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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】FULL SCRATCH(2001年12月号) - 日本語でやるようになったっていうのは、俺らからしたら自然な流れ

日本語でやるようになったっていうのは、俺らからしたら自然な流れ

2001.12.09

[interview : 北村ヂン]

もともと根本に流れているのは日本語の歌ばっかり

──今回のアルバムは全曲日本語詞なわけですけど、今なぜ日本語でやろうと思ったんでしょうか。

ANTON YOSHI:別にどっちでもいいんですけど、ただ単に英語に飽きただけですね。前は英語でやるのが楽しかったり、それが格好よく作れる言葉だったりとかしたんですけど、今となってはもうええかなって思って、ホンマに。詞を作る上では日本語の方が作りやすいし、意味も伝わりやすいやろうし。まあ、今の段階では日本語でやるのがベストだろうってことですね。

──今までは英詞でやってた訳ですけど、元々聴いてたルーツ的な音楽は洋楽だったんですか?

ANTON YOSHI:いや、邦楽専門だったんですよね。洋楽っちゅうのは全然聴いたことなくって。FULL SCRATCH始めた頃にたまたま洋楽を聴いたくらいで。

YOSHIHIRO:その流れでFULL SCRATCHが出て来たって感じで。

ANTON YOSHI:だから、もともと根本に流れているのは日本語の歌ばっかりなんですよ。

──あ、そうなんですか。じゃあ今回は原点回帰したって感じですか。

ANTON YOSHI:そうですね、ある意味では日本語でやるようになったっていうのは、俺らからしたら自然な流れなんですよ。

──ファーストに入ってた曲を日本語詞にして再録してますけど、あれは日本語にした方が面白いんじゃないかという発想なんですか。

YOSHIHIRO:いや、あれはウチのレーベルの社長から、日本語にするんだったら前の曲の日本語版も一曲入ってた方がリスナーとしては聴きやすいんちゃうんかって案が出て。じゃあどれをやろうかって話になって、せっかくだから全然ライブでやってない曲をやろうかってことでファーストから選んだんですよ。

ANTON YOSHI:だから事務所の策略ですね(笑)。

歌詞の書きがいもあるし、歌いがいもある

──同じ曲であっても、やっぱりただ単に歌詞が日本語詞に変わったってだけじゃないですよね。音に英語を乗せるのと、音に日本語に乗せるのでは曲全体の意味合いも変わってくると思いますけど。

ANTON YOSHI:う~ん、意識してやってる訳じゃないけど。英語ってやっぱり音に音を乗せるって感じなんですよ。日本語にしたことによって音に言葉を乗せるぐらいの感じにはなってますね。オレにとっては英語っていうのは言葉じゃなかったですからね。そういう意味では人からしたら変わってるって思うのかな、まあオレはいつも自然にやってるだけですけど。

──日本語を乗せることによって、音に意味づけをしていくという作業でもありますよね。

ANTON YOSHI:まあやっぱり、その方が歌詞の書きがいもあるし、歌いがいもありますよね。

──反戦的なメッセージ性の強い歌詞もありますけど、これはやはり今の状況に対してって感じなんですか。

ANTON YOSHI:作ったのは4月、5月くらいなんで特に今の状況に対してっていうわけではないんですよ。全然狙ってなかったんだけど、逆にタイムリー過ぎてどうだろうって感じですね。

YOSHIHIRO:偶然なんだけどハマリ過ぎたよね。

ANTON YOSHI:もともと全然戦争の歌を作ろうとか思ってた訳じゃなくて、ただ「地雷」っていう言葉を使いたくて、「地雷」って言葉の流れからこうなっただけで。難しい言葉とか言い回しを知らないんで、自然に直球になってしまうんだけど、訴えようと思って書いてはないですね。まあ、後は聴く人間が適当に料理してくれたらいいんじゃないですかね。最近は出した後も後悔しないものが作れてるんですけど。今回は本当に皆が皆、やりたいことができたんじゃないですかね、満足できる出来になってますね。まあバンドとしてまあええ形で出来てるんじゃないかなと。

田舎でライダース着てチャリンコ乗ってた

──皆さんいつ頃からのつき合いなんですか?

