星野:それはもう、願ったり叶ったりですよね。あとはうまくやるだけですね、僕らは。頑張んないとな。

──いやいや、なんかいろんな話を聞けました。ありがとうございます。ほかに何か言い残したこととかありましたら、どうぞ。

星野:まぁ、あれですよね、ワンマンやります。って載せますよね?

──載せます!その話を聞いていたつもりだったんで(笑)。

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