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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】LOST IN TIME(2002年9月号)- 新しいLOST IN TIME

新しいLOST IN TIME

2002.09.01

LOST IN TIMEの突き抜けるような歌声、そして突き刺さるような歌詞。そして忘れかけていたごく当たり前のことを気付かせてくれた彼ら。とても素晴らしいバンドにまた出会ってしまいました。 (interview:やまだともこ)

新しいLOST IN TIME

──始めに・・・最近メンバーチェンジをされたそうんなんですが。

海北:今年の6/30に新宿ロフトで行われたライブからギターが榎本に変わりました。めちゃくちゃ最近ですね。だから6月に出したアルバム『冬空と君の手』はまだ前ギターがいた時にできた作品なんですよ。

──榎本さんはLOST IN TIMEに入ってどうですか?

榎本:曲に関して言うと、最初にこのバンドに入ったときの気持ちと、今の気持ちはほとんど変わってないですね。より深くはなっているけど、最初に感じたのと同じ。でも最初に感じたのを最初の時にはうまくは出せてなかったんだけど、だんだん最近は気持ちと音がリンクするようになってきて。

──やっぱり前のギターのイメージが大きかったりします?

榎本:別に、(前ギターを)越えなきゃとかは思ってないんで。自分がやるんだから違うのになって普通 だし。影響はあって吸収はしてるけど影は追ってないです。

海北:榎本くんらしさってのと、僕らしさ源ちゃんらしさってのが最近少しずつ見えだしてきて、それが新しいLOST IN TIMEらしさになってきてるような気がします。それが見えてきたおかげで少し中に入っていたものが開いてきたというか、外にむき出してきたというか。やっぱりメンバーが変わるっていう部分で個人的にすごく焦ったり迷ったり悩んだりした時期があって、ホントにこれでいいのかっていう自問自答だったり、その時は特に感じることが多くて、最近やっと少しずつ自分の中だけじゃなくて、そのベクトルが外に向いてきて、今はバンドの中で思えたり、ライブで自分達とお客さんとで向けることができたり。ホントにすごい最近のライブだったりするんですが。

──何かきっかけになることとかあったんですか?

海北:やっぱりライブだったりレコーディングだったりですかね。ギタリストが変わったってところで、ある種新しいバンドになるわけじゃないですか。今まであった曲をやりたいってなったとしたら、それをまた0から構築していくわけですよ。榎本君からするとそれは当然なことなんだけど。そういうのが最近すごく合ってきているというか、足並みっていうんですかね。自分達が今までいたところに僕も源ちゃんも固執して留まっていたら、足並みがそろうわけもなくて、いったん戻って同じ所から歩いて進んできて、今やっと3人の気持ち的な位 置がかみあってきたような気がしてます。だからかもしれないけど、新しい曲もやっとできましたよ。それができたことによって、今までの曲をより具体的に演奏できるようになった気がします。新曲ができたおかげで自信がついたのかな。

──新曲となると榎本さん的にも気持ちが変わるんじゃないですか?

榎本:初めて自分だけのものというかんじがしましたよ。

『冬空と君の手』で一度区切りを・・・

──では、6月に発売した『冬空と君の手』についてお伺いします。タイトルが、6月発売なのに『冬空と・・・』って付けられているのがすごく気になっていたんですが。

海北:レコーディングしたのが今年の1月なんですよ。出るのが夏前ぐらいになるだろうねっていう話をしていて、それを見越したアルバムタイトルを考えようかと思ったんですけど、その時点では冬なのに、梅雨ぐらいのことなんてわかりっこねえなと思って。自分が実感できてないものって想像はできても本心でそう思えないというかどっかで上滑りしているって言う感じがしちゃうんですよ。で、『4:53am』っていう曲の詩から抜いた言葉で、その言葉がずっと頭に残っていて『冬空と・・・』にしました。

