3月30日に、新宿の歌舞伎町に鎮座する2店舗、ライブハウス新宿ロフトでワンマン、そして深夜からはトークライブハウスロフトプラスワンでライブ+トークショー(公開打ち上げ)を敢行するガーリックボーイズ!! 今回は、人付き合いにおいて根ほり葉ほりが大好きなLURRYさんにちょっとばかり根ほり葉ほり聞いてみました!! [interview&text CHIE ARAKI]
当たり前のことかもしれんけど、初心に戻れた
──最近のGARLIC BOYSの動きは? リリースがあると聞きましたが。
LARRY:4月にね、レアトラック集をCDとDVDでリリースしようと思っている所よ。
──レアトラック集というと、何かの節目のような聞こえがありますが。
LARRY:元々ね、出したいって思ってたんよ。時期にはあんまり意味ないんだよね。
──レアトラックっていうと、聞こえはいいですが、いわゆるボツテイクですよね(失礼)。
LARRY:まぁな。それにアナログに入っていたけど、CD化されていない曲だったり、オムニバスに収録して、あんまり日の目を浴びてないような曲やな。それをまとめたら、作品になっちゃうんよ。
──GARLIC BOYS自体が歴史の長いバンドですもんね。
LARRY:そうね。今回はライブでもあんまりやってない曲を収録したね。DVDもつけちゃうんだけど、みんながあんまり知らないGARLIC BOYSを中心にね。そう、去年の海外ツアーの映像もあるな。
──初の海外ツアーだったんですよね。かなり凝縮されたハードなツアーだったと聞いていますが。
LARRY:客の反応はね、やっぱりうちらのことは知らん人がほとんどでしょ。でも、曲をやっていくうちにのってくれたりして、アンコールが掛かったりしてさ。でも、それって本当にうちらのことを気に入ってのってくれたのかどうかまでは、わからんよね。なんでもかんでも盛り上がる人種なのかもしれないしな。
──手放しには喜ばない大人な意見ですね。
LARRY:うーーん。どうなんやろ。本質的にはどうだったんやろ、楽しむのに貪欲な感じが見えてしまったから。まぁ、感情的には成功やったと思うね。ドイツではワンマンもやったしな。
──日本に帰ってきて、日本を実感したことってありますか?
LARRY:そうやなぁ、日本は何もかも恵まれた状況なのは、頭で判っとったつもりやったけど。やっぱり、ハコの設備だったり、対バンだったりさ。恵まれているって実感したよね。うちらは日本だと大きいところでもやれたりするんだけど、海外ではそうもいかないでしょ。本当にちっさい所で、なんにもない所でやったりしてさ。当たり前のことかもしれんけど、初心に戻れたな。それが、実際自分らにはよう判らんけど、ライブパフォーマンスが変わったって、第三者から言われることがあるんよ。もしかしたら、前よりももっと、1本1本のライブをきっちりやろうっていう気持ちが出てきたのかもな。そうね、やっぱり何でも楽しむ人種なのかもしれんけど、先入観なしのライブをこなしてきたことは、自分らの自信になったのかもしれんよね。帰ってからのプレイにもなにかしら繋がっていると思うのよ。だから、変わったって言われるんやろうな。
みんなからキャーキャー言われるようなバンドじゃないから
──3月30日ですが。ロフトでのワンマンプラス…。
LARRY:真夜中からのトークショーよ。最初のライブは10月10日に大阪でやった、昔の曲を引っ張り出してやろうっていうライブがあって。それをシェルターでやったんよ。東京バージョンでな。それをまた東京でやってみたいっていうのがあって。
──それにトークショーって。しかも同じ日に(笑)。
LARRY:トークショーっていうかね、根本は公な「打ち上げ」よ。まぁ、それだけじゃまずいやろっていうから、ビデオ見たりしよっかなって。だから、今度出すDVD「リサイクル」に繋がっているかもしれんな。ただ、やってみたことがないから、判らんなあぁ、どうなるんやろ?!
──歴史を振り返って見ましょうって(笑)。
LARRY:どこまで出てくるのかは、本人たちしだいやからなぁ(笑)。
──ステージの質は全然違うんでしょうけど、ワンマンのステージが終わったあとに、プラスワンのステージに上がるって、気持ち的にはどうなんでしょう。体力は持つのか?! って。
LARRY:まぁな。きっついやろうな。でも、一回一回のライブでもそうなんやけど、いろいろチャレンジしていきたいやん。したことないしなっていう感覚よ。そう、ヨーロッパツアーもしたことないしな、っていうことから始まっているのかもしれんよ。だから、言ってみたら、すごく高いレベルの話よ。今度のトークショーは。ヨーロッパツアーと一緒のレベルのしたことないしな、だから。
──そうか。まぁ、お客さんも…。
LARRY:うん、耐久よ。グランプリよ。G2グランプリだから(笑)。判ってもらいたいのよ。いろんなことを。
──何にしても、濃い~ですね。プラスワンまで付いてきちゃう理由をお客さんにリサーチした方がいいですよ(笑)。何を求めて来たんだ?! って。
LARRY:そうやな~(笑)。ライブ終わったあとにお客さんから、いろいろ質問されるやん。それは結構、根ほり葉ほりやで。あの曲のここは~? とかな。そういうのに興味があるんやったら、公開でやった方が楽しいかもしれんよ。俺は根ほり葉ほりっていうのが、個人的にも好きなんよ。だから、こんなイベント企画してしもうたし、今度のレアトラック集も結局根ほり葉ほりやな。ビートルズでもそうやん。アウトテイクの音源もあるし、レコーディング風景の写真もバンバン公開しているやん。裏側みたいなのが判ると、なんやしらんけど身近に感じるやん。そういうCDを作りたかったのよね。裏情報ね。結構そういうのは楽しいよ。逆にうちはシーンの上にいて、みんなからキャーキャー言われるようなバンドじゃないから。わりとマニアックなバンドやん。
結局人に歴史ありだからさ
──そういう風に、全部じゃないにしても公開できる範囲は公開しちゃいます!! 的なことをすると、バンドに対しての幻想が無くなるというか、だって、しょーもないことも知られてしまうじゃないですか。あえてそれをやるのは、よっぽどの信頼関係がないとって思うんですが。
LARRY:そうな。でもな、格好悪い所を見せてしまおうっていうのもあるのよ。かっこつけているバンドはあんまり好きじゃないしな。生きてても格好悪いところを見せて行かないと、すっきり生きられないっていうのがあるやん。人と会ってても。バンドもそれでええかなって思うのよ。一商業ベースに乗っかっているっていってもな、GARLIC BOYSなんてたかがしれてるやろ。逆に商業ベースじゃない、もっと根本な所でGARLIC BOYSが人とつきあっていければって思っているのよ。GARLIC BOYSという一人の人格としてね。
──その方が、無理がないですね。
LARRY:過去がどんなに格好悪くてもさ、今もしょうもないことしてもさ、結局人に歴史ありだからさ。やってもうたっていうのは誰にでもあるでしょ。でもそういう生き方でもいいんやなって思ってくれたら、いいなぁって思っているんよ。
──体力的に、お客さんもGARLIC BOYSもつらいだろうなぁって思っていたんですが、よくよく聞いてみたら、優しい企画なんですね。
LARRY:そうなったらいいよな。ライブとは違ったお客さんとの共有時間がいいように回っていけばいいなぁって思っているんよ。体力的にはまだまだがんばれる部分があるでしょ。まだまだ。まぁ、終わったら「つらかったぁぁぁ!! もう絶対やらん!!」って言うかもしれんけど(笑)。