ANTON YOSHI:僕とYOSHIHIROは中学からのつき合いで。僕らは和歌山なんですけど、あとの二人は大阪出て活動してた頃に二人とも別のバンドをやってて、そこで知り合ったんで19くらいからのつき合いですね。

──お二人は中学の頃から一緒にバンドをやってたんですか?

ANTON YOSHI:やってましたよ! BOOWYを(笑)。

──ああ、やっぱり。あの頃BOOWYは皆通りますよね!

ANTON YOSHI:もうBOOWYばっかりですね! 最近も「LAST GIGS」のDVDが出たんでずっとBOOWYばっかり聴いてますよ。やっぱ格好ええな~って。毎晩皆で大合唱!(笑)

──それからパンクとかを聴くようになってって流れですか。

ANTON YOSHI:BOOWYやってブルーハーツやって…。

YOSHIHIRO:ラフィンノーズやって、コブラやって、それからオリジナルをやり始めてって感じで。

──日本のロックの王道を行ってますね~。

ANTON YOSHI:本当大好き! 田舎だったんでライブハウスとかはなかったんで実際見たことはなかったんですけど、ビデオとか見て研究して。「格好ええな~」とか言って真似したりして。非常にミーハーな感じで。

YOSHIHIRO:変な格好して警官に止められたりもしましたよ。田舎の方じゃあんまり鋲ジャンとか着てる奴はいないんで。

ANTON YOSHI:地方じゃライダース着たらあかんのですよ。

YOSHIHIRO:まあ、あんな田舎にライダース着てチャリンコ乗ってたらすごいアヤシイですけどね。

──地方ってあんまり情報が入ってこないそこからこそ、そこから大いなる勘違いで面白い音楽が生まれてくるって感じはしますよね。

ANTON YOSHI:そうですね、あんまり情報はなかったんでイメージだけで、それがふくらんで。他にやることもないからバンド始めたら一直線にそっちに行っちゃうみたいな。

YOSHIHIRO:週5日くらい練習して。

──そういう頃好きだった音楽に対する集中力ってすごいですよね。1枚のCDをずっと聴き込んで

ANTON YOSHI:いっぱいCD買えないですから。今はそこまで聞き込む事ってないですからね。

──それからバンドやろうって事で大阪に出ていったんですか

ANTON YOSHI:そうですね。んでまあ、大阪で今のメンバーになって。4年くらいやってそろそろ東京行こうかって。

──それまでに東京でライブとかやったことははあったんですか?

ANTON YOSHI:いや、ないですね。東京全然知らなかったからね。ホンマ修学旅行以来ですよ。「あれが東京タワーやで」とか言って(笑)。ほとんど勢いだからね。

ホンマに勢いばっかり

──東京出てきてすぐライブをやれるようになったんですか。

YOSHIHIRO:全然知り合いがいないんで、それからSHELTERとか、色んなライブハウスにテープ持ってったりはしたんですけど…。

ANTON YOSHI:でも、あんまり相手にされなくって。「やっぱり厳しいな~」みたいな。でも、こっちに来て半年でアルバム出したんで、それからはライブも入るようになってきて。やっぱり音源あると強いなって。

──それで今に至ると。

ANTON YOSHI:まあなんてことはなかったですけどね。ホンマに勢いばっかりですね。

YOSHIHIRO:もう一回やれって言われたら無理ですけどね。

ANTON YOSHI:東京出て来てからは結構順調っていえば順調ですからね。

──これからツアーとか色々あって、12月に最初は相手にはされなかったSHELTERで初ワンマンがあるわけですけど。

ANTON YOSHI:いや、そういう訳でもないですけどね(笑)。はじめに「おまえら、なめとったらあかんぞ」って教えてくれたということで。初心に戻ってがんばろうかと。

YOSHIHIRO:まあ楽しみですね。

ANTON YOSHI:時間も長いしある曲全部やっとこうかなと。なんならBOOWYまで(笑)!

YOSHIHIRO:ブルーハーツもやるかもね!

ANTON YOSHI:まあ今、バンドもいい感じなんで、素晴らしいライブが出来るんちゃうかなと。今の俺らすごいぞと。

YOSHIHIRO:そのすごい所を見に来て欲しいですね!

 

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