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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】HANG ON THE BOX(2001年11月号)- 日本で成功させて、中国のシーンをひっくり返しちゃうようなことがしたい

日本で成功させて、中国のシーンをひっくり返しちゃうようなことがしたい

2001.11.09

女の子が普段考えているようなことを音楽にしている

──HANG ON THE BOXは中国で初めての女の子だけのPUNK BANDだって聞いてますが。

Shenjing:そうなんですよ。

Yilina:私とWangyueが高校の同級生だったのね。一緒に授業が終わったら速攻でレコード屋さんに走る! みたいな生活をしていて。そこでLiyanfanと出会ったのかな。

Wangyue:バンドがやりたくって。でもすぐにchanceはこなくて。高校を卒業してからShenjingに出会ってやっと始まったんだよね。

──女の子同士でバンドをやることに何かこだわりはありますか?

Wangyue:だって女の子だけでやる方が気持ちいいじゃん。

──それはどうして?

Wangyue:うーん、HANG ON THE BOXって多分、中国の女の子、といってもメンバーだから「普通の…」かどうかは怪しんだけどね、そういう女の子が普段考えているようなことを音楽にしているでしょ。だからHANG ON THE BOXとしては男のPLAYERと一緒にっていうのはないな。音楽的にも違ってくると思うし。

Yilina:足りない所はないし、今のところ満足しているし。

Wangyue:なによりも、この4人で音楽をやっていることが一番だって思っている。

──確かに、歌詞を読んでHANG ON THE BOXのキャラクターが感じられる。

Wangyue:そうです!! だからこの4人じゃなきゃなの。

日本はリスナーの年齢にも幅がある感じがした

──中国でのライブはどういう感じですか? ライブハウスのシーンが出来つつあると聞いてますけど。

Wangyue:中国の北京にも伝統的なライブハウスがあったんだけど、都市計画のせいで取り壊されちゃったんだよね。だから基本的には、ライブハウスっていうか全然設備は整ってない。音響にしても照明にしても機材にしても、まだまだ。

Shenjing:ちょっと大きめのBARでやる感じですね。ここ(LOFT LOUNGE)よりすこし広いくらいの。

──HANG ON THE BOXのお客さんはどんな感じ?  日本は性別の隔てなくたくさんの来てましたが。

Yilina:日本みたいにあんなにたくさんライブハウスに来るっていうのはあんまりないかも。

Wangyue:あとさ、日本はリスナーの年齢にも幅がある感じがした。中国では本当に、同年代の若い世代しか来ないから。それはまだROCKだとかPUNKだとかが中国で浸透してないからだね。それでも私たちはやっていくんだけど。

──HANG ON THE BOXは中国の女の子PUNK ROCK BANDの先陣切って歩いているわけですね。あなた達をきっかけにして、もっと若い世代に受け継がれて行くんでしょうね。

Wangyue:まだまだ全然少ないんだけど。しかも私たちのスタイルだけを単に真似している感じがするからね。そういうのははっきり言ってあんまり好きじゃないけど。

──そうか(笑)。でもそういう一歩から始まったりするからね。Wangyueだってアイドルとか誰かの真似していた時期あるでしょ。

Wangyue:まぁね。でも今のアイドルはHANG ON THE BOXっていうんだ!! (笑)とにかく真似されるのは嫌い。

──日本でアルバムがリリースされましたけど。何で最初の単独音源を日本で、そしてBENTENLABLEから出そうって思ったの?

Wangyue:中国で発売された殺害塩化ビニールのオムニバスに参加させてもらったときに、「BENTENの社長によろしく」って書いたんだ。中国だとROCKをリリースするチャンスが多くなくて。

──日本のこのシーンの情報源はどこですか?

Wangyue:一番多いのは日本人留学生から。後は殺害塩化ビニール周辺とか、最近ではBENTEN周辺から。中国の街に大っぴらに情報が飛び交っているというわけではないからね。

──レコーディングはどうでした?

Liyanfan:終わってみたけど満足はしてない。

Wangyue:これはこれでいい物が出来たって思っているんだけど。レコーディングしている最中とかおわってから気がついた事がたくさんあってね。自分たちの問題でもあるし、レコーディング環境の問題もあるし。

──HANG ON THE BOXのアルバムを通して聴いてみると、ジャンルに縛られていないというか、いろんな事にチャレンジしているなって思います。PUNK一辺倒じゃなくって。

Wangyue:中国のバンドは概ねそうかも。いろんな事表現していきたいから。PUNKもやるしムードいっぱいの曲もやるし、POPSみたいなのもやって。その全てにHANG ON THE BOXの特徴が出ていればいいと思うし。

日本で成功させて、中国のシーンをひっくり返しちゃうようなことがしたい

──渋谷のライブ見せてもらったけど、すごく楽しかった!!

一同:ほんと?! ありがと~!!

Wangyue:でも、大阪・名古屋・東京・横浜でライブをやったんだけど、日本にはすごくいいバンドがたくさんいるから、私たちはまだまだだって思っているんだけど。

Liyanfan:すごく楽しかった!! お客さんがすごかった!! 熱情が感じられて。

Yilina:そう。女の子のお客さんがたくさん来ているのには、驚いた。嬉しかったなぁ。

──今回は中国、韓国、日本のアジア連合でのTOURでしたが。

Wangyue:すごく意義深かったと思う。お互いのバンドの交流があって。

Shenjing:初めて韓国のROCK BAND知ったよね。北京にはアイドルとか変なダンスグループの情報しか入ってきてないから。

──そうでしょ!! なんか国の違いはあるんだけど、同じPUNK ROCCKの血が流れているんだって発見した感じだったな。

Wangyue:まぁ、バンドというか国によって特徴が出たと思う。気持ち的には、一つになれた感じはあったけど。今回少年ナイフと大阪で一緒だったんだけど、少年ナイフのように、アメリカで成功して日本に帰って来て、日本のシーンを変えたでしょ。私たちもそういうことしたい。例えばもっと日本で成功させて、中国のシーンをひっくり返しちゃうようなこと。なんにしてもこれから。私は、絶対に夢はかなうって信じているから。

HANG ON THE BOX
中国、北京出身。
中国女の子バンドとしてはのフロンティア的存在。
Wangyue:ヴォーカル  Liyanfan:ギター
Yilina:ベース      Shenjing:ドラム。

 

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