ライブの迫力・音源としての迫力、とにかく音にこだわり続けるスクービードゥー。下北沢SHELTERでのレコ発ワンマンを間近に控えたメンバー全員に話を聞いた。(TEXT:やまだ)
買ってくれた人がずっと聞いてくれるようなものに
──95年に結成された時はどういった感じでメンバーは集まったんですか?
コヤマ:僕とリーダーのマツキ君が幼い頃から知り合いで、大学に入ってその年の夏ぐらいからバンドを始めてたんですけど、その年の暮れぐらいには現ドラマーのオカモトが入って大学で一緒にやってたり。その後はベースが何人か変わって今年の2月から4代目のベーシスト。オカモトと僕が大学の時のサークルが一緒で、オカモトがアタックしたっていうそんな感じですね。
──今やってるスクービードゥーの音楽っていうのは、当初から今のようなスタイルが念頭にあってバンドを始めたんですか。
コヤマ:最初は違っていて、リーダーマツキがけっこうモッズっぽいものが好きで、バンドをやろうって頃にはモッズのルーツみたいな、オリジナルのアメリカのブルースとかリズム&ブルースが好きになり始めててモッズバンド的じゃないですけど、カバープラスオリジナル曲をやっていました。オリジナルは、その頃リズム&ブルースも好きだったんですけど、日本語の60年代後半ぐらいのGSとか、そういう雰囲気をちょっと持った感じのをやってて、やり始めた当初は半々なかんじで今みたいなかんじではなかったかな。
──どんなところにルーツを持ってるんですか?
オカモト:当時からコピーしてたのは60年代の基本的にはリズム&ブルースとかソウル、とりわけファンキーソウルと言われてたファンクになるちょい前の、変わりそうなんだけどまとまりのないかんじというか。
──曲を作り始めた当時は、それに日本語の歌詞をのっけてくっていうかんじなんですか。
オカモト:曲書いてるのはマツキで、作り始めたときには全然日本語をのっけるとかじゃなくて、書くとき普通に。曲作りに関しては、黒人音楽にただのっけるだけではないと思うんですけど。
コヤマ:詞のかんじとかも黒人音楽に特に影響を受けてるかんじではないと思うんですよ。影響を受けてなくもないというところもあるんだけど、それはもっとすごいおっきい話で細かい部分でディティールの部分でマネしてたりっていうのはないと思います。曲が目の前にあってそれに自分から出てくる詞をのっけるというよりは、自分の身になってるというか、音楽的な血とか肉になってるようなものとして一緒に出てくるからより自然な感じはするんですけど、特に最近はそういう傾向が強いというか。
試行錯誤してやったんで、次につながる
──9月に2ndアルバム「Beach Party」が発売になりますけれどもテーマとかコンセプトみたいなものはありますか?
マツキ:海とか夏とか一番デカイ、ちょっと夏っぽいかんじにしようって。あと曲的なことをいうと、ファーストアルバムの、リズムものと歌ものの比率っていうのをまったく反対にして、歌ものを多くしてリズムものみたいなインパクト重視なものを減らしてみようっていうのを最初考えました。せっかく作るんだったら、買ってくれた人がずっと聞いてくれるようなものにしたくて、今回曲のインパクトみたいなものを考えて、聞いて気持ちいいようなメロディーとかを大事にしてみたんですけど。
──レコーディングはいつ頃されたんですか?
コヤマ:3月の半ばぐらいから始まって、終わったのが6月の終わりぐらいですかね。丸1日、お昼から夜までとかやれる時間がなくて、短い時間を細切れにやっていたらわりと長い期間かかっちゃったんですけど、それが逆に幸をそうしたというか。
オカモト:客観的に聞ける。1曲ずつ確認して、足りないところがあったら足して。
──ここはこだわりましたというのは。
マツキ:いつもなんですけど、音の取り方というか、今までは一発録りの迫力みたいものをテーマにしてやってたんですけど。ライブで迫力出そうと思ってやってるやり方を録音でそのままやると意外に迫力がないものができちゃうな、と。だから時間がある限り、楽器を最初一斉のせで一応録るんですけどその上にギターをかぶせたりだとか、パーカッション入れたりだとか、ホーン入れたりとか。ごくごく自然なこだわりってかんじですかね。
──レコーディングもいい感じに自然に…。
コヤマ:試行錯誤してるんですよ。ギターとかも特に今まで時間かけられなかったところに、スゲー時間かけたいなぁってのがあって、ドラムの音を良く録りたいってのはいつもあるんですけど、ギターにしろ、歌とかも許す限り歌い直したりしてみました。
マツキ:たぶん4人の中にこの感じは最低クリアしたいなみたいなのがあって、そのOKかOKじゃないかっていう出し方はわりかし自然にできたんじゃないんですかね。ただそこまで行くのがけっこう長くかかったものもあるってかんじですか。でも試行錯誤してやったんで、次につながるというか、次にまたレコーディングやったときに、使えそうなと言うか更に発展させた形でやったりとか、すごいレコーディングが楽しい感じにあがってきたんですけど。
常に進化を問われていたい
──今回BLACK BOTTOM BRASS BANDと2曲やろうと思ったきっかけとかってあるんですか?
オカモト:何度か対バンしたことがあって、ホーン入れようってことになって頼んだらけっこう快く応じてくれて。こことここの合間に入れてくれとかそういうことだけ言っていきなり本番。細かい所はちょっとずつ手直ししたんですけど・・・。すげぇ最高でした。
──いろいろなジャンルの人と対バンしているんですけど、同じ系統の人とやるのとはお客さんの反応が違いますよね。
マツキ:いろいろなお客さんの前でやりたいな。例えばデックレックだけとかだと、どうしてもガレージっぽいというか60年代な雰囲気。そればっかりでやってるよりはいろんなところに行って、緊張してやりたいなってのがあったので。
コヤマ:ヒーヒー言わせたいですね。違う人のところでやって、違った反応が返ってくるのが楽しいし。常に進化を問われていたいというか、問われ続けたい、そして答えたい。
──16日はシェルターのレコ発ワンマンですが。
コヤマ:ワンマンだとやりたい放題というか、好きな曲やりたい曲が全部できるんで、そういう楽しみはいつもありますね。前のアルバムとかもCDが出てて、全くおんなじにやるんじゃなくアレンジをほどこしつつ、昔の曲なんだけど今の俺達のかんじでやるみたいな。
──今度の発売日にあたるegg-siteもオオサカ=モノレールですよね。彼らも黒人音楽好きで、ルーツ一緒だけどお客さん全然違うみたいな。そのお客さんをそのままシェルターに持ってくるぞと。
コヤマ:俺等がヒーヒー言わないように(笑)。お客さん全員シェルターに連れていきます!!