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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】ROCKIN' ICHIRO& BOOGIE WOOGIE SWING BOYS(2002年5月号)- 音楽はカテゴライズされるもんじゃない

音楽はカテゴライズされるもんじゃない

2002.05.01

ROCKIN' ICHIRO & BOOGIE WOOGIE SWING BOYS 音楽はカテゴライズされるもんじゃない、全音楽ファンに届け! とばかりROCKIN' ICHIRO & BOOGIE WOOGIE SWING BOYSの2nd. ALBUM『Thank you for R&R misic』がリリース。 ツアー真っ最中のICHIRO氏を捕まえて、電話インタビュー成功!! (INTERVIEW CHIE ARAKI)

音楽はカテゴライズされるもんじゃない

──最初はギターのSHIGEKIさんと2人だったんですよね。

ICHIRO:そうです。大阪の路上とか小さなBARとかでアコースティックでやっていたんですよ。でもリズム的な部分な問題でで今の編成になってます。前作がTIME BOMBから出ているんですが、そのときくらいからドラムが今のSHOZOになったんですよ。見るからにロカビリーのバンドと思われ勝ちなんですが、僕たちのやりたいことはそれだけじゃなかったんですよ。今まで自分の聴いてきた音楽で、特に<心地いい曲>がやりたかったんですよ。3人っていうシンプルなバンド形態でやりたくて。

──ICHIROさんにとって<心地いい音楽>とは具体的にはどんな音楽ですか?

ICHIRO:強いて言ったらビートルズですかね。メロディーから歌詞の内容まで、影響されています。あとはJAZZのスタンダード。

──それと、ROCKIN' ICHIROを聴くと日本のムード歌謡だったりPOPSの陰も見えますが。

ICHIRO:この辺はSHIGEKIが歌謡曲を聴いているんですよ。昭和っぽいものですね。

──今回のアルバム『Thank you for R&R music』を聴かせてもらったんですが、これだけ幅が広い音楽をやっていると、色んなジャンルのイベントに出演出来そうですね。

ICHIRO:ええ(笑)。昔は営業で結婚式で演奏とか、かなり広いジャンルに出演させてもらっていますね。ブルース、JAZZ、GARAGEだったり。SWING ROCKのイベントにも出演したことがありますよ。

──アルバムを全部通して聴いても、色んな表情の曲がちりばめられているからか、飽きないんですよ。しかもそれがめまぐるしい変化というよりは、自然な感じで1枚を通 しで無理なく聴けちゃう。

ICHIRO:興味を向けてもらうことにかけて重要視してますね。おどろかしてやろう! っていうのと注目されたいっていうこと。何か意表をついてやろうっていうことをいつも思っていますね。

──「興味を向けてもらう」だとか「注目されたい」とかはっきりいう所に潔さ良さを感じますが。

ICHIRO:そうですかね。さっきも言いましたが、僕たちはストリートとかBARでの活動が主だったので、そういうところは大部分が自分たちのお客さんじゃなくて、僕たちの音楽を聴きに来たんじゃなくて何か他の目的がある人たちなんですよ。そういうお客さんじゃない人に、興味を持ってもらうことから始まっていたんですよ。だから「注目される」ことにこだわりを持っていますね。

──他にこだわっているところはありますか?

ICHIRO:<生に近い音>を出すことです。アンプも何も通さない音の雰囲気のままやりたいんですよ。もちろん音は大きくしますけど。

──今回、リリースされたばかりのアルバムに関してですが。テーマがありきで作られていますか?

ICHIRO:ありきではないですね。今でこそ、出来上がってみて『Thank you for R&R music』っていうのがテーマになっていますけれど、作っているときはごくごく自然に作っていたんですよ。ホント自然の流れです。作り上げてさらに、楽曲楽曲が<喜・怒・哀・楽>の表情を現しているとも言われましたが、それも自然ですよ。狙ったわけじゃない。

──でも、みんないいたいんだけどなかなか口にしない言葉ですよね。『Thank you for R&R music』なんて。そんな風潮を軽く無視したあげく、敢えて楽曲にしてタイトルにしたことはすごくCOOLに思いますが。

 ICHIRO:自分の生活の中で無理なく自分たちの音を作っているだけなんですけどね。僕の生活のそのままを歌ったのが、『Thank you ~』だったりするんですが。自分とかを支えてくれているのは、R&R musicだったりするので。思っていることそのままですよね。すごくストレートな曲です。

──これほどストレートだと逆に驚いちゃうんですよ(笑)。

ICHIRO:そうですか(笑)。R&Rに感謝することによって、もっともっとR&Rが好きになっていったりしてくれれば、僕も光栄なんですけど。

──レコーディングはどうでしたか? 意外とすんなりいっちゃったんじゃないかって思いますが。

ICHIRO:そうなんですよ。ほぼ1発録りなんですが、これまたいい感じにレコーディングが出来ましたね。

──ミッシェルガンエレファントのチバさんが『Thank you ~』でコーラスに参加してますね。

ICHIRO:チバ君が「この曲いいね」って言ってくれたみたいで。それでこの曲をみんなで楽しくいい雰囲気で録ろう! ってなって。すごくいい感じでしたよ。タイトル通 りの雰囲気でしたよ。

──その『Thank you ~』と『Fallen Leaves』がそれぞれ別バージョンで、6月にシングルカットされるんですね。

 ICHIRO:そうですね。『Thank you ~』はデラックス・パーティー・チューンに、『Fallen Leaves』は日本語バージョンになってますよ。

──日本語歌詞の曲が多くなってきたんですね。

ICHIRO:そうですね。今回からやってみたんですが。もともと僕たちはメロディーを優先的に聴いて欲しいっていうバンドだったので、何となく英語の歌詞で作っていたんですよ。

──日本語歌詞は日本人である以上、どうしても歌詞に引っ張られてしまいますもんね。いい意味でも悪い意味でも。

ICHIRO:そうなると音がおろそかになってしまうかなって思っていたんですよ。でも、そういうこともなく出来ましたね。

──いやぁ、日本語の曲なんかとくにぐっときますよ。

ICHIRO:それは嬉しいですね。今回日本語の歌詞を作ってみて、一層歌詞にも責任持たなきゃって改めて思うようになりましたよ。言いたいことを自然に歌っているだけなんですけどね。

──でも、ROCKIN' ICHIRO ~の曲は全てメロディーだったり楽曲が強くていいから、歌詞に一方的に引っ張られることもないですね。

ICHIRO:自分でも満足いくアルバムと、シングルが出来ましたよ。でもねこの状況に飽きたらずということを忘れないでいないと。音楽を好きな人だったら聴いてもらえるように、もっと欲を言ったら音楽に興味がない人でもこのアルバムで興味を沸かせてくれたら最高ですよ。それが夢で音楽をやっていますね。好きなことをしているんですよ。レコード作ってライブしてって。楽しいですよね。そういう楽しくさせてくれている音楽に対して、肩肘張らずにライブもこなして行きたいですね。

──そしたら、次と言ったらレコ発のツアーですね。既にツアー中でしょうけど。

ICHIRO:CDはCDとして聞き所が沢山ありますが、ライブは生々しいですからね。自分の眼でホントのROCKIN' ICHIROはちょっと違うぞと言うところを見て欲しいですね。

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