Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】Sound Schedule(2002年12月号)-いろんな人に聞いてもらいたい

いろんな人に聞いてもらいたい

2002.12.01

いろんな人に聞いてもらいたい

──最初はROOF TOP初登場なので、結成の話をしてもらえますか?

川原:'99年の3月に神戸の大学の軽音楽部で結成して、もう3年半以上経つんですが、結成当初からこのバンド名でメンバーも変わらずやってきてます。神戸と大阪でストリート(ライブ)をやったりしていまして、2001年9月にデビューしました。

──結成した当時から今の音楽性でやってたんですか?

川原:やってる音楽とかクオリティーとかは全然だと思うんですけど、方向性的には歌モノで、メジャーでやるというかんじでやってました。

──当時からメジャーは目指すとこだったと。

川原:それぞれちょっと違うとこはありますけど、いろんな人に聞いてもらうためには全国区でやっていかないとみたいなところはあって、それはレコード会社に契約するということばかりではなかったんですが。

──この3年半の間に上京したり、デビューしたりいろんな変化があったんじゃないですか?

大石:日々成長だったりもしますね。このバンドを組んでから好きになった音楽とかもたくさんあるし、22年間生きてきて、一番このバンドで学んだことは大きいですね。いろんなジャンルを聞くようになり、その中でみんなで消化していって、すごく僕にとっては影響力のあるSound Scheduleライフですね。

沖:環境的にもすごい変化したし、その3年半の中でも去年1年で言ったらデビューが決まって東京に引っ越して、気持ちの面 でも変化したと思うし、聴く音楽も変わってきてるし、でも成長がないより成長があるほうがいいわけだし、これからもこういうふうに変わって行けたらなと。

大石:いろんな波がありましたけどね。お客さんが増えたり減ったり。それでストリートをやったってのもあるんですけど、今度は常連のお客さんが少なくなってきたりとか。じゃあ同じ曲でも飽きさせないライブをするためにはどうしたらいいのかっていうのを考えたりして、そういうのはアマチュア時代にずっと形成してきたことではあります。たぶん、今もそんな気持ちは変わってないです。

バンド力

──そこで12月11日に『ピーターパン・シンドローム』がリリースされるわけですが、まずこのタイトルにはどんな意味が?

大石:アルバムが今年7月に発売されたんですけど、それぐらいからいろんな課題が見えてきたんですよね。その課題のひとつに、より成熟した価値観での詞、物事の捉え方だったんですよ。大人っぽいというか。そんな中でひねりだした曲なんです。『ピーターパン・シンドローム』っていう言葉には、“大人になりたくない症候群”っていう、負の言葉で、病気というか精神状態のことを示しているんですよ。それを象徴として、結果 的にこの詞の中で“過去に支えられててもいいから未来を打開していくんだ”“ここから旅立っていくんだ”っていうポジティブな終わり方ができてるんですよ。ポジティブシンキングで歌が終わるっていうのは僕の中ではすごく珍しいことなんです。で、改めて自分も成長したなというか、いろんな物の見方ができるようになったなって。その中で僕なりに、大人なんて他人が決めることで自分が考えることじゃないんだよっていうメッセージを入れつつ、例えばそういう狭間で迷ってる人がいたとしたら、クサイ言葉ですけど夢とか希望とか力を与えるような楽曲というものを今回すごく意識してましたね。大人になりたくないんじゃなくて、夢のない人間にはなりたくないっていう方がもしかしたら強いかもしれないですね。気持ちを聞いて欲しいし、伝えたいし、伝わった人達にどうにかして欲しいんですよ。プラスの力に転換してほしいんです。実際それが形になったと思ってるんで、よかったなと。いい曲ができたなと思います。

──さっき言っていた、珍しくポジティブで終わってるというのは気持ち的に変化があったりしたんですか?

大石:バンドの力というのをすごく感じたんです。詞を書いているとき、みんなの上昇傾向に上がっている勢いに後押しされてポジティブになれた。それまでは詞が切ないままで終わってたんですけど、これじゃあかんなって。ぶっちゃけた話、せつないままで終わるとかシュールなものっていうのはかっこよくみられるんですよ。逆にストレートに表現したものっていうのはかっこ悪く見られたり、青春じみて見られたり、あんまり理想的じゃない思われ方をしたりするんじゃないかなと思ってたんですけど、このバンドのアレンジで、こんだけの力強さがあったら俺はこういう照れくさいことも唄えるや! って思ったんです。それがすごくデカイ。ひとつ壁を乗り越えられた。ここから旅立って行くんだっていう詞の中で、僕自身にも歌ってるような感じですね。それはアルバムがリリースされて、いろんなところにライブで回って3人でステージの上で演奏して、どんどん形成されていったもの。自信というか、バンド力としか言えないですけどね。そういうところが強くなったなと思います。

夢は会社社長

──ところで、皆さんが小さいときにこういう大人になりたかったとか、こういう人になりたかったとか夢ってありました?

