Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】GOOFY'S HOLIDAY(2001年10月号)- 視野がひろくなったというか。自分の中にOK!! って言えるジャッジが増えた。

視野がひろくなったというか。自分の中にOK!! って言えるジャッジが増えた。

2001.10.08

歌にかける自分の割合みたいなのをもっと増やしたい

──新メンバーが加入したんですよね。ギターの大浦さん。入るキッカケは?

遠藤:俺がギター欲しいなって言ってて、誰かいねぇかなってのをいつも考えてて、ある日俺が練習に向かってて、そいういえば大浦が、あいつはまじめだからいいかなぁって思って。努力型のタイプだから。そのバンドではベースだったんだけど、あいつが入ればいいのになぁと思ってたら、そのバンドが解散することになったって。そうなんだ。お前やれよって話して、じゃぁやろうって。

──地元で見つけて、地元でやるというスタンスは今も変わらない。

遠藤:それは変わらず。

──どんなかんじですか? 新ギタリストは。

遠藤:だいたいあご出してきたよね。

安井:顔が変わってきた。ギタリストの顔になってきた。

遠藤:流されてきた(笑)。

──あごが出てきたってどいういこと?

遠藤:渋いのを全面に出してる。

──メンバーとして確立したという証ですね。

遠藤:うん、もうなじんで。

──4人になって何か変わったことはありますか?

安井:スタジオ代が安くなる。

──現実的ですね(笑)。遠藤さんは楽になったんじゃないですか? 歌に専念出来る部分で。

遠藤:そう!  それ大事。歌にかける自分の割合みたいなのをもっと増やしたいっていう気持ちがあって。けっこう前から考えてたんだよね。ギターいたらいいなとか、もっと歌に専念したいなということはあるしなって。表現の幅も広がるしね。

自分の中にOK!! って言えるジャッジが増えた

──今回ミニアルバムが10/17にリリースされますが、はい、タイトルが読めません(笑)。

遠藤:読まなくていいです。読むと、その数字の並び自体が適当なんだけど。そんな理由深く言わないんだけど、さんじゅういちじゅういちとも読めるしスリーイレブンワンにしても読めるしね。いざ読もうとすると読めないでしょ。だから書いてある字でも記号なの。だから、困るよねっていう話。

──注文するときも、みんな困ると思うんですけど。

遠藤:まぁどうとでもとれるからおもしろいかなって。基本的にはなんでもタイトルは良かったんだよね。とらえた人がとらえたような自由。

──何て読んでます?

安井:赤盤って。それはうそです。

──タイトルには特別な意味は込めないですっていう。

遠藤:今回はそんなに思ってない。単純に言葉遊び。

──今回のミニアルバム。前作はどっちかっていうとGOOFY'S HOLIDAYの内のこもった世界観が強調されていましたが。今回は内にというよりは、深いところに行きながらも外に向かって「みんな聴いてよ!!」っていう想いがあるなと。どうでしょう。

遠藤:意識してないけどね、全然。自然。あの時はああいう感じだったんだよ。

──前回も「こう思ったんですよ」って言ったら、いやしぜ~んにって(笑)。

遠藤:同じ答えだね(笑)。進歩してねぇな俺達も(笑)。作ってみたらこんなのができて、いいかな悪いかなみたいな判断はあんまりないなぁ。

安井:考えるとできないかも。ホント自然にできたもんだから。

遠藤:でも言われてみるとそうかも。前の方がこもってたって言い方は変だけど、今のほうがオープンになった感じがあるかもね。

──派手な曲、たとえば「タイム」は聞きようによっては派手ですけど、しみこむ感じの聞かせる音。

遠藤:より聞かせる感じ。そう…だね。なったん…だろうね。前よりは、いろいろやってみようっていう感じは出してるかもね。

安井:視野がひろくなったというか。自分の中にOK!! って言えるジャッジが増えた。

──たとえば、2曲目とかライブで再現できない音が入ることに対してもありになったと?

遠藤:おもしろいからいいんじゃない?俺はそんぐらいのスタンスなんだけど。前はレコーディングとライブは直結させたいなって思ってたけど、今はそうでもない。レコーディングはレコーディングの楽しみがあって、ライブはライブでしかない楽しみがあって。

──レコーディングの回数をこなしてきて、変わってきた意識なありますか? 6曲目なんかは今までだったらやらないんじゃない?

