ケイティ・ジェーン・ガーサイド(Daisy Chainsaw / Queenadreena / Ruby Throat / Liar,Flower)
80年代後半から90年代前半に活動していたUKオルタナティブ・パンクバンドDaisy Chainsawの初代ボーカル。99年にDaisy Chainsawギタリストのクリスピン・グレイとゴシック / オルタナバンドQueenadreenaを結成。10年ほど活動し、フォークデュオRuby Throatや、ソロ活動などを経て、現在はLiar,Flower名義のソロ(?)で活動中。
彼女の最大の魅力である何歳になっても変わらないロリータボイスと、オルタナティブをまさに体現したようなステージでの存在感は圧倒的で、歌というよりその存在という意味で一番好きな歌姫。
Daisy Chainsaw脱退から6年後、クリスピンと組んだQueenadreenaでは、それまでのロリータな部分に大人の妖しさが加わり「ゴシックロックの元祖」とよく言われているが、悪魔的な世界観などではなくケイティの病的な内面を投影した独特のダークな世界観で、パンク、ブルース、ノイズロックなどを内包したオルタナティブなサウンドなど全体的に的Daisy Chainsawより洗練されていて、私は断然Queenadreenaの方が好き。
▲この曲が一番好き
2008年の原宿アストロホール、渋谷クアトロと2度の来日で至近距離でケイティを拝んだ時は本当に感動した。東急ハンズのショップ袋をチューブトップワンピースのように着て登場し、ビリビリやぶきながらほぼパンツ一枚になって歌う姿は、とてもこの世のものとは思えないというか、キリストとか巫女とかイタコとか、映画『300』に出てくる、長老たちに薬でいいようにされている女の人とか、そこに自分の意思でいるとは思えない、何かに取り憑かれている人を見ているような、不思議な感覚だった。
短期で脱退したDaisy Chainsawに比べ、1999年〜2009年の約10年間というわりと長期間Queenadreenaとして活動し、Ruby Throatでのフォーキーなサウンドへ移行。現在はLiar,Flower名義のソロで活動中。こちらはRuby Throat味もありつつ、なんとQueenadreena色が戻ってる!
でも、やっぱりQueenadreenaのケイティはあの時代にしか存在しないわけで、いくら再現されたとしても、それはやっぱり別物なんだろうな。だから、観たいと思った時にライブは行かなきゃダメだなと最近つくづく思う。ああ、でも、やっぱりどんなケイティでもいいからもう1回観たーい!(Text:小野妙子 / Rooftop編集部)