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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】DOPING PANDA(2002年7月号)-今くらいは調子に乗らせてぇ~!!

今くらいは調子に乗らせてぇ~!!

2002.07.01

 祝! FUJI ROCK GFESTIVAL 出演!! 祝! PINK PaNK 発売!! 2002年夏、ノリにノリまくっているDOPING PANDAを追っかけて、インタビュー成功! 遅咲きなんでしょ~なんて言わせません!! 花が咲けば構わないのでッス!PINK PaNK、やばいくらいに普通にいいッスよ~♪ (interview CHIE ARAKI)

今回の作品に関しては輪郭がなんとなく見えていたんで、自信があったんですよ。

──今回リリースされた"PINK PaNK"ですがあえてミニアルバムという体裁を取ったと聞きましたが。
 
古川(G&Vo):まぁ大袈裟な事じゃないんですけどね。前回の作品を作り終えた後から曲作りは進んでいて、今回のレコーディングの前に上がっていたんですが、いざレコーディングに向かったときに、テンション違ったというか、ギャップを感じてしまったんですよ。
 
北条(B):より新鮮なDOPING PANDAを表現したかったんですよ。 
 
──タイトルの語幹がかわいらしいですね。
 
古川:ドーピングパンダのピンクパンク! 特に意味はないんですけどね。自分が付けたんですが。
 
──M-2に世界観が通じる言葉がちょこっと出てきますね。
 
古川:タイトルが先にあったんですよ。それで、M-2が出来上がったんですよ。今回ね、色を付けたかったんですよ。それも思いつきなんだけど。 
 
──まんまじゃないけど、面影だったり香りはしますよ! 
 
古川:俺にとっての80'sがショッキングピンクだったんです。それかパープル! 
 
──いかがわしくて、どうでもいい感じ。 
 
古川:下品な感じですね。なんかそういうのがいいかなって思ってね。
 
北条:80'sのイメージがはっきり連想は出来ないけれど、というのがいいと思ったんですよ。決めつけるのもどうかと思うし、イメージの幅を持たせて。 
 
古川:音楽的なコンセプトは一つではなかったんですが、色で何となく一つにまとまっている感じですね。今回はピンクかなぁって。歌舞伎町とか池袋のイメージだよね。
 
──でも色のイメージっって絶大ですよね。例えば、黄色を見たらTOWER RECORDSが浮かんできちゃったり。黒と赤を見たらdisk UNION浮かぶでしょ。 
 
古川:そうそう! 今年の夏はピンクを見たら、DOPING PANDAですよ(笑)。視覚的効果 かな?! まぁ何となくなんですけどね。 
 
──前作から「レコーディングで遊ぶ」感覚がありましたが、今作はより拍車がかかっていますね。 
 
古川:前作もやっちゃったかなぁ、って思ったんですよ。ライブで演奏する事をちょっと忘れていたりして。でも、今回と比べると全然ですよね。でも前作があって、それがきっかけになって今回のテイストがあるんですよ。別に繋がっていない訳じゃないんです。 
 
──レコーディングに大きな名前がならんでいますね。
 
古川:ありがたいことですね。こっちから頼めない人たちばっかりじゃないですか。 
 
──いい繋がりで来ているようですね。
 
古川:その繋がりで、この前チャーベさんと恒さんと来日アーティストでツアーを回ってきたんですよ。僕はサポートでギター弾かせてもらって。すごく楽しかったですね。DOPING PANDAとはまたひと味違って。 
 
──でも、帰ってきてホッとしたんじゃない?
 
古川:まぁなれていますからね。でも、DOPING PANDAの時の方が張りつめていますよ。売ってみたらチャーベさんのバンドでの俺は、極端に言ったら単純に弾いていればいい存在なわけで。自分のバンドはそうはいきませんよね。やりたいこともやりたくないことも他のメンバーと自分でやっていかないと、バンドが転がっていかないから。でも、すごくいい経験をしましたね。
 
──前作は結構へこんだし苦労したと話していたじゃないですか。今回はどうでした? 
 
北条:レコーディングに入ってからは音楽的な部分では大丈夫でしたね。
 
古川:肉体的な所ですよね。 
 
北条:僕、事故っちゃったんですよ。原チャで。
 
──マジですかっ!? それは大変でしたね。 
 
古川:そういうアクシデントはあったんですが、今回の作品に関しては輪郭がなんとなく見えていたんで、自信があったんですよ。田上さんがプロデューサーに入ってくれたんですよ。その要求が結構高い所に来たりして、ちょっと応えられない時期があってその辺はへこんだんですが、それもなんとかクリアして。良かったですよ。 
 
──あとは、及川さんだ。
 
古川:及川さんはいつも通り、オーバーエンジニア業で。 
 
──楽曲の並びも気持ちいいですねぇ~。 
 
古川:自分ら的にはそれほど変化したとは思わないんですけど、沢山の人にいわれるんですよ。 
 
──なるほど…変化してないとは思わないけど、変化というより前作の深化だと感じましたけどね。
 
古川:方法論がかわったんですが、自分たちのスタンスは全然替わっていないんですよ。
 
──判りやすいところで打ち込みだとかを導入したとか。BPMがおちたとか? 
 
