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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】大槻ケンヂ(2002年8月号)- アンダーグラウンドな事を オーバーグラウンドでやろうと15年戦ってきた

アンダーグラウンドな事を オーバーグラウンドでやろうと15年戦ってきた

2002.08.01

別荘購入計画

──大槻さんって結構多趣味なイメージがありますけどね。そういう物に興味は行かないんですか。 
 
大槻:ライブ以上に熱中出来るものを見つけるために色々やっているっていうのはありますけど、でもあんまりないですよね。一時期UFOにはまった時は「これは結構行くかもしれない!」って思ってたんだけど、UFOの世界ってちょっと気の狂った世界だから「あんまり近寄り過ぎちゃいけないな~」って離れちゃって……。でね、今考えてるのが、海辺に別荘買おうと思ってるの。
 
──別荘! そこまで行きますか。 
 
大槻:沖縄とか伊豆とかでもいいと思うんだけど。普段は海辺の別荘に住んで、ライブがある時だけ東京出てきて。それ以外の時は海辺でマリンスポーツとかさ、サーフィンはさすがに出来ないだろうから、アサリ捕りでもいいからやって。そういうのをやろうと真剣に考えてるんですよね。 
 
──大橋巨泉スタイルですか。 
 
大槻:巨泉スタイルですね。プチどんとさんって言うかね! 別荘と東京をポルちゃんで行き来してさ。 
 
──ロックスターですね~! 
 
大槻:いや、のほほんですよ。それでライブ中毒が緩和されればいいな~と思ってるんですけどね。それでも海の家とか貸し切ってライブやったりしちゃうかもしれないけどね。「ザ・海の家ズ」とかなんとか言って(笑) 
 
リンダリンダラバーソール
──ちょっと「リンダリンダラバーソール」の事についても聞きたいんですけど、本当にいい本だな~って感じで。懐かしいやらセツナイやらで、久々に本で泣きましたよ。 
 
大槻:それは嬉しいですねぇ。これはもう本当に反響が大きくて、90年代のバンドブームを中心にした自伝的小説なんですけど、もっと若い世代からの反響が来るかと思ったら、もう80%は同年代で、そのバンドブーム体験者から「感動した」「懐かしかった」っていう感想が沢山来ましたね。 
 
──ああ、やっぱりそうでしょうね。 
 
大槻:やっぱりね、ノスタルジーっていうのは何にも勝る人の感情を揺り動かす力があるのだなぁと思いますね。 ノスタルジーに浸ってるだけじゃダメですけどね、ノスタルジーの癒しの効果 というものを明日につなげていくっていうのが重要で、 そのためには「リンダリンダラバーソール」を読んで「昔はよかった」じゃダメね、昔はよかったからこそ、今と未来をもっとよくしていこうっていう事ですよね。そういう本になればいいなとは思いますよ。仲野茂さん経由でJILLさんからの感想が届いたり、ジュンスカの宮田和弥くんから長文の感動したよメールが来たり、(石野)卓球氏も瀧くんも電話くれたしローリーさんとかトモフスキー氏も買ってくれてたりと、意外にみんな買って読んでてくれて嬉しかったですね。
 
──やっぱりこれはタイトルがずるいですよね。バンドブームを体験した人はこのタイトル見たら絶対買いますもん。 
 
大槻:ずるいよね、俺もそう思った。タイトル思いついた時に「ヤッタ」って思ったもん。
 
──この本、単純な回顧録だったり、当時のバンドカタログじゃなくて、小説仕立てになってるのがまた絶妙で、なんか青春時代の胸キュン感がすごい伝わってきて……。大槻さん、青春好きでしょ。
 
大槻:青春! 好きですね~。俺、西城秀樹と同じで気持ちはいまだに17才なの、でも実年齢は36才なの。だから時々おっかしいな~ってなるんだけど…。常に心に青春があるから、ポルシェでどんなに湾岸走ってても、海辺に別荘買おうと計画してても、心には常に新宿、高円寺、下北沢っていった場所で培われたボンクラ魂があるんですよ。
 
──ボンクラ魂百までって事ですね。 
 
大槻:この「リンダリンダラバーソール」の後の時代には僕は完全にテレビタレントになってて、テレビに出倒してたんだけど、そのタレント時代の頃の話も書きたいし。逆にもっと前の時代、ナゴム時代の話も書きたいしね、色々考えてます。
 
──スターウォーズみたいにエピソード1、エピソード2ってことでどうですか。 
 
大槻:「リンダリンダラバーソール・エピソード1」ですか、いいですねそれ。その内関係者からいい加減にしろって言われるかもしれないけどねぇ。
やっぱりライブ中毒
 
──それじゃ最後に今後の事をお聞きしたいんですが、とにかく沢山ツアーが待ってますね。
 
大槻:そうですね。まずは8月に「納涼アンプラグダー!」っていうツアーがあって、TOMOVSKYとか遠藤ミチロウさんとか、宮田和弥、PANTAさんなんかと、真夏のライブハウスはとにかく暑いからこりゃダメだってことでアンプラグドのライブをやります。 
 
──あんまり涼しそうなメンツじゃないですけどね。 
 
大槻:ミチロウさんが「おかあさん!」とか叫んでたら全然涼しそうじゃないよね。BEGINとかと一緒にやればよかったかな。それで9月になって涼しくなってきたら今度はもっとハードな感じで、今回の「対自核」発売記念のソロツアーがあります。こっちでは久々にヘビメタオーケンが観れるじゃないかな。
 
──ソロツアーの方はアルバムの曲からって感じでやるんですか。 
 
大槻:実はそうとも限らないんですよね。でも15年の総検証的な内容になるとは思います。それから秋には特撮のツアーが始まるんですけど。
 
──本当、ライブ中毒ですね~。 
 
大槻:でも今のところ10月が空いてるんだよね、それが今から憂鬱で……。だからそこで物件探しっていうのはどうかな?(笑)
 
 
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