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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】コンタクト(2003年4月号)- 僕たちのメロディ

僕たちのメロディ

2003.04.01

シーケンサーをかきならし、異様ともとれる独特のステージングを魅せる・・・それがコンタクト。そして遂に発売されたデビューアルバム『僕たちのメロディ』。ファーストアルバムにして、最高の出来となった今回の作品。このアルバムを引っさげて初のミニツアーも敢行されるということで、ボーカル清水さんにお話を伺った。(interview:やまだともこ)

僕たちのメロディ

──3月3日に『僕たちのメロディ』が発売されたのですが、初音源ということで何か実感とかわいてますか?

清水:ハイラインレコードでテープを100円で売ってた時はあったんですけど、CD自体は初めてだし、店に並んでるのを自分の目で見て、すごく実感がわきましたね。

──自分の中で変化とかはあったりしました?

清水:会場でCDを売ってる時その人の財布からお金が出てくるのを見ると、次も買ってもらえるだけのものを作っていかなきゃなと思いますね。気合い入りますよ!

──タイトルが『僕たちのメロディ』ですが。

清水:このタイトルはベースのスガハラさんが持ってきたんですけど、逆にどうですか? ぼくは好きですけど。

──タイトルだけ聞くとポップな感じがしましたけど、曲を聞くと全然イメージが違って面 白いと思いました。ではレコーディングはいつぐらいに行われたんですか?

清水:去年の10月の終わりぐらいですね。

──何日ぐらいかかりました?

清水:ミックスまで立ち会ったから10日ぐらいです。

──アルバムを作られているときはどんな感じでした?

清水:メンバーが変わったり、今まではメンバーとエンジニアさん以外の人がスタジオに入ってレコーディングをやるってのもなかったので、今回は全てのことが初めてだったんですよ。どういう曲がいいのかもわかんなかったから、ホント手探りで不安も多少ありましたけど新鮮な気持ちでやれましたね。

──全体的な聞き所は・・・?

清水:手探り感とかもがいてる感かな。実際、バンドを辞めようと思っていたところから再スタートした時には、年齢的にもけっこうギリギリかなっていう気持ちがあったんですよ。それを含めて何かごちゃごちゃしているところから抜け出そうと試みる感じというか。そういうのを感じて欲しいですね。

──では今回のアルバムを1曲ずつ振り返ってみましょう!

1曲目『ハチミツの花』

清水:これはライブ中のセッションでできた曲なんですよ。前身のバンドをやっているときに僕が曲を全然作らなかったりして、バンドがダメになりかけたことがあったんです。その時のメンバーっていうのが今のメンバーでもあるドラムのシロタくんとギターの生田目さんの2人なんですけど、その時シロタくんに「お前何のために音楽やってるの? 何か伝えたいことあるの? ないんだったらやめろよ! 」って言われて。1週間いろいろ考えたんですよ。結論的にはもう一回ガムシャラにやってみるってなったんですけど、その頃、前のベースも辞めて3人でライブをやることになったんです。でも、3人でできる曲って限られていて、そこでインストでやったのが『ハチミツの花』のバックなんですよ。ライブ当日「曲どうする? 」って。そしたら生田目さんが「俺がこういうコードでとりあえず繰り返すからついてこい! 」って。それでやったのが最初ですね。かなりやけっぱちでしたけど(笑)。でも、ライブ中にたまたまさわって弾いていたフレーズが今もそのまま残ってますし、ほとんどアレンジも変えてないですね。詩の方は、1週間いろいろ考えてるときに、自分が思いつくままの言葉を紙に書きまくっていたんです。その時、新聞屋でもらった「くまのプーさん」のバスタオルが目に入ったんですよ。その時はなんで俺だけこんななんだろう、プーさんは毎日ハチミツ食べてるだけなのにって無性に腹が立ってきたんです(笑)。自分がすごく卑屈になってましたからね。そこで、『プーさん』とか『ハチミツ』っていうキーワードが出てきて、歌詞がすぐのったんですよ。

──じゃぁ、最後に出てくる「なまけ熊」がプーさんってことですね。なんかつながってきました!!  メロディにしてもこの曲ってすごく頭に残りますよね。

清水:最初にやったときは手応えはなかったんです。でも自分の中での崖っぷちから的な歌詞とか、できあがりだったのがすごく良かったんですよ。今でもこの曲ができた時のことは思い出しますしね。

──この曲を1曲目にすることによってアルバムがすごくいいスタートを切ってるって感じがすごくしますね。

清水:そうですね。この曲が初めての音源の1曲目でよかったと思える曲でしたね。

2曲目『Numb Numb』

清水:時期は全然違いますけど、感じ取ってほしいところは『ハチミツの花』と一緒です。前のボーカルがいなくなって僕がボーカルになったんですが、自分の歌う歌をって考えたら全然曲が書けなかったんですよ。そういう時にようやくできあがった曲です。曲構成とかめちゃめちゃなんですけどね。これもかなりやけっぱちでしたよ(笑)。

3曲目『wonder land』

清水:これはベースがとにかくいい曲です。前のバンドの時にもやってた曲なんですが、そのときとはアレンジがまるっきり違うんですよ。今のメンバーになってやってみたらすごいベース付けちゃった! ってのが聞き所ですね。

──ってことはベースのスガハラさんが入ってかなりバンド的にも変わったってことですか?