古川:そう。それって根本的にはたいした事じゃないと思うんですよ。ジャンルにこだわっちゃうと重要な事かもしれないですけど。でもメロディーとかリズムの感覚は変わっていないですね。
 
──変わったという感覚もいいじゃない、新鮮で。でも今回の6曲は個人的に音楽として好きですよ。ただ、ジャンルわけがしにくくなっちゃった分、言葉で表現するのに難しくなるじゃない。だから心理的に不安に思う人もいるでしょうね。DOPINGPANDAが頭で理解していい音楽だということじゃなく、心でいい音楽だなぁって本能で感じてしまうわけだから。 
 
古谷:それは望所ですよ。
 
──もともと既存の枠の中にいなかったんじゃないかなぁ、ってなんとなく思いますけどね。そんなこといいながら18分ってすっごく短いですよ! あっという間。その感覚も気持ちいいんだけど(笑)。 
 
古谷:次は長いの創ろうと思いますよ~! いや、今になってちょっともったいなかったかなとも思ってきたりして。でもね、自分ら的には、ミニアルバムの捕らえ方はしていないんですよ。2nd.アルバム的な位 置にありますね。
 
──M-1はどんな感じ?
 
古谷:オーソドックスなロック。自分らのロックスタンダード! レコーディングの直前に出来た曲ですね。このテンポが欲しかったんですよ。 
 
北条:2週間前くらいですよ。割とストレートな感じで良かったですね。 
 
──この曲があることで全体的に締まって聞こえますね。歌詞もタイトルに繋がったりして。 
 
古川:哲学的のようで、その実(笑)。田上さんに言わせたら「桃色のばかげた世界は風俗!」だって(笑)。 
 
──(爆笑)!!
 
古川:でもさぁ、ミュージシャンなんて風俗嬢みたいなもんじゃない。なにしてなんぼでしょ。 
 
北条:それは風俗嬢に対して失礼だよ! 
 
古川:いやいや、どっちもすごいよ、身を削って楽しませてっていうことで! -
 
──さらけ出してね(笑)。M-3からいろんな人が入ってきますね。 
 
古川:4つ打の曲をやってみたかったんだよね。曲創りで煮詰まっているときに出来た曲ですね。 
 
北条:最初8でやっていたんだけどね。
 
──びっくり! この曲はいくらでも広がりそうですね。 
 
古川:この曲によって、ライブが変わっていくかもしれないですね。サンプラー導入ですからねぇ。 
 
──北条さんはリズムとして、サンプラーとか打ち込みに関して、何か思いますか?
 
北条:完全でというと違った話になっちゃうんだけど、上手く使えれば格好いいんじゃない。
 
──機会に使われないように、使ってやる! 意気込みだ。 
 
古川:お酒と一緒ですよ。呑まれないように!(笑)
 
北条:耳が痛いですねぇ…いいこと言った!
 
──バランス感覚ですよね。さてM-4。
 
古川:一番考えた曲かな。どうしようもない曲をアレンジし続けた曲で、苦労したね。80年代のロックをもともとすごく通 っている人間だったので、得意な部分なんですよ。 
 
北条:実は嫌いじゃないですね(笑)。
 
──楽器が好きな人は、そういう人がおおいですね。うってかわって、M-5。 
 
古川:最近の僕の傾向ですね。夏っぽいでしょ。歌詞に日本語が混じっているんですよ。よく聞いてみてくださいね。軟派な曲。
 
北条:流行歌にならないように、頑張りましたね(笑)。
 
──嫌みがないから良しとしましょう、振り幅が広いっていうことで! M-6。最後の曲だ。この曲はカラフルなアレンジで。 
 
古川:そうですね、これは前からの延長にある曲ですよ。ボーナス的なイメージで。この曲もあってDOPNIG PANDAだってね。最後っぽいしね。以外とバランスいいでしょ。こうやって通 し
て聴いてみると。だから、6曲がスタンダードになるように頑張ろうかな~って(笑)。まとまっていいよね。 
 
北条:曲順も並べやすかったですね。 
 
古川:妥協なく6曲があるんですよ。 
 
──次回作は? 創りきった感覚ですかね? 
 
古川:うーん、俺からしたら、次に出るものが燃え尽きるアルバムですよ。今回は当初通過点くらいだったんですが、ところがところがターニングポイントになってしまったくらいの、満足が行く作品なんですけどね。とにかくいい感じなんですよ。しかも5曲はまた新しい曲が生まれていて。それが今の延長になるのかっていうのが、わからないですけどね。今回もすごいけど、まだまだですよ。初めて燃え尽きることが出来るかなぁ…って。そういった意味ではこれが形になって欲しいですね。とにかく集中したいですね。
 
──DOPING PANDA、本当に調子がいいね。 
 
古川:2002年のDOPING PANDAはSUPER NOVAだからねぇ!! 風穴開けちゃおうっかな~!!
 
──(無言) 
 
古川:はぁい、すいませぇん!! お願い、今くらいは調子に乗らせてぇ~!!
 
(一同爆笑)
 
──前回と全く別人だぁ~! 北海道でもものすごかったらしいじゃないですかぁ。 
 
古川:(嬉しそうに)あんなに沢山の前で出来たのは初めてに等しかったんで(笑)。いや、すごかった! ライブ最高。俺らは恵まれていますね。出遅れたかもしれないんだど。
 
──とにかく、SHELTERを楽しみに待ってます! そして、SHETLERが終わったら、EXTRA SHOWでFUJI ROCKでしょ~♪ DOPING PANDAブレイクしちゃうんじゃな~い?! 
 
古川:野外初めてですからねぇ、楽しみだなぁ。何となく騒がしいなぁ、いいことだなぁ…。だって、俺らはよく人から「タイミングが悪かったね、遅かったね」って言われるんですけど、なんか自分らの企画にしても、今回の作品にしても、俺らに向いてきたなぁ、これまでの運が全て来ているんじゃない?! って思うんですよ。 
 
北条:…前借りしているのかもしれないよね(苦笑)。
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