安井:半分シャレだから(笑)。一番、禁じ手をやってみました(笑)。ここまでやっちゃえばあと、何見せても恥ずかしくないでしょみたいな。

──かなりびっくりした。

遠藤:表現は自由なんだなって思って、俺はね。自分から重くしていくことはないんじゃないかなっていうのを、日々考えるようになってて。ジャケット俺が描いたんだけど。俺、全くシロウトで絵のなんたるかなんて、全然知らなくて。しかも美術とかすごい悪かったのね、成績が。絵に対してすごいトラウマがあったけど、最近表現するってことは何をしても自由なんだから、一番苦手だったものをやってみようって思った。描いたらおもしろいかなって思って、あっすごいおもしろいって。自由だから、何でも。

──自由もわかるんですけど、バンドとして、ダメっていうジャッジは必要ですね。

遠藤:できたものは全部音源として出すとかじゃないよね。昔フォークミュージックが全盛だった頃、エレキギターが出てきて。お前もエレキなのかよって、言われてきたものが、今はそれが主流になってるわけじゃん。だから時代の変遷とともに、やっぱりそういう表現として幅が広がっていくわけ。たまたま、別にループのドラムとかやりたいと思わないから、やらなかっただけで、やってもいいじゃないか。やりたいじゃん。今まではやりたくない! だった。それがやってもいいじゃないの? に変わってきている。それが自分の中でかっこいいかかっこよくないか、みたいなものはある。

──心境の変化ということは、バンドがひとつのステップを刻んだという。

遠藤:なぁんにも事件はないですね。

安井:ホントに自然なかんじで。変わったとかも気づかない。言われてみて、変わったのかなぁってかんじ。

遠藤:俺がこういうものを考えてきたよって持ってきたときに、みんなでやって、みんなで考える。「俺はいいと思うよ」「俺はイマイチかな?」とか、メンバーの意見を聞いたりして、そういうぐらいしかないよね。これはありじゃねぇの? とか。

──3曲目は再レコーディングですね。これはなんで? 曲がたりなかったとか。

遠藤:失礼な! 曲は余ってました。前のアルバムの曲からけっこうライブでやる度にアレンジとか、いろいろ変わってきたから、4人バージョンみたいなものを録ったらおもしろいかなと思って。スケールでかくなったでしょ。俺ら、無駄に大げさな曲が多いんだよね。

──2年前に戻って比べてどうなのかって言われたらわからないですけど。そのときの気分もあるので。でも、今回は現代感というか、今のGOOFY'S HOLIDAYですね。

遠藤:前作で表現しきれなかった部分が今作は表現できてるかなって。それは技量のアップもそうだし、メンタル的な部分もそうだし、今のバージョンのほうが、今の自分たちもしっくりくるよね。多分、3ヶ月とか時間がもっと経ってけば、その部分はどんどんずれてくるんだろうけど。

いろんなことを考えないで自然に聞いてくれたら一番いい

──常にバンドが動いてるということですね。11月からツアーですか? 

遠藤:ツアーないです。レコ発が1本あるだけ。

──ツアー大好きな人間が? ホントに1本なんですね?

遠藤:地元は別にしても、シェルターだけ。

──どんなレコ発ですか? 競演は?

遠藤:ゼロです。ナシです。

──えぇ! 本当にワンマン?! 

遠藤:チャレンジしようかと。頑張りますよ~。世界中からシェルターに来るぐらい。そんぐらいの勢いで来て欲しいなっていう希望。

──そうか、イヤイヤびっくりした。でもものすごく楽しみですね。それはそうと、最近は女の人増えました? お客さん。

遠藤:いや、特に変わらない。現状維持で。男臭ばかりが目立ちますね。全く(笑)。

──でも今回は来るでしょう。

安井:来て欲しいね。スタジアムロックみたいな。スリムのブラックジーンズをはいてるやつが来るかどうかのほうが興味がある。

遠藤:来て欲しいね。

──では最後に、一言お願いします。

安井:今回のミニアルバムは、変わったとかは…あれですね。自分らが自然体で作った音楽だからいろんなことを考えないで自然に聞いてくれたら一番いいですね。そんなかんじで。

遠藤:シェルターのトイレに、手をふく紙を付けて下さい(笑)。強く願ってます。いつもびしょびしょに出てくるからさぁ。これは絶対にお客さんとかも思ってることだよ!!

──みんな持ってるんですよ。

遠藤:ハンケチ? 持ってないだろ。ある程度拭かないやついるよね。全体の動員数が増える。

──女の子の客が…。

遠藤:何を言いに来たんだ、俺は(笑)。

──分かりました、ってSHELTERもGOOFYもなぁんか、成長してないっていうことですね

遠藤:そうそうそう(笑)。2年前のインタビューのシメもこれなんだよね(笑)。

休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