──アルバムをトータルで聴いてみて、“僕がもがいている”感じがすごくしたんですけど。

海北:今ももがいていますよ。想像でものを書けなかったりしますね。だからたぶん今も僕がもがいているんです。

──けっこういろいろ考えているなって。それが詩にも出ているかな。

海北:まあ今あるものだったり、今見えるものしか見えないですからね。

──あと、ジャケや歌詞カードがすごく凝ってますよね。

海北:これは僕の友達が、バンドの写真だったりを撮るのがすごく好きで、自分回りというか身近な人達と作れたらいいなってのがあったんでお願いしたんですよ。僕らはけっこう恵まれていて、自分が何かを始めようっていうタイミングで別 のことを始めようとしている友達がいっぱいいたんで、だったらみんなでやれたらいいじゃんって。それぞれにきっかけができて次にステップアップしていけたら、これほど楽しい事ってないじゃないですか。それって、別 分野でっていうそういうところだけじゃなくて、バンド同士にしてもお互いすごいいいなって思えるバンドが身近にすごくたくさんいて、そういうバンドの人達に僕らはすごくたくさんきっかけをもらったんですよ。いろんなつながりによって、いろんなきっかけをもらって今、これからって考えるとそろそろもらいっぱなしもまずいぞってのがあるんで、これから少しずついろんなところで気持ちだったり思いを還元できたらいいなって思うんですよね。

──いろんなものが点在していて、それがつながっていくとすごいものができる。でもそういう気持ちをバンドが持っているか持っていないかって、音とかににじみ出てくるものなんですよ。だからLOST IN TIMEはすごく人間ぽいなって気がします。

海北:いや、ごくごく自然なところでやっているだけですよ(笑)。僕も、他の人にキッカケを作ることはできないかなって考えたりしてるんですけど。だから、そういう意味でもバンドって面 白いです。今バンドっていっぱいいて、それぞれのバンドががんばってるから、バンドが面 白いと思うし、見に来て楽しんでいるお客さんがいれば、そういう場所を提供してくれるライブハウスがあるから楽しいことができると思うんですよ。その中で自分達が歌を歌えてギターをひけてっていうのはすごい楽しいんですよ。だから、たくさんの人に聞いてもらえるようにいろんなところに出向いて、いろんなところで歌ってっていうことがこれからできたらもっと面 白いなって。うちらもまだ始まったばかりというか、これから始まるもんなんで、こんだけいろいろしゃべりながらもがんばりますとしか言いようがないんですが・・・(笑)。僕ら成長していく過程だったりが、いろんな人と進んで行けたらもっとおもしろいなって。やっぱり『冬空と・・・』は前のギターと僕と源ちゃんで作ったものなんで、今の3人の音を早く作って、それをデビュー作としていろんなところに回れたらいいなと思ってるんですよ。そういうことをするためには、このアルバムの区切りをつけなきゃいけないと思って、そのために9月・10月に企画をやって、『冬空と君の手』の流れを1回完結させようかなと。その最後がシェルターでやる『線路の上』って言う企画なんですけど。なんか、前のメンバーと作ったアルバムをずっと引きずってても新しいことができない気がしたんで。

──でも、それは冷たく切り捨てるわけじゃなくて、すごく前向きな一歩を踏み出す感じなんですよね。

海北:そうですね。これからもこのアルバムの中の曲は全然歌い続けますし。でも、僕らは次に進んじゃいま~すみたいな。

──止まってたらバンドじゃないですからね。

海北:そう思います。

影響を与えるバンドになりたい

──これからのライブは変わってくるかもしれないですね。

海北:ライブで今までやってなかった曲も、まだ全然荒いんですけどできるようになったんで。まだこれからできることっていう項目を広げていって、バンド的にも成長していけたらなと思います。

──では10/2の意気込みをお願いします!!

海北:僕ら以外のバンドを見て僕らを見て、その日1日通して何か1つのものがあると思うんですよ。それはたぶん人それぞれ違うものだったりすると思うんですけど、僕は10/2っていう日に何か見つけられたらいいなと思うし、聞きに来てくれた人にも見つけてもらえたらいいなと思います。最初から最後まで自分とリンクするものってのを見つけに来てくれたらウレシイです。

──榎本さんは?

榎本:今までいろんな人の企画を見て行ったり出たりして、影響受けられたのを今度は自分達が主宰するっていうことによって、与えられるっていうところの機会ですね。うん。

大岡:気合い入れて頑張ります!!

海北:あと、曲にしてもせっかくできたのにライブでやらないと固まる部分も固まらないんでさっそくやっちゃおうかと思います。だって曲を形にしてどんどんよくしていくっていうのはバンドだけじゃなくて、お客さんの意見だったりとかライブハウスの人の言葉だったりとか、っていうものも曲を完成に導くものですもんね。ライブでやらないとわかんないこともたくさんありますし。

──そうですね。10/2期待してますよ!!

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