大石:幼稚園のころからずっとそうなんですけど、歌手になりたいって堂々と書いてましたね。これちょっと自慢なんですけど。はい(笑)。

川原:僕は会社社長でした。(一同爆笑)あんまりちっちゃいころは夢がなかったわけじゃないんですけど、毎日を楽しく生きていただけってのはありますね~。

沖:僕は一緒に何かやって、そん中で学べることは学んでみたいなことを、教えられる人に憧れていたかな。子供の頃って大人と子供って全然違う物だって言う意識があったんですけど、中学高校とかになったら年をとったら大人になるんやなぁ、どういうふうに進路進もうかなぁって現実味を帯びてくるんですよね。だから夢とかって、けっこう実はちっちゃい頃のほうが考えてたかなぁ。

──大人になると夢もなくなっちゃう・・・。

沖:目標っていう現実味を帯びた夢になってくるというか。

川原:でも結局いろんな経験をしてきて、僕らは音楽という、やりたいことが掴めてるっていうのはすごく嬉しいです。だから、自分がコレがしたい! と思ったら掴もうと思えば掴めれるような気がするんです。大人になりたくない、このままでいるとかじゃなくて、もうちょっと一歩踏み出したら新しい世界が待ってるかもしれないんだよっていうのが、この曲で表せたらなと思いますね。だからタイトルだけ見るとすごいネガティブな発想をされると思うんですけど、そうじゃなくて、中を聞き込んでもらいたい! みたいなところはあります。

──逆に2曲目の『人の子ふたり』は1曲目とは全然正反対の曲ですが。

大石:(笑)詞の内容的にはこういう物語があって、自分がその物語の中にぽんって入った場合に俺はどうするかっていうノリで考えた曲なんです。好きになったモノはしゃあないやんっていう。目的としてあったものは、どんだけメロディーと言葉がセットでみんなの耳に飛んでいくか。気持ちよければそれでいいよっていう。そういうノリで韻を踏んでみたりだとかしてるんですけど。ジャンル的にも全く違いますしね。でもこれもSound Scheduleの音なんでいいかなと。幅広いほうが飽きずに済むと思うし、僕らも楽しくやってるし。AメロとかBメロとかはすごいファンクなノリだったりで、イントロとかもチャイニーズだったり、オリエンタルだったりする部分で、ちょっとしたボケというかギャグさというかコメディーさというか、そういうのでもちょっと捉えてくれたらな。詞だけで読んだらやっぱ切なくなるんで(笑)。曲とワンセットで聞いてくれよ! ってカンジです。

川原:そう、聞いて下さい! と。

大石:聞け! と。

沖:聞いて頂くのが一番早いですからね。ホンマに。

燃やせ煩悩2002

──12/25のライブ・・・クリスマスですね~。ファンの方にとったらすごく嬉しいですよね。「クリスマスにSound Scheduleに会える! 」って。

大石:そうですかね~。

沖:24日は私の彼氏がサンタクロース、25日はSound Scheduleがサンタクロースみたいなカンジですか。

一同:・・・(沈黙)

──ははは。聞いててこっちが恥ずかしくなりました(苦笑)。

大石:でもね、ぶっちゃけた話25日の夜なんて後夜祭みたいなもんで、残り物のクリスマスケーキを必死で処理している業者さんがいるぐらいです(笑)。次に普通 の26日が待っているわけですから、どっちかと言えば25日の夜っていうのは残骸的なクリスマス。それを少しでも楽しめる、新しいクリスマスを作るぐらいの勢いで・・・。予定返上で来てくれ! ! みたいな感じですね。

川原:あと、12/25はクリスマスでもあるんですけど、東京では年締めのライブになるんで、それを総括する意味ではいいライブをしたいなという思いでいっぱいです。シングルが出ての後のライブになるんで、やっぱり今まで全然知らなかったという人でシングルから知りましたっていう人もぜひ来てもらってSound Scheduleのライブを体感してもらいたいなと。

──燃やせ悩燃。

大石:煩悩燃やしましょう! 一緒に。そんだけ楽しいライブになります。

沖:悪いこと忘れちゃいましょう! みたいな忘年会気分で。

川原:アルバムの曲も出来れば聞いてもらって、アルバムの曲もいっぱいやると思いますし、シングルも聞いてもらって僕らのことをよく知ってもらえたら楽しんでもらえるんじゃないかなと思うんで宜しくお願いしますってことですね。 (沖真剣に頷く)

大石:頷いてても全然入ってないよ(笑)。

──最後に今年を振り返ったり来年の抱負だったり。

大石:売れる! (やらしい)

沖:東京に慣れる、慣れた上でそれを音楽に生かす。

川原:今年は、結構忙しくライブやレコーディングをやったりしてきて、すごくいろんなことを学べたました。2003年は1年間学んだことが形に出来るようにがんばりたいと思います。いい音楽を続けていきたいなとも思うし、ホントに音楽を楽しんでもらえる空間を勉強していきたいな。まだまだ僕らもライブをやっていて力が入ってる部分もあるんで、そういうところはイイ意味でラフにやってきてみんなで楽しめたらなぁと。新宿ロフトのライブももちろんそうなんですけど。来年以降のライブも楽しみにしていてくださいと。

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