清水:サマサマですよ。去年の1月に正式に加入したんですが、こうやっていろいろな方々に助けていただけるようになったのもスガハラさんのおかげ。デモテープ送ったりとか、前のバンドの時は誰も何もしなかったから。あと技術的にも練習の仕方も全然違いますよ。スガハラさんからはかなり影響受けてます。

──どこで知り合われたんですか?

清水:スタジオで働いてる人なんですが、一度僕らのライブを見てくれた事があってとても気に入ってくれたんです。それで、昔レコーディングしたとき時に録ってもらった人なんですよ。その時にけっこう仲良くなって、その後ベースがいなくなったってときに電話があって「やろうか? 」って。

4曲目『エピローグ』

清水:これは何かこれまでとはタイプの違う曲を作りたいって話になったんです。で、インストかなんか入れようって話になって・・・。この曲、ドラムのシロタが昔セガサターンで作った曲なんですよ。それを一度バンドでやってみたいよねって、夜中にスタジオ入ってだいたいの形にしたんですが、やっぱり僕は歌を入れたかったんです。それでこの曲のレコーディングが終わった日の夜に、録ってある音を聞いてたら「さよなら」って言葉が浮かんだんです。それで歌を入れてみたらいいものができて・・・。

5曲目『Hopeful / Live at STUDIO 1970,10.14,2002,TAKE 1』

清水:これはレコーディングの最終日にひとりでマイクの前に立って、弾き語りで録った曲なんですよ。最終日であとはこの曲を残すだけ。他のメンバーは特にすることもなかったんですが、みんな集まってくれたんです。でも、そんなときに限って僕が寝坊しちゃったんですよ。ホントあの時は申し訳なかったですね。それなのに、生田目さんはお前じゃダメだってアコギのチューニングをしてくれたりして・・・。この曲の歌詞の中に、『一人きりじゃ進めない』みたいなところがあって、そこを歌ってるときブースの向こうのみんなが見えたんです。これはみんなに伝えたい歌だって・・・。その時に、気持ちがすごくのったんですよ。1テイク目だから声も出てないし、ボロボロなんですけどね。その後、何回か取り直して、声もだいぶ出てきてはいたんですが、全体的に聞くとやっぱり1テイク目にはかなわないってことで、1テイク目が収録されたんです。

──それにしても、初めて作ったアルバムでここまでやってるって贅沢ですよね。

清水:そうですね。贅沢だと思いますよ。

──コンタクトってけっこう何でもやってみようってタイプなんですね。

清水:音楽の好みがみんなバラバラなんですよ。それぞれが意見を言うからこうなるんじゃないですか。

──というと、もともとはどういうの聞かれてました?

清水:昔を言っちゃえば世代的にアメリカンハードロックとか聞いてたんですけど、スガハラさんはフィッシュマンズとかウィーザーとか。僕もわりとスガハラさんとは近いですね。生田目さんは男臭いのも好き。

──アレンジはみなさんでやられているんですか?

清水:みんなでやってますね。このときばかりはみんな頑固なんですよ。基本的に僕は自分が絶対かっこいいと思ったものは折れない。だから衝突もしますしね。みんなも普通 に口出すから1曲が長くなっちゃうんですよ(笑)。よくばりなんです。ただ、バンドを一緒にやってるぐらいだから、感覚とかを認めあっているんでバラバラと言ってもいいものができるんだと思いますね。 初ツアー。

──ところで、ミニツアーが行われるそうですがツアーは初めてですか?

清水:日程が詰まったライブはやったことないですね。あと自分達のCDを引っさげてのライブも初めてです。

──コンタクトにとってライブってどんなものですか?

清水:同じ空間の中で、知り合ったばかりの人と自分達の曲を聞く場所。だから一番反応がわかりやすい。伝わってる感じがしますし。だからライブは好きッスよ。

──ライブでシーケンサーを使われているんですが。

清水:シーケンサーを使った曲が最初にできて、ライブでやったらかっこいいんじゃないかって。他のバンドと違うことしたいと思ったんですよ。普通 シーケンサーって曲をつくるものだから、それをライブ中に使ってるってことでインパクトあるみたいですよ。あれは続けていきたいですね。コンタクトのカラーとして。

──ライブで使っているところを見るとまた迫力ありますよね。では最後にツアーの意気込みとシェルターの意気込みを。

清水:毎回ライブってそうなんですけど、初めて見る人って絶対いるしCD聞いて来てくれる人もいるし、CDで感じた以上の生のコンタクトを感じて欲しいし、初めて見る人にも何か感じてCDも聞いてもらえるようにしたいですね。ツアーも自分達メインってのも初めてだし、特にシェルターでのライブはメンバーが好きなバンドばかりを集めたんで楽しみです。他のバンドに負けないライブにしたいです。自分達のレコ発ってのも初めてなので、楽しみなのと不安が入り交じってます。ケツを叩かれながら練習します(苦笑